Daryl Hall John Oates: Concert Report
('00/3/17@Atlantic City Hilton, the Grand Theater)

2月から始まったミニツアーを締めくくるAtlantic City公演の1日目のレポートです。

会場はHilton Hotelの別館になっているThe Grand Theaterで、フルキャパで1200人弱入る大きさ。チケットマスターのインターネット販売では即日完売した(リロードするとリアルタイムに座席がどんどん悪くなっていった、、、少し後悔)チケットだが、カジノの招待客がステージ前真ん中の特等席を埋めていました。けどその周りを埋めた人達は、年齢層少し高いけど、本当に彼等のことを好きな人ばかりといった感じで、歓声やリアクションは非常に大きかったです。

開演前のBGMは最初のうちはDire Straits, Talking Heads(Led Zeppelinの後にかかると違和感あるなぁ)などがかかっていたのですが、予定時刻の30分前からはMarvin Gaye一本槍(開演は20分遅れたけどやっぱりMarvin Gayeがかかってた)。DarylとJohnの意向が強く働いたのでしょう。

バンドメンバーはDaryl & Johnの他はベレー帽被ったベースのT-Bone Wolk、キーボードのBobby Mayo、ドラムのMike Braun、角刈り頭になったPaul Pesco、そしてCharlie "Mr.Casual" DeChantといつもながらのHall & Oatesバンドでした。私はステーじ左端よりやや左の前から3列目に座っていたのですが、ここからだとT-Boneは右腕くらいしかまともに見えなかった。昼にマックで食べてから体調が悪くなって直前までお腹が痛かったのですが、Daryl & Johnが出てきてからはそんなこと忘れてしまいました:-)。

演奏したのは本編11曲+アンコール(2+1)曲の全14曲、約90分で以下のようなセットリストでした:
Adult Education
Method of Modern Love
Out of Touch
Want to
She's Gone
Time Won't Pass Me By
One on One
Everytime You Go Away
Sara Smile
I Can't Go for That (No Can Do)
Maneater
(Encore 1)
Rich Girl
Wait for Me
(Encore 2)
Kiss on My List

Marigold Skyからの曲は今回は2曲で、あとはグレーテストヒッツ的な内容でしたが、アルバムを準備中の為これは致し方ないところ。ただ最近あまりやらなくなったMethod of Modern LoveやWait for Meをやってくれたのは良かったと思う(Las Vegas Turnaroundとか本当に珍しい曲も聞いてみたいけど)。

オープニングはやはり久し振りのAdult Educationで、出てきた瞬間に大歓声で迎えられたDarylは表情も明るく声も良く出ていて、体も良く動いていました。Darylは黒のTシャツに黒の革ジャン、黒灰色のパンツで、Johnは黒の半袖TシャツにDarylとお揃い?のパンツという格好でした。外は氷点下なのにJohn若い!ここ最近はいつも同じストライプの入ったTシャツばっかり着て衣装にこだわらなくなったかと思われたDarylが、首の下まで伸びた髪で革ジャン羽織った姿は'88のOoh Yeah!ツアーで来日した時の様なかっこ良さ。

2曲目、Method of Modern LoveではJohnがハーモニーをつける他にギターソロを披露するシーンもあり、笑顔もふんだんに見られ、2年前のツアーの時よりも元気そうでした。この曲以外でもJohnはソロを取ったりハーモニーを付けたりでその歌声をたっぷりと聞かせてくれていました。この曲の最後では短時間ながらDarylのキーボードも聞くことが出来ました。そしてこの曲の演奏後だったと思うけど、Darylが次のアルバムを作っていて今ミキシングをやってるんだ、と話し、その中からできればいいんだけどそうもいかないね、と言った後にOut of Touchが演奏されました。

Out of Touchは最近のツアーと同様Dance on Your Kneesの部分はカットされていましたが、イントロの後の短い間で会場から大歓声が起きるところはアメリカならでは。この曲も前2曲同様、今まで聞き慣れたものとほぼ同じアレンジでしたが、Hall & Oatesバンドの演奏はシャープでDarylの声も良く出ており、Johnなどによるハーモニーもきれいについていて、改めて聞いてみても退屈するどころか心踊らせる出来でした。

Want toは前回のツアーでも感じましたが、今一番ライブで映える歌(シングルカットされなかったのが惜しい)。Darylは体を左右にくゆらせながら歌って魅せてくれ、Johnはギターソロをつける他に最後の部分ではリードも取り、またPaul Pesco, Bobby MayoとCharlieによるコーラスもばっちり決まっていて、アルバムでは聞かれないインストパートも設けるなどで見どころ満載。ライティングもこの曲では思いっきり派手でした。この曲のようにライブで格段に良くなっている曲を聞くと、今のHall & Oatesが過去の再生産ではなく未だに進化し続けていることを実感できます。この曲の後、「もう一曲Marigold Skyから」とDarylが言ったところ会場から「昔の曲をやって!」とUSファンクラブのメンバーからリクエストがあり、その場で予定を変えて?(DarylはThrow the Roses Awayを口ずさんでいた)She's Goneが演奏されました。

She's Goneは言うまでもなくHall & Oatesの代表曲の一つですが、アメリカのファンがこの曲の歌詞をよく覚えていることには驚かされます(私は全然覚えてない、、)。2年前にOrlandoのHouse of Bluesで見た時にもフルコーラスで多くの人が歌えていたのに驚きましたが、今回も多くの人が彼等と一緒に歌っていました。もちろんここではJohnの歌声もたっぷり聞けて満足。

次はMarigold Skyからの曲でやはり二人のデュエットが聞けるTime Won't Pass Me By。この曲ではDarylよりむしろJohnの方がリードを取っている感じで、二人が一緒に歌っている様にいつもうっとりしながら聞いてしまいます。

Darylが自分の曲で最も好きと語っているOne on OneではDarylは気楽に無理せず、しかししっかりと歌っており、2年前のツアーの時よりファルセットもよく出ていました。John達のコーラスも素晴らしく、多くの観客も一緒に歌って、Change of Season発表後のAcoustic Powerツアー以来で最高と言える演奏でした。

Everytime You Go Awayではお決まりのように「これは僕達の歌だけど他の人に歌われて」という風に話した後、「もう何度も話した話さ」と言って一旦止めたのですが、やっぱり気になるのか「Paul McCartneyだっけ?」とボケをかましていました(カバーして全米1位を取ったのはもちろんPaul Youngです)。オリジナルバージョンを思い起こさせるBobby Mayoのキーボードに導かれて始まった演奏はしかし実に素晴らしく、Darylはソロツアーの時のように熱唱し過ぎることなく、しかし心を込めて歌っており、Bobby MayoとCharlieのコーラスパートも非常に良かった。Charlieのサックス・ソロの後はT-Boneが大きくフィーチャーされ、今までとは一味違うアレンジ。そしてソロが終わってまったりしていたCharlieに突然Darylが振ってまたソロをやるように促したので、びっくりして慌てるCharlieがDarylに嫌み?をひとこと言っていたのが面白かったです。Paul Youngの影を少なからず引きずっていた曲ですが、今日の演奏は今まで私が聞いた中で間違いなく最高の出来で、彼等ならではのバージョンに仕上がっていました。

Darylの表情がいつも穏やかになる彼等の初ヒット曲、Sara SmileをDarylがまだ歌っている間にバンドはメドレーで演奏を切り替え、少しジャジーな感じもするゆったりしたテンポで演奏を始めます。今まではこの曲に続いて演奏されるのは歌詞の連続性もあってOne on Oneであることが多かったので、これは今までになかった展開でした。そして満足するまでSaraへのラブソングを歌った後ゆったりとした動きでキーボードの前に座ったDarylは、イントロが終わって歌が始まる瞬間ギヤを切り替え、I Can't Go for Thatが始まりました(最初の方でCharlieはフルートを吹いていたけど、そんなこと今まであったかな?)。分かってた人は私を含め少なからずいたと思うけど、この曲だと分かった瞬間に大歓声。途中で客を焦らしながら演奏するCharlieのロングのソロは何度聞いてもいいもので、やっぱり一番盛上がるのはこの歌ですね。

Darylが軽快なステップを刻んでみせた(かっこいい!)Maneater で本編は盛上がったまま終了。アンコールが始まるまでの間に続々と人がステージ前に集まってくるのを見て、私も調子に乗ってステージの真ん前に出て行きました。そのかいあってアンコールの為に一番に出てきたT-Boneが配ったピックを一つゲット(初めて手に入れた)!メンバーが続々と出てきた後最後にDarylが登場し、キーボードの前に腰掛けRich Girlが始まりました。

もうここまでくると盛上がっている人は徹底的に盛上がっていて、歓声は凄いものがありました。前の方に座る招待客が怪訝そうな顔をするのも気にせずステージ前に集まった人は大フィーバー(死語)状態。Daryl & John他のメンバーも満足そうです。Rich Girlに続いてはAcoustic Powerツアー以来となるWait for Meが演奏され、一段と盛上がりました。この後また下がったのですが、観客の歓声が鳴り止まない為にもう一度出てきて、最後にKiss on My Listが演奏されました。この曲ではDarylは立ったままキーボードを演奏しており、Daryl自身も気分が盛上がっていたのでしょう。間奏ではPaul Pescoの歯でのギター演奏も見ることが出来、大満足のうちにコンサートは終わりました。

明日のツアー最終日も見ます。

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