イベントレポート  Event Report 
2008/4/4 グレートキングカイザー誕生

グレートの構想自体は初代のキングカイザーが誕生した時から明確に持っていました
グレートキングカイザーというネーミングも最初から決まっていました
しかし、実際に誕生するきっかけとなったのは、昨年韓国で開催されたアジアカップでした
韓国勢の大型ロボットに次々と倒されていく日本代表のロボット達を見て、ビックボスがつぶやきました

「なんだぁ、オイ、まるで大人と子供だなぁ」

私の心の中でも沖田艦長がつぶやきます

「ダメだ、この機体では勝てない...」

そして、迎えた第12回大会、準決勝で韓国のガジェットUに負けて3位
表彰式の時にビックボスからキツイ一言を頂いて、いよいよ大型機に移行せざるを得なくなりまし た

さて、大型機を作るのは良いとして問題はアクチュエータです
当時、近藤科学KRS4014を超えるトルクを持ったサーボは韓国のダイナミクセルしかありませんでした
しかし、心情的にこれは使いたくない...(^^;

そうなると現状の4000番シリーズでなんとかするしかありません
残された道は二つ、一つは外部ギヤを使いトルクアップする方法、もう一つはサーボモーターを二 つ使った並列運転(以降デュアルサーボと呼びます)
前者はメカが複雑になる点とスピードが犠牲になるという点でコンセプトに反してしまいます、後者のデュアルサーボ化を決意しました
現状ではこれしか選択肢はありませんでした

そしてROBO-ONE GRAND CHAMPIONSHIPが終わった直後から開発がスタート
開発コンセプトは重量級でありながら、軽量級に負けないスピードを実現する事
具体的な要求仕様としては

「Kenが本気で操縦するキングカイザーG(二冠王)に私の操縦で勝てる機体」でした

例えて言うなら、
「シャアの乗るザクに素人が乗っても勝てるモビルスーツ」という事でしょうか !?
しかし、ハッキリ言ってこれがかなり厳しい課題であったことは後でわかりました

12月中はサーボモーターのデュアル化の実験と下半身の試作
年が明け、GP最終戦が終わってからは本格的な試作(エンジニアリングモデル)に入りました
サーボモーターの並列運転というのはFA(産業機器)の世界では結構スタンダードな方法です
ROBO-ONE界でも古くは鬼丸、最近ではオムニやもん☆等が採用しています
とはいえ、K社のラジコンサーボでの使用例は初めて(だと思います)、慎重な実験が続きました

実は、GPの最終戦、決勝戦でメガダイナマイザーを破り、GPチャンピオンに輝いた時
ひょっとすると、この機体でも行けるんじゃないか!? アジアカップの機体はmarkUだったし
第13回はこの機体でもベルトを取り戻せるのでは!?....
第一、いまから全くの未知の新型を作るのはリスクが高すぎる
この機体を熟成させた方がリスクが少ないんじゃないのか!?
そんな考えが頭をよぎりだしました

しかし、そこで私の処世訓の一つ
「分かれ道に出会ったら、迷わず遠回りを選べ」という言葉を思い出しました
リスクだなんだと、理屈をつけて自分を納得させようとしていたのは
ただ単に楽で安易な近道に逃げるための口実なんです
リスクマネジメントでもなんでもない !!  遠回りせずして進歩無し! 
甘い誘惑は捨て去りエンジニアリングモデルの製作に没頭しました

1月中旬にエンジニアリングモデルによる動作確認、具体的にはロンダートの動作を確認し
1月後半から一気にフライトモデルを製作しました

エンジニアモデルでロンダートが出来る事を確認した時に、バトルテストも行ってみました
キングカイザーGのバトルプログラムをグレートに移植してチャンビオンとスパーリングしてみたのです
私には密かに自信がありました、ここまで体格差があれば勝てないまでも互角にわたりあえるのではないかと
しかし、その自信はスパーリングが始まった途端、見事に打ち砕かれました
全く話にならないのです、あっというまに回り込まれ、懐に飛び込まれバッタバッタと倒されていきます。いつもの様に6分間で2ラウンドやりましたが、結局一度のダウンも取れませんでした。こちらは何回K.Oされたかわかりません

重さだけで勝てるほどチャンピオンは甘くありませんでした
原因はソフトウェアです
これまでの流用でいけるなどというのは全く甘い考えでした
この時、大型機には大型機用のソフトウェアが必要な事が身にしみてわかったのです

こうして2月の中頃には下半身のピッチ軸全てをデュアルサーボ化し、ソフトウェアも大型機用に新規開発されたグレートキングカイザーが完成しました
最終的に膝はデュアルのダブル、股はデュアル直行軸という構造になりました
サーボの数は片足だけで、なんと12個です

さあ、スパーリング用のプロテクターも製作して再度チャンビオンに挑戦です
グレートキングカイザーは見違えるように動きが良くなりました
前回あれほど歯が立たなかったチャンピオンをコーナーに追い詰めダウンを奪っていきます。まさに圧倒的な強さでした
ついに、要求仕様を満たした「チャンピオンに勝てるマシン」が完成したのです

そして、満を持してグレートキングカイザーを投入した第13回ROBO-ONEは予選は重量級2位、決勝は重量級優勝、総合優勝と最高の結果を残すことが出来、公約通り海を渡ったチャンピオンベルトを取り戻す事も出来ました


振り返って考えてみて、あの時、二冠を制した時にいい気になって大型機の開発にチャレンジしていなければ三冠王にはなれなかったでしょう
良く言われる事ですが、エンジニアにとって技術が今までと同じ、変わっていないという事は「後退」しているという事と同じなのです
努力して進歩して初めて現状維持、その先へ進むには更なる努力が必要となります
今回、あえて険しい遠回りの道を選んで良かったとつくづく思いました

これからも一生チャレンジャーでいたいと思います


2008/1/8 青い稲妻への挑戦
GP 最終戦前日、スタッフリハが行われているリングの上を疾風の如く駆け抜ける1台の巨大な青い機体がありました、そうです、新生ダイナマイザーです
スパーリングの相手をしているのは、過去に韓国巨大ロボをマットに沈めてきたマジンガア
8kgのMYROを倒したマジンガア必殺のロケットパンチを直立したまま跳ね返す巨体と重量、その巨体に往年のスピードが宿っています

ついに「青い稲妻」が重量級となってROBO-ONEのリングに帰ってきたのです

それにしても、5kg級のロボットがこんなに素早く動けるとは...
やっぱりダイナマイザーはこうでなくっちゃいけません
思い起こせば2年前、ダイナマイザーのスピードと華麗なハンドスプリングアタックに憧れ、その背中を追ってここまで来ました

「ひゃー、すっげぇなぁ、こんなすっげぇ奴と戦えるなんて、オラなんだかワクワクしてきたぞ」

おっと、DB風に喜んでばかりもいられません

まさかここまで凄いとは...家で準備してきたダイナ対策はRGC時のものなので全てご破算です
気分をリセットして明日までに一から対策の練り直しをしなければ
なんたって、ただ立って腕を前後に動かしているだけで、相手ロボットがバッタ、バッタと倒されていくのですから


そして翌日、GP 最終戦が始まりました
キングカイザーは1回戦のぺんと戦、2回戦のイーブ戦と勝ち抜いて決勝に駒を進めました
決勝戦の相手はやはり予想通りダイナマイザーです
前夜ダイナマイザー用に攻撃技を調整し、正パイロットの隼人君が搭乗し、万全の体制のマジンガアをあっさり倒し、1回戦でアリナちゃんの駆るアリウスを倒して意気上がる絶好調のメタリックファイターを瞬殺、まさに圧倒的な強さで勝ち進んで来ました

1回戦で敗退した光子力研九所のゆみさんが試合後のインタビューで「前回までは体格は大きくてもスピードが遅かったからなんとかなりましたが、これだけスピードが速いと回り込む事も出来ないし、どうにもなりませんでした」と語った通り、まさにパワーとスピードを兼ね備えた最強のロボットが今、目の前に立っているのです
レフリーの小林さんを始め、実況の土田さん、解説の先川原さん、他の出場選手、その全ての人達がダイナマイザーの優勝を確信したかのようなコメントを初めています

しかし、私は決勝のリングに向かう時、パイロットのKenに
「いいか、ロボットでは負けているかもしれないが、お前の操縦は負けていない!
 操縦で勝つ!!」
とハッキリと言いました

運命の決勝戦が始まりました

さっきまでとはうってかわって慎重なダイナマイザー、少し動きが硬い気がします
しかし、普通にパンチを出したら反動でこちらがふっとばされてスリップダウンをとられてしまいました。
これが2倍近い体重差の現実...
会場からは「やっぱり...」という様なため息が聞こえます

やはり作戦通り背後を取りに行くようにKenに指示します
Kenは動きの硬いダイナマイザーの背後にうまく回りこみ、右ストレートで先制のダウンを奪います

ここまでは作戦通り

しかし背後からダウンを奪われたダイナマイザーは、今度はリング際に位置取りをし、リングの外に背を向け、背後のスペースをつぶしたポジションを取ってきました
さすがはタクミ君、元祖ニュータイプは伊達じゃない !

しかし、実はそれもこちらの想定内
今のダイナマイザーはボクシングで言うところのいわゆるロープを背負った状態です
ただでさえ体格のデカいダイナマイザーがロープを背負えば動きが極端に制約されます
自ら自分の得意のフットワークを封じてしまうことになるのです
もちろん、真正面からの打ち合いに自信をもっているからこそ、そのポジションを取ったのでしょうが...

しかし、こちらとすればダイナマイザーのスピードを封じた事には変わりありません
そして、昨晩のうちにこういう場面を想定した、真正面から倒す必殺パンチを用意しておいたのです
Kenにセカンドフェイズ移行の指示を出します
真正面から打ち合う両者、じりじりと間合いを詰めるキングカイザー
そして、ダイナマイザーの右ストレートより一瞬早くキングカイザーの右アッパーがダイナマイザーを捕らえました
この瞬間の為に用意した、対ダイナマイザー専用の必殺アッパーカットが決まりました
右手を差し出しながら、スローモーションの用に仰向けに倒れてゆくダイナマイザー

会場が沸きます

ついに重量級のロボットをパンチで仰向けに倒したのです
この時はあんまり嬉しくてガッツポーズを二度もしてしまいました。すいません

リング際のきわどい位置で起き上がるダイナマイザー、しかし、その直後前方に転倒してしまいます。更に起き上がるも、再度前方に転倒
一瞬誰もが転倒のショックでメカに何らかのトラブルが発生したのでは!?と思いました
会場がどよめきます
しかし、3度の転倒から起き上がった後は普通に動き出しました
レフリーから確認が入ります。大丈夫と念を押す、スギウラ父
その父とタクミ君の表情を見て、、、わかりました

今のは操作ミス、多分起き上がりコマンドを二回続けて送ってしまったのでしょう

という事は..

.二度のダウンを取られてかなり動揺しているな、タクミ君
チャンスは今です、タイマーを見ると残り時間はあと1分もあります
素早く作戦変更を指示します

ドラクエ風に言えば「いのちをだいじに」から「ガンガンいこうぜ!」に変更です

Kenに「スリップしても、やられても良いからガンガン攻めまくれ」と指示を出します
今回は3ラウンド制、ここを逃げ切られて次のラウンドに持ち込まれたら、せっかく奪ったダウンカウントもリセットされ、気持ちも落ち着き、体制を立て直してくるでしょう

ここが勝負どころなのです、ここで決めなければ勝てない!

操縦者の動揺のせいか、ダイナマイザーの動きが極端に悪くなっています
私の焦る気持ちとは対照的にKenは冷静な操縦で試合再開後わずか10秒で3度目のダウンを奪い、あっさりと優勝を手にしてしまいました
なんてヤツだ

こうして青い稲妻への挑戦に勝ったキングカイザーは同時に念願のGP チャンピオンになることが出来ました
先日のRGCのもん☆戦といい、毎回決勝戦は凄い強敵ばかりで勝利の嬉しさもひとしおです

それにしても毎度の事ですが、今回のKenの操縦は特に凄かった
決勝戦にピークをもってくるのはいつもの事なのですが、今回は特に切れまくっていました
私の立てた作戦を確実に、いやそれ以上に遂行してくれる力は本当に凄いです
RGCの時にもいいましたが、凄いのはキングカイザーではなく、Kenなのです

大会終了後の懇親会の席で皆さんから口々に「強すぎる、なんでそんなに強いんだ!?」と
質問攻めに会っている時、サンライズの井上さんが皆を制して静かに言いました


「彼はね、シャアなんだよ」



ニュータイプが駆る連邦軍の新兵器ガンダムに対して、圧倒的に性能の劣るザクで互角に戦う事の出来る男だと...

2007/12/3 ROBO-ONE グランドチャンピオンシップへの道

高松大会の表彰式の時にビックボスから新たなるチャンピオン大会
RGCが開催される事を聞き、MARU Familyの次なる目標はRGC初代チャンピオンになりました
今回はそのROBO-ONE グランドチャンピオンシップ(以下RGC)への道のりをレポートしてみたいと思います



次なる目標をRGCに定めたものの、高松大会が終わった日から11月中旬まではリアルモード(リアルサッカー)に専念しなければなりません
RGCの準備をするのはそれ以降のわずか二週間しかありませんでした
また、RGCは12月1日 それまでに一回は実戦で調整をする必要がありました
なぜなら高松大会の敗因の一つにエースパイロットKenの練習不足があったからです
本来なら11月23日に行われるロボファイトが試合数も多く(負けても2×2バトルも有り)調整にはうってつけなのですが、11月23日はサッカーの試合がある為参加できません
そこで11月で唯一サッカーの試合の無いロボットバトル at モーターショーに参加することにしました

そして、RGC二週間前、ロボットバトル at モーターショーの一週間前になりました

さあRGCへ向けてスタートです

まずは高松大会までの反省を生かして戦略の練り直しです
今回はロボットのハード自体を改造する時間は無いので、あくまでハードは高松大会のままで行かなければなりません

ここで振り返って見ると、我がチームの戦い方はデビュー戦から第10回大会で優勝するまでカイザーアタックと名付けた「捨て身技」が主体でした
当時ROBO-ONE界全体も第9回大会で優勝したマジンガアを始め、ダイナマイザー、アリウス、トコトコ丸と捨て身技全盛の時代でした

しかし、キングカイザーが優勝した第10回大会以降、捨て身技は規制される方向に進み、第11大会はでは立ち技主体機,12回大会では大型機が台頭してくることとなります
この間、キングカイザーも自動攻撃、自動防御、ハンドグリップの装着、投げ技と進化を続け、優勝こそ逃すもののROBO-ONE連続入賞を果たしてきました

しかし、今回は改めて立ち技の基本に立ち返って考えてみようと思いました
今までのファイトスタイルは人間の格闘技で言えば、いわば「プロレス」スタイル
そして、立ち技の基本といえば「ボクシング」スタイル
今回は徹底して「ボクシング」スタイルで行こうと決めました

その中でも野球をやる為に長くなったリーチを生かしたアウトボクシング
「はじめの一歩」で言えば、間柴 了タイプ
そこでまずボクシングの構えから間柴 了のフリッカージャブもどきを作りました
このジャブでクロムキッドやガルー(宮田君)などのハイスピード選手の足を止め、不知火やレグホーンなどのファイター選手(幕の内一歩)の突進を止める作戦です

攻撃スタイルとモーションが出来たら、次は相手選手の研究と戦略です
以前にもどこかに書いたように、なんの準備もせずにポンっと出て行って勝てるほどROBO-ONEは甘くないのです
まあ、もん☆やレグホーンの様な圧倒的な力があれば別ですが、機体性能としては平凡なキングカイザーが勝つためにはそれなりの戦略が必要です

まず、唯一の実戦練習のロボットバトル at モーターショーを大切にしなければいけません
対戦相手は主催者のブログに書いてありました
1回戦はガルーです
これはラッキーでした。たとえ1回戦で負けても現在ROBO-ONE界屈指のスピードスターと対戦出来るのですから
対戦表から、二回戦はRSV3、準決勝はレグホーンと読みました(他の皆さんごめんなさい)
これまたラッキーです、ガルーに勝てばハイスピード&しゃがみガードのRSV3、そして現在ROBO-ONE界最強の破壊力をもつレグホーンと対戦出来ます

操縦練習はまずハイスピードマシンのガルー、RSV3に向けて行われました
第11回大会に出場したキングカイザーSmarkUを仮想ガルー&RSV3に見立ててセッティングし、スパーリングパートナーとしました
もともとmarkUの機動力はクロムキッドやガルーと互角(のハズ)
後はパイロットがフットワークの操縦に専念出来るように、攻撃と防御はセンサによるフルオートとしました
ファイトスタイルはくぱくま夫妻得意のヒット&アウェイ
カイザーの周りを動き回る仮想ガルーの足をジャブで止める練習です

そして、操縦練習第二段階はカイザーオールスターズのゴールキーパーを仮想レグホーンに見立て、デカイ手をつけて徹底したサイドブロー攻撃一本に絞ったマシンにセッティング、相手のサイドブローに対してジャブをカウンターで合わせる練習
そして、もしも正面に回りこまれた時の為のガード練習

Kenはこれらのトレーニングメニューを一週間毎日こなしました

そして、試合当日の朝Kenには「今日は優勝する事が目標じゃない、全ては来週のRGCの為の練習だ、優勝しなくて良いから一戦でも多く試合をしよう。そしてなんとかレグホーンまでたどり着いて、この一週間やってきた練習の成果を確認するんだ」と言い聞かせました

試合が始まると運良く勝ち進み、しかもこちらの読みどおりガルー、RSV3、レグホーンと対戦する事が出来ました
Kenは指示通り的確に練習メニューをこなしていきます
そして今回の思いがけない収穫は決勝戦でした
BBRの540度旋回パンチはもん☆の破壊力には及ばないもののそれを上回る回転スピードと回転角度。Kenには貴重な経験となりました

名古屋大会が終わった私はすぐに反省点をモーションにフィードバックしました
実戦練習で気が付いたのですが、攻撃モーションに気をとられて、移動系がおろそかになっていたのです
前進モーション、横方向の移動全てをアウトボクサー用に全て見直しました
ここにきて高松大会の時のプログラムは100%書き換えられる事になりました

そして、いよいよRGCの本格的な準備に入ります

既に発表されている対戦表から、初戦の相手はヨゴローザ、その次はクロムキッド、準決勝はイーブ、そして決勝の相手はもん☆と読みました(他の皆さんごめんなさい)

まずヨゴローザはデビューした時からのお馴染みさんなので、作戦は練れそうです
そしてクロムキッドはスタイルがガルーと似ているので同じ練習で行けそうです
イーブは変則スタイルだし、そもそも遊さんがどんなロボットを作っているかも全く情報が無くなんともいえないので、今までのスタイルを想定しての練習をするしかありません
そして、一番の問題はもん☆です
高松で一度戦っているとはいえ、最近の評判では別機体のように進化し、まさに無敵の不沈空母と化しているようです
困っているところに、ネットでほりさんがアップして下さったロボファイトでのもん☆vsクロムキッドの動画を見つけました

動画を見て驚きました
クロムキッドのスピードと操縦技術を持ってしても完敗のようです
クロムキッド以下のウチが同じ戦法で戦っても勝てないことは明白です
どうするべきか、、、考えをめぐらす私の脳裏に1年前に同じ様な大型ロボットと戦った時の記憶が蘇えりました

そうです、四国の鬼丸です

あの時も普通に戦ったのでは勝てない、懐に飛び込んで勝負を掛ける
「虎穴にいらずんば虎子を得ず」作戦で戦ったのです

同じようにもん☆の懐に飛び込んで、あのダブルラリアットを避けるしかない
しかし、そんな事が本当に出来るのか!?
出来る、あの時もそうだったではないか
ここはエースパイロットのKenに掛けるしかありません

しかし、いかにニュータイプ(笑)と言えどもイキナリ実戦で出来るわけがありません
ここは仮想もん☆を作って練習しなければ、、、
しかし、相手は身長55cm 体重5kgの巨漢、今までのように歴代のキングカイザーを改造したくらいでは間に合いません
そこでダブルラリアット攻略に絞って新規に仮想もん☆を作る事にしました

まずは寸法の割り出しです
動画をみながらなにか比較対象がないか探してみると、、、
ありました、試合の時を刻む大型タイマーが
よく見てみると、moltenとロゴがあります
さっそくウェブで検索です、すぐに同じものがみつかりました
スペック表からタイマーの寸法を控えます

後はタイマーの寸法を基にモニター上でもん☆の寸法を測定します
もん☆のサイズは以下のように想定されました

しゃがんだ状態でのリング面からラリアット状態の腕までの距離は約250mm
両手を広げた状態でのリーチは約900〜1000mm、懐の有効範囲は約335mm
つまり、本体から335mm以内の距離に飛び込み、その場で高さ250mm以下の姿勢を取れば回避出来ると言う事がわかりました

さあスペックがわかったところで工作です
一晩で作らなければならないので、材料は全て自宅にあるものです
そのへんあった板材とアルミ板、モーター、コントロールボードで組み立てます
5kgのウエイトは明日会社から銅合金の廃材を頂いて来る事にします
仕上げにダンボールを星型に切り抜いて顔をつくります
本来はここまでする必要はないのですが、気分が盛り上がりますからね

仮想もん☆は完成しました(しょぼーい(^^;)

後は特訓あるのみです
こうして最終段階の練習がはじまりました
さすがのKenも最初はラリアットをかわせず、まともに受けています
しかし、さすがはニュータイプ。あっという間にタイミングをつかんでいきます
私は段々と腕の回転速度を上げていきます
それでも次々とかわしていくKen

動画を見て頂けるとわかるのですが、この段階では懐にもぐりこんだ後は
下からもんの腕を掴み、投げ飛ばす作戦でした
しかし、この投げる作戦は全く通用しない事が実戦でわかるのですが、、、

とにかく、こうして一週間毎晩仮想もん☆、仮想クロムキッド達を相手に練習を続け
いよいよ決戦の日を迎えました

当日始発の新幹線で会場入りした私はひとつ問題点を見つけました
それは控え室とリングが思いのほか遠いという事です
なぜそれが問題かと言うと、対もん☆用に用意したマトリックス防御やなげ技はもん☆専用なので、もしも勝ち進んだ場合、準決勝が終わった後、控え室に戻って決勝戦の前にプログラムをPCを使ってローディングしなければならないのです(ここが容量の小さいCPUボードの辛い所)
そんな時間はあるでしょうか?
進行を確認すると、やはり準決勝から決勝までは通しで行われるとの事です
そこで、渡辺さんに頼んでバックヤードのPA横にノートPCをスタンバイさせてもらいした。
そんな事を1回戦が始まる前からやっていたものですから、渡辺さんから

「今日は優勝する気なんですか?」と冷やかされました

その時は笑って「ハイ、もちろん」と答えました
しかし、そういう事ではないのです
いつも言っているように、もしも最後まで来たときの事を考えて全ての準備は整えておく、やるべき事をやっているだけです
私としてはデビュー戦のロボファイト1にバッテリーを5個もっていたのと同じ事をしているだけなのです
いざ勝ち進んでから慌てて準備していたのでは私はダメなのです

そしてRGCが始まりました

初戦は予想通りヨゴローザ、思ったよりも低い姿勢にジャブが当たらず苦戦しましたが、なんとか辛勝

次もこれまた予想通りにクロムキッド
んっ!? クロムキッドの1回戦を見ているとガルーよりもリーチが長いように見えます
くぱぱさんに確認すると確かにガルーよりも長いと言う事でした
試合前にKenから「先週のガルーの時と同じように戦うのか」と指示を求められたので
すかさずガルーの時よりも間合いを取る様に指示を出します
ガルー戦よりも間合いを取ったKenは練習通りジャブでクロムキッドの足を止める事に成功し、相手にペースを握らせないままに勝利

準決勝はまたまた予想通りにイーブ
しかし、ここで予想外の事が、、、
イーブがこちらが想像していたよりもはるかに小さいのです
あれではしゃがまれたら全くパンチが当たりません
あとで遊さんに聞いたら、なんとイーブはしゃがんだ状態がホームポジションだそうです
イーブの試合を見ていると、歩くときだけ立ち上がっているようです
そして、その時だけはジャブの当たる高さになります
そこでKenにイーブが移動している時を狙うように指示を出します
しかし、こちらの間合いに入ったらたぶん立ってはくれないでしょう

そこで作戦を考えました
最大のチャンスは試合開始の瞬間です
試合開始の時はいかにイーブとはいえ、前進してこちらに向かってくるはず
そこでこちらは開始と同時にダッシュ、一気に間合いに入り、まだイーブが前進している間にジャブを打ち込む作戦を立てました
名付けて「出会い頭の一発作戦」 (ネーミングセンスゼロ(^^;)
そして、試合開始
こちらの思惑通りイーブは真っ直ぐに前進、カイザーはダッシュ
Kenは見事な動きで作戦を遂行しました
開始2秒でワンダウンをもぎ取り、そして勝利

ついに決勝戦、本当にここまで来ました
急いでバックヤードでPCの準備をしていると、渡辺さんから

「本当にここまで来ましたねー」と声がかかります

その顔にもう冷やかしの表情はありません

準決勝第二試合のガルーvsもん☆の試合をPCのキーボードに手を掛けながらバックヤードで見守ります
PCの画面上には対もん☆用プログラムと対ガルー用のプログラムの選択画面が表示されています

Kenが声をあげました「もん☆に決まったよ」

間髪入れずに対もん用プログラムをローディングします
ここでちょっとした問題が、プログラムを入れ替えたわけですから3位決定戦の間に動作チェックをしなければなりません
しかし、バックヤードの隣には当の対戦相手のなぐさんが立ってます

ここでは動作チェックが出来ない、、、

なぜならばウチの戦法は事前に相手に知られたらアウトなのです
Kenに声を掛けて裏口のカーテンの影に隠れ、動作チェックを入念に繰り返します
そこを偶然通りかかったダウトさんが、それを見て全てを悟ったかのような笑みを浮かべています

3位決定戦が終わり、ついに最終決戦が始まりました

試合開始とともにまっしぐらにもん☆の間合いに飛び込むカイザー
予定通り豪腕がうなりを上げて飛んできます
そして、それを練習通りのタイミングでかわすKen
実況席と会場から同時にものすごいどよめきがあがります
実戦で見るダブルラリアットの迫力は想像以上でした

まさに一撃必殺 !!

ダブルラリアットをかわした直後もん☆はバランスをくずしてスリップダウン
ここまでは予定通り
しかしその直後予定外の出来事が、、、
再開直後二度目のラリアットをかわした瞬間、作戦通りもん☆の腕をつかんで投げにかかります
しかし、もん☆の予想外のパワーでカイザーが腕ごと全身を巻き込まれて横倒しに

「ダウン!!」

なんという事でしょう
明らかに私の失敗です。仮想もん☆のウエイトを同じ5kgに作ったとは言っても
それは下半身の事、腕は軽い板一枚でした
しかし、現実には重い重量をもったロボットの腕がうなりをあげてくるのです
ラリアットのパワーを完全に読み違えてました
私の計算ではたとえ、もんの腕をつかみそこなっても、カイザーの腕にラリアットの腕がひっかかったもん☆は自爆するはずでした
しかし、結果はまったくの逆
私の計算違いから1-0と相手にポイントを奪われてしまいました

心の中でKenに謝りながら
「もう投げはダメだ、二度とやるな!! もんが立ち上がるスキをついてパンチで攻撃しろ」と早くもセカンドプランの指示を出します
今風に言うと「フェーズ・ツーに移行」といったところでしょうか

私の立てた作戦プランでは最初にマトリックス防御と投げ技でラリアットを封じ(フェーズ・ワン)、立ち技勝負に持ち込む(フェーズ・ツー)つもりでした
同じ立ち技同士ならスピードで勝るカイザーに勝機が訪れると読んだのです

しかし、完全に作戦は狂いました

それでも私の指示通り、果敢に懐に飛び込み続けるKen、そこへ豪腕がうなる
間一髪のタイミングで避け続けるKen
起き上がってパンチで攻撃しますが、もん☆のひざにある大きなバンパーに阻まれて有効な打撃を当てられません、パンチが届かないのです。身体を揺らすことは出来てもダウンを奪うまでにはいたりません

圧倒的に不利な状況で試合が進んでいきます

観客はもん☆の攻撃を間一髪で避け続けるカイザーに歓声をあげています
きっと、カイザー有利、なぜ避けられるのがわかっているのに、なぐさんはラリアットを打ち続けるのか!? と思っていたことでしょう

しかし、現実は全くの逆です

むこうは一撃必殺の豪腕ラリアット、ホンの一瞬かわすタイミングが遅れて、わずかにかすりでもすれば、もともと後ろに全体重をかけてスウェイバックしているカイザーは後方に吹っ飛ばされるでしょう

しかも、こちらの攻撃はあとわずかの間合いで決定力のあるパンチが届かないのです
一発でもパンチが当たれば決定打になるもん☆と、一瞬のミスが命取りになるカイザー、客席の見た目とは逆に圧倒的に有利なのはもん☆なのです

しかし、ウチにはこの危険な作戦しかないのです
実況席の土田さんが叫びます

「相手の攻撃を避けるだけでこれほど盛り上がる試合が、かってあったでしょうか!!」


その通りです、避けそこなった瞬間にアウトなのです
もん☆の豪腕がカイザーの頭上をかすめる度に
実況席や観客の喜びとは対照的に私の心は恐怖でいっぱいになります

まさにニュータイプとしか言いようの無いKenの操縦が続きます
そして、ついにカイザーの右ストレートがもん☆に届きました
もん☆が地響きを上げてダウンします
大歓声が巻き起こります
これで1-1

しかし、時間はもうありません
ダウンを奪われたもん☆はついに戦法を変えてきました
Kenがラリアットが来ると呼んでスウェイバックした瞬間、もん☆は右手でカイザーの足を掴みにきました
見事に足を掴まれたカイザー、懸命に踏ん張ります、さらにラリアットの手が交錯します
タイムアップのコールと共にもんどりうって倒れる両者
判定はカイザーダウン、もん☆スリップ
ここで最初に奪ったスリップが我がチームを救ってくれました
カイザー2ダウン、もん☆1ダウン、2スリップでイーブン
小林レフリーの「延長戦!!」というコールに会場が沸きかえります

バッテリーを交換しながらKenと作戦を練ります
明らかにKenは動揺しています、ここは監督として(ウソでもいいから)的確な指示を出して冷静さをとりもどさせねばなりません
私は心を落ち着けて考えました

たぶん、もうもん☆はダブルラリアットは打ってこないでしょう
きっと最後に見せた、あの掴み技で来るはずです
そして、今までみた他の試合の中でも、もん☆は右手でしか掴み技を仕掛けていません
なぐさんも右利きです
という事は、たとえ両手のモーションが用意してあったとしても
この決勝戦という緊張した場面では、操縦者は使い慣れた右手で攻撃してくるはず
それが人間の心理というものです
そこに勝負をかけました

kenに指示した作戦はこうです
まず今までと同じように真正面から飛び込みます、そして間合いに入ったらまったく同じようにスウェイバックして防御、ただしさっきよりはわずかにもんの左寄りに位置をとります。
しかし操縦者のなぐさんにはもん☆の巨体が災いして影となり、それが見えず、気が付かないはず
そしてそのまま、もん☆は右手で掴みにくるでしょう
しかし、さっきとはわずかに間合いが異なっているため届かないはずです
そこで一足早く立ち上がってパンチを打ち込む
まさにサドンデスに掛けた作戦でした

延長戦がスタート

チャンスは一回限りです

作戦通り懐に飛び込むKen

作戦通りにもん☆の右手がせまる

南無さん! 神に祈る瞬間 !!

空を切るもん☆の右手

立ち上がるカイザー

それを追うようにしてもん☆が立ち上がる

一瞬早く繰り出される左ストレート

しかしパンチが浅い...もん☆は揺れるだけ

失敗かと思ったその瞬間、よろめくように前方に崩れ落ちるもん☆


「ダウゥゥーン!!」

レフリーのコールが聞こえます

決着がつきました

どうやらもん☆の立ち上がり動作の最中にパンチが当たりバランスを崩していたところに、そのまま立ち上がったので転倒してしまったようです(なぐさん談)
今までは完全に直立するのを待ってから攻撃していたのですが、幸か不幸か早めに出したパンチが幸運を呼び込んだようです

しかし、後でKenが言うには
「パンチを引くときにもん☆の身体の一部をグリップが掴んで引っ張っていた」そうです
あの瞬間にそこまで見えたのか!! ニュータイプ恐るべし

勝負は終わりました

しかし、ここまで読んで頂いた皆さんにはおわかりかと思いますが
勝敗を分けたのはわずかな差でした
あそこで足を掴まれていたら...
ウチが勝つことが出来たのは本当に運が良かったとしかいいようがありません
もう一度対戦したら結果は逆になるかもしれません
それほどまでに紙一重の差でした



こうしてMARU FamilyのRGCへの挑戦は幕を閉じました
テーマソングの歌詞通り、まさに全てをかけた二週間でした

もしも、もん☆が勝ち上がってこなかったら、、、

もしも、初戦でヨゴローザに負けていら、、、

ここまで準備した事は全てムダになった事でしょう
でも、それはそれでもいいのです

私が何よりもイヤなのは、苦労して準備した事が全て無駄になることではなく
出来ることを遣り残して後悔する事なのですから
目標に向けてベストを尽くすというのはこういう事だと、いつも子供達には教えて来ました
そして、今回その期待にKenは見事に答えてくれました
新聞にも書かれましたが、今回の勝利はすべてKenの操縦のおかげです

子供達もこの経験を大好きなサッカーや学校の勉強に生かしてくれるだろうと思います(親バカですね)

最後になりましたが、今回の最大の勝因はほりさんが動画をアップしてくれたことです。ほりさんに賞金の半分を差し上げたいくらいです。
あっ、今回は賞金はゼロなんだった(^^;
ほりさんゴメンなさい、今度お会いした時に必ずおごりますからね

それと今更ながらに一年前に良い経験をさせてくれた四国の鬼丸・夢さんにお礼を言いたいです
そして、名古屋で死闘を演じてくれたレグホーン・NAKAYANさん
あの戦いでKenは一皮向けました、NAKAYANさん、本当にありがとう

次はRGCのタイトルマッチで会いましょう


2007/8/16 それぞれのROBO-ONE

次のROBO-ONEまであと一ヶ月あまりになりました
最近、決勝出場権認定制度とあいまって、予選のあり方や
ROBO-ONEそのものについての色々な方の色々な見解を耳にします
特に、ここ1〜2年の間にこの世界に入ってこられた方々の認識についてはいささかの誤解もあるようです


というような内容の文章を書こうと思ったのですが、よく考えて見ると私自信もこの世界では新米ですし、諸先輩方が沈黙を守っているのに、えらそうに語れる人間ではありません
また、私が過去に耳にしたビックボスの言葉も今ではボスの中で方針が変更されている可能性も大いにあります

と言う事で、ここでは「それぞれのROBO-ONE」と題して「私にとってのROBO-ONE」について書くことにします
これはあくまで個人の日記のようなものですから、他人に同意を求めるものではありません
まして、意見するようなものでない事を最初にお断りしておきます

まず、私にとってのROBO-ONEは「格闘技大会ではない」と言う事です
これは当初ビックボスが

「ロボット技術の発展のために何らかの競技会をすることが必要である、しかし、今までのような競技会では観客やマスコミが盛り上がらない
もっと観客と一体になって盛り上げるために格闘技という形式をとった」

というように話しています
また、予選に関しては次のように述べています

「格闘技オンリーにしてしまうと重心を下げて足を短くしたロボットばかりになってしまってつまらない
それを防ぐために予選は演技型にして、格闘とは正反対の方向の規定演技を授ける
それによってバランスを取る」

少し考えればわかることですが、格闘専用ロボ、うさぎ跳び専用ロボを作るよりも両方が出来るロボットを作る事の方が技術的に難しいでしょう
そして、それを達成する事でより多くの進歩が望めるのです
私たちビルダーの腕の見せ所がここにあるのです

ROBO-ONEは格闘大会なのに、なぜ格闘とは関係無い事を予選でやらせるのか!?
という意見を多く耳にしますが、つまりはそういう事であると思います
神様も言っているように「ROBO-ONE の "1" は "K-1"の"1"ではなく、"F-1"の"1"」なのです

本当に格闘大会、格闘王を決めるのであれば、大阪のロボファイトのように格闘オンリーの大会になるでしょうし、格闘だけがやりたいのであれば、そういう競技だけに参加すれば良いのです
ROBO-ONEとは単にロボットの格闘王を決める大会でもなければ、総合格闘技大会でもないのです
ロボットに求められる全ての要素、運動性能だけでなく、デザイン、企画、技術、エンタメ性から製作者のプレゼン能力、操縦技術等、その全ての最高峰なのです

私の中のROBO-ONEでは予選と本戦の占める比重は5-5です
これは私が始めてROBO-ONEというものの存在を知ったのが、スギウラさんの出演したNHKの番組だったことの影響が強く出ているかもしれません
番組の中でスギウラさんの語った言葉が忘れられません
「予選の1位というのは本当に嬉しい、決勝のバトルの勝敗は時の運だけど、予選というのは自分の技術力だけの勝負、そこで認められたという事はエンジニアとして最高の栄誉」
であると
バトルの勝敗には必ず時の運が付きまといます、極端な例をあげれば、自分のロボットよりもはるかに強い相手との戦いになっても、相手がマシントラブルに見舞われて勝ったりすることがあります、しかし予選の演技にそういったものはありえません

自分が準備した以上の事は絶対に出来ないのです

一頃よく言われた「予選の1位が真の1位」という言葉もこのへんの事情を反映していると思います

私は第10回大会で運良く優勝しましたが、予選は5位でした
したがって、総合では92点というところです
予選1位、決勝1位であって初めてROBO-ONEのチャンピオンと言えると思っています
過去にこのポールトゥーウィンを成し遂げた人は一人しかいません
私のもっとも尊敬するビルダーです

いつの日かポールトゥーウインを成し遂げるその日まで
私はチャレンジャーでありたいと思っています
頑張りましょう、夢をつかむその日まで

2007/3/25 第11回ROBO-ONE大会 決勝大会

今回の敗因は全てメカニックの私の責任、ひいてはチーム総監督としての私のマネジメントの失敗にあります

第10回大会を終えた私達は次なる課題として当初からの目標でもあった、ロボットの自律化と、更なる機動力の向上に向けて機体の開発を進めました

そしてまずは戦闘時の人間の指示とロボットの判断を融合したハイブリッドシステムを開発し、 これを「バトルアシストモード」と名付けました
これは2007.1.14に行われたロボゴング会場で初披露&デモを行い、GP最終戦で実戦投入しました

そして、次の段階として全ての攻撃をロボットが行うシステムを開発し、これを「フルオートバトルモード」と名付けました。しかし、これはまだ実戦未投入でした

そして、今回の失敗は、この実戦経験の無い「フルオートモード」をいきなり実戦投入してしまった事にあります

ここで、対クロムキッド戦を思い出してみて下さい。
クロムキッドに相対したキングカイザーは旋回しながら間合いを計り、パンチを打ち込みます
しかし、パンチはヒットするものの相手の急所を微妙に外れ、クロムキッドの身体をクルクルと回転させるだけでダウンが奪えません
試合中の私はこの原因をクロムキッドの滑り足にあると見ていました
しかし真実は違ったのです

試合後のパイロットに敗因を尋ねると、とんでもない答えが返ってきました
パイロットは正確な間合いと方向を定めようと旋回動作をしているにも関わらず、ロボットが勝手に攻撃をしてしまっていたのです
これが観客視点でキングカイザーが焦っている様に見えた原因です
パイロットは全く冷静でした、しかしいくらやってもその繰り返し、全くロボットがパイロットの自由にならず、試合にすらなりませんでした

もちろん、実戦経験の無い「フルオートモード」をいきなり投入する判断をしたのはチームの監督である私です

そもそも「バトルアシスト」も「フルオート」も完全自律ロボットへの試作実験として、またオールドタイプの私が搭乗する時の為に開発したシステムで、ニュータイプのパイロット達には不必要なものです
それを敢えて実戦投入したのは多分に私のエンジニアとしての功名心に他なりません
チームとして競技に望む場合、一番戒めなくてはならない「エンジニアの功名心」
技術者魂が悪い方向に出た典型的なパターンに嵌ってしまいました

「敗因は常に己の中にある」

本当にパイロット達には申し訳ないことをしてしまいました
パイロットの名誉の為にも今一度ハッキリと申し上げておきたいと思います
彼らは全く自分の実力を出せずに苦しんでいた、 と

最後にもうひとつ大事な事を言わせて下さい
これは何も、私がセッティングミスをしなければクロムキッドに勝てたと言っているわけではありません
勝負とは、そういうことを全て含んでの勝負なのです
クロムキッドは強かった、強いから勝ったのです




後楽園ホールでの二日間、ずっと私を応援してくれていた一人のお子さんがいました
年齢は4〜5才くらいでしょうか、もちろん初対面ですが第10回大会の時から応援してくれていたそうです
リングに立っていても、その子の声援がずっと聞こえてきていました

その子が、試合に負けて座り込んでいる私のところにやってきました
私が「負けちゃって、ゴメンネ」と言うと、その子は

「ううん、大丈夫! 僕は全然平気だよ!

 ・・・ だって、次は勝つでしょ!?」


涙が出そうなくらい嬉しかった、   そして、悔しかった...



今回の大会では、大切な物をたくさんもらいました
これから、もっと、もっと頑張りますよ   

あの子のためにも

〜 Get a Dream

2006/8/20 闘神キングカイザー vs 戦鬼・鬼丸

1.四国に鬼がいた!!

奇しくもこの日ロボット劇団マジマシーンの公演「アマテラスと鬼ヶ島」が上演されたが
まさにここは鬼ヶ島、本物の鬼がいたのだ
その鬼の名は「鬼丸U」!!

ゆうに5kgを超える巨体でありながら、そのパンチの速さは常人の目ではとらえきれず
その迫力ある外観とも相まって、戦う姿は修羅のごとく
まさに"戦う鬼" 戦鬼・鬼丸がその長い眠りから目覚めたのだ

2.鬼丸U vs キングカイザーJr

始めに鬼丸と対したのはキングカイザーJrの方だった
鬼丸5.5kgに対し、Jrは2kg 約3倍の体重差
しかし、それでも正直に言ってなんとか戦えると思っていた
Jrの機動力はウチのチームでもNo.1 懐に潜り込んでしまえばこっちのもの
これが、全くの私の見込み違いであった事は試合が始まってすぐに明らかになった

Jrの攻撃が全く通用しないのだ
J-classで数々の強敵を葬ったカイザーブレードが、簡単にはじき返されてしまう
これが体重差3倍の戦いなのか
こうなったら、捨て身技しかない
しかし、初めての巨大ロボットを相手にしてパイロットのRyomaは明らかに動揺している
捨て身技のカイザーアタックを出すも、間合いが遠すぎる
今までの相手ならその間合いでもダウンが取れたが、今回の相手は鬼丸なのだ
もっと、もっと接近しなければ通用しない
果敢に攻めるJr、しかし鬼丸の攻撃の有効射程の方が長い
必殺の間合いに入ろうとするところを狙われてカウンターパンチを食らう
あっと言う間に2ダウン
しかし、ついに間合いに入ることに成功、必殺のカイザーアタック!
ついに鬼丸からダウンを奪うことが出来た
しかし、今回のルールでは捨て身技は1回しか使えない、技の種類が違ってもダメなのだ
他の攻撃技では鬼丸からダウンを奪う事は出来ない
なすすべも無く負けてしまった 完敗だった

3.作戦会議

しかし、落ち込んでいる場合では無い
次は間違いなく決勝でキングカイザーと当たるだろう
さっそくパイロットのKenと作戦を練る
戦ってみて初めてわかったが、鬼丸にはスキがない
全方向に攻撃が出来るようだ
しかも、全てのパンチがものすごいスピードで一撃必殺
これを避ける事は不可能だろう

しかし、さっきのJrとの戦いで気がついた事がある
一度だけJrが鬼丸からダウンを奪った時のことだ
あの時、鬼丸は間合いに入ろうと近寄ったJrに対し、パンチを出したあと
一瞬動きが止まっていた
そういえば、鬼丸のコントロールボードは某N博士製だと言っていた
と言う事はHS○Bか!? だとするとサーボの数、モーションの多彩さから言って
間違いなくスクリプトをリロードしてるに違いない
そこに一瞬のスキが出来る
勝機が見つかった!!

ウチのチームが立てた作戦はこうだ
キングカイザーとて鬼丸との体重差は二倍、捨て身技以外は通用しないだろう
そして、唯一勝っているのはスピードだ
まずジャブ代わりのサイドブローを出しながら、鬼丸の周りを動き回って翻弄する
すると多分鬼丸は自分から攻め込むのを止め、対Jr戦の時のように足を止めてカウンター狙いに来るだろう
そこで、わざと真正面から鬼丸の懐に飛び込む、待ってましたとばかりに
鬼丸のカウンターパンチが来る
それをすかさず防御姿勢で受け流す、そして次のコマンドがリロードされる
一瞬のスキをついて
必殺のカイザーアタック炸裂!!

しかし、こんな危険な作戦が実行出来るのか!?
こちらのガードが一瞬でも遅れれば恰好の餌食、まさに飛んで火に入る夏の虫
いや、虎穴にいらずんば虎児を得ず、ウチが勝つにはこれしかないのだ
「お前なら出来る」(私には出来ない)エースパイロットに言い聞かせ、いざ勝負!!

4.鬼丸U vs キングカイザー

決勝戦が始まった
開始早々自分から後ろに倒れる鬼丸、すかさず後ろに回り込むキングカイザー
背後からカイザーアタックをかけるが角度が悪く決まらない
鬼丸の周りを前に後ろに動き回るカイザー、二度目のスリップダウンの後
いよいよ作戦決行、一気に間合いをつめるキングカイザー
鬼丸とゼロ距離となったところで作戦通り防御姿勢を取る
ここで鬼丸のカウンターパンチが飛んでくる予定だったのだが
なんと、鬼丸はこちらの作戦を読んでいたのか後ろにジャンプして間合いを取る
しかし、こちらにとっては同じ事、絶好のチャンス到来
すかさず必殺のカイザーアタック炸裂!!
作戦通りのコンビネーションで鬼丸からダウンを奪取する事に成功した
そして、辛くも1-0で勝利

5.決着

しかし、これは今回のルールに中での暫定的な勝利だ
ROBO-ONEルールでは、防御姿勢で鬼丸の攻撃に耐えている時点でダウンをとられるのだ
動画を見ればわかるが、背後からのパンチによって明らかにキングカイザーは膝を着かされている
今回のルールではこれはダウンにならない、決してレフリーのミスジャッジではないのだ!!

しかし、私の中では、1-1の引き分けである

この決着は、いつかまた必ず...

6.戦いすんで

こうして鬼丸Uとの死闘は幕を閉じた
普段戦う事のない大型ロボットとの対戦は二人のパイロット達にも貴重な体験と
なったはずだ
しかし、ROBO-ONE本戦に行けば、鬼丸クラスの強敵がゴロゴロいるのだ
もっと巨大なロボットや、もっと速いロボットが...
メカニックもパイロットも、もっともっと努力しなければ
ウチのチームの挑戦はまだ始まったばかりなのだ


今回は最近流行の児童文庫「すすめ!ロボットボーイ」風のレポートにしてみました(^^;



2006/8/12、13 e-とぴあサマーフェスティバル2006 〜ロボット・カーニバル〜
キングカイザー vs 繭 ロボアスリート3000での決戦

8/12、13に高松で行われた「e-とぴあサマーフェスティバル2006 〜ロボット・カーニバル〜」に参加してきました

今回は一日目のロボアスリート3000の様子を参加者としてレポートしたいと思います

まず、今回の目的は自己記録(8秒23)を更新する事もさることながら、MAGIシリーズに勝つという事でした
ところが、大会の開催要項をしっかり読んでいなかった私はJ-class、Special終了後から前日まで
なんと、5000の旋回走行プログラム作りに集中して、操縦練習も5000ばかり...
今回は3000だけだという事を知ったのは、当日会場入りしてからでした
ああ、なんという事でしょう!! 私の1週間はなんだったのでしょう...

しかも、当日MAGIシリーズの新鋭・繭の走行スピードを見てぶっ飛びました

あわてて会場で直線走行のプログラムのスピードアップに取り掛かりました
しかし、3000で10秒を切る世界では、そんな付け焼刃が通用するほど甘くありません
キングカイザーはアスリート競技の場合はプロポ操縦なので、とりあえずプロポのスティックの角度で
加速度をアナログ的に変化させるように仕込んで、あとは操縦テクニックの勝負に出ました

予選は1組目でした。今回は3回トライ出来るので気が楽です
1回目、まずはスタート直後からフル加速をかけてみました。案の定、2000mm程進んだあたりで
コケてしまいました。素早く起上がって走行、ゴールしましたが、結果は15秒
2回目、今度は慎重に最低速度で安全に走りきり、11秒
3回目、安全に最低速度でスタート、ゴール直前でフル加速をかけて、9秒46
ちょっと安全に行きすぎたかなー? と思いましたが、Zipponさんによれば
「繭はうまく行けば10秒切れるかも?」
という事だったので、とりあえず予選はこれでヨシとしました

さあ、いよいよ繭の予選がスタートしました
1回目、くねくねと曲がりながらも11秒です、なんかちょっと話が違うような雰囲気
2回目、まっすぐダッシュして7秒98?  えっ、いきなり8秒切ってきました
おいおい、話が違うじゃん>>Zipponさん
人の良さそうな笑顔にハメられました。世の中はそんなに甘くはないのです
3回目、今回もまっすぐ走っていましたが、結果は9秒8?

なんで、こんなに記録がバラつくの? もしかして...
Zipponさんの手元を見ていると、システムは違いますが、キングカイザーと操縦方法は同じようです
プロポのスティックの角度で加速度をコントロールしているようです
違いは繭は右スティック1本なのに対して、キングカイザーは左右2本を使っている点くらい
という事は、お互い操縦テクニックと運が勝敗を分ける要素になっているという事です

さあ、こうなってくると決勝の出走順位が勝敗を左右します
相手の記録を知って、後から走る方が圧倒的に有利だからです
しかし、そんな事を言えるのは今だからこそ、当時の私にはそこまで戦況を分析する冷静さがありませんでした
予選1位はもちろん"繭"、しかし2位は同タイムでキングカイザーとあいぼー4だったのです
ジャンケンで順位を決めて下さいという係りの人に向かって、あろうことか私はあっさりと2位の座をあいぼー4さんに譲ってしまったのです
今にして思えば、ここが勝負の分かれ目でした。決勝レースは二人ずつ同時に走るのです

予選3位となった私は、ライバルの1組前で決勝レースを迎えました
もちろん決勝は1発勝負です、本来ならばここで1発狙うところですが、頭の中にはある偉い人のお言葉が...
「イチかバチかの勝負に出るよりも堅実に・・」
そうです、ここでコケるようでは元も子もなくなってしまいます
今回は二日間競技なのです
しかし、先に走る私が繭に勝つ方法としては、ここで良い記録を出して操縦者にチャレンジを余儀なくさせ
ミスを誘うという姑息な作戦しかありません
しかし、無理をして自分がコケてしまってはそれこそ元も子もありません
そこで、その目標タイムを8秒前後に設定しました

さあ、決勝レースがスタートしました
スタートは慎重に最低速度でスタート、そのまましばらく我慢です
幸いキングカイザーは真っ直ぐ走っています、私が設定した1800mm地点に来ました
神に祈りながらスティックを一気に倒します、フル加速!!
キングカイザーはそのままゴールを駆け抜けました。記録は8秒43
まずまずです

控え室に戻ると、次のレースに備えていたZipponさんがつぶやきました
「行くしかねえな・・・」
このセリフを聞いた時に私は内心「よし、作戦通り」と思いました

繭がスタートしました
Zipponさんの右手を見るとスタート直後からスティックはめいっぱいです、繭フル加速!!
しかし、フォースの暗黒面に落ちた私の願いも空しく、繭はそのままゴールを駆け抜けました
記録はなんと6秒台!! 完敗ですm(_ _)m
Zipponさんは繭の記録に自分でも驚いていました
先の「繭はうまく行けば10秒切れるかも?」というセリフにウソはなかったようです

この時、私は自分の冒した作戦ミスに初めて気がついたのです
予選順位を安易に譲ってはいけなかったのです
直前に私が出した8秒43が、繭の6秒台という記録を呼んでしまったのです
もし、決勝を一緒に走っていれば相手を見ながらのレースになるのでお互い、最初から
フル加速なぞ、かけはしなかった事でしょう
プロスポーツの世界で良く言う"開き直った"繭は勝負に勝ったのです


今回はロボットの性能以外の部分、勝負の駆け引きや、勝負のアヤについてスポットを当てて、レポートしてみました
ロボットビルダーの人達にはしょうもないレポートになってしまったかもしれません
しかし、観客として見ているみなさんには、アスリートという単純な競技にもこういうメンタルな駆け引きがあるという事を知って頂けたら、もっと競技が面白く見られるのではないでしょうか?


でも、次は勝つぞー

2006/3/18 第6回ROBO-ONE J-class MARU Familyの挑戦
予選
ウチはまだロボットを作り出して1年にも満たない新参チームですが
J-Classの参加は今回で二度目になります
前回は自分ではまだまだ時期尚早と思っていました、なんせ自立デモとか
まだ一度もやったことが無かったので...
予選は自立でなくても可と言う事で参加しました。
しかし、当時のSISOさんも言っているように"半年前の大会はなんだったの?"
というくらいにレベルが上がっていたようです
そんな中で予選4位、決勝3位というのは出来すぎでした。

今回の第6回大会は前回よりも準備期間が取れましたが、前回のような
予選の目玉となる内容はなく、初めての自立デモということもあり
予選演技はオーソドックスな内容になってしまいました

今までのロボワンの規定演技の取り扱いを見ていると、言葉そのままの
演技をするのではなく、自分なりの解釈を加えて演技することが
求められているようでしたので、ウチでは規定の"足を高く上げて歩く"という
規定を"小学校の運動会の入場行進のように歩く"というイメージで
動作を作ってみました(パイロットは小学生ですし)

また、肩と腰のサーボを改造して可動範囲を広げた事をアピールするために
ブレイクダンスを取り入れてみました
とは言っても、まだまだ出来るモーションは限られています
前転->空中で下半身90度捻り->スワイプス連続2回転->開脚起上がり
という内容でした
なんとか予選は無難にこなし、自分としては予想外の2位という結果に満足でした
決勝
今回はすぐに決勝です(前回は本戦と同じく翌日決勝)
組み合わせが発表になるとすかさず光子力研九所のゆみさんがやってきて
「いや〜、決勝まで当たりませんねー」
去年からマスタスレーブ対決をしようと言い続けてきたのですが
なかなか縁がないものですね(まあ、分不相応なお言葉ではありますが)
挨拶もそこそこに、大急ぎでマスタースーツの準備です
いつになく準備万端、余裕で1回戦に臨みましたが、体を90度捻った攻撃を
した後に、突然ブルートゥースのリンクが切れ、操作不能に...
タイムをとって調べてみると、通信ケーブルが抜けていました
2分間で応急処置をして試合再開、腰の捻りを封印して戦いましたが
なんとか勝利。試合前日に肩のサーボを交換した時に、ケーブルを配線し直すのが
面倒で"短いかなー"と思いながらもそのままにしておいたのが敗因でした
やっぱりこういうことはキッチリやっておかなければいけませんね

1回戦の後、半田ゴテを握る時間はないので、とりあえず延長ケーブルで
処置、2回戦に臨みました。すると今度は、JOYPADエミュレーターが誤動作!
勝手に動作したあと、またまた操作不能に....こんなことは初めてです
タイムをとってPCの再起動
もう何がなんだかわからないあいだに試合が終わって、またまた辛勝
控室に帰ると道楽さんから"何やってるんですか!"と激が飛びます

いくら準備万端と思っていても、やはり会場には魔物がいるようです

順々決勝で初めてノントラブルのバトルが出来ました
ところが、今度は相手のZUNさんがコントローラーのトラブル
タイム中、工具がなくて困っている様なのでドライバーを貸してあげましたが
復旧できず、無念の棄権となりました
この時に先川原さんの「なんですか!? 今お金を渡したんじゃないでしょうね」
のコメントに場内爆笑

ついに準決勝まで来ました、楽屋裏の控えスペースに4強が集まりました
グレートマジンガァJrが出撃していくときに、ゆみさんが隼人君に
「さあ、いくぞ! 決勝でキングカイザーが待ってる」といわれた時は
ちょっと胸に熱いものを感じました

こちらの準決勝の相手は同じロボファイト勢のビグ
強いです、いくら攻撃してもビグともしません(すいませんオヤジギャグです)
なんとかダウンをとって、ビグは横倒しに...しかし、なんとそのまま起上がれずに
ノックアウト勝ち。あとでLLPさんに聞くと
「よく考えたら横向きに倒れた状態からの起上がりモーションを作ってなかった」
との事です。なんということでしょう、強すぎて今まで倒された事がなかった故の
悲劇
逆に言うと、ウチはなんと運のいい事か...

いよいよ決勝戦です 
相手は前回の準決勝で負けた"ありまろ"
因縁の対決です(と思っているのは、たぶん私だけ)
今回はシステムトラブルもなしにベストをつくしました
しかし、結果は惨敗
まだまだトップクラスのチームとは埋めがたい力の差を感じました
最後に
次回こそは雪辱するぞー と思っていますが
J-ClassにもGPチームがどんどん参加してきて
本当に入門クラスなどではなくなっていますね
まさに、ROBO-ONE軽量クラス
今後はますます厳しくなることでしょう
しかし、私のロボット人生はまだ始まったばかり
いつまでもチャレンジャー精神を忘れずに頑張りたいと思います