1 発生のメカニズム

プレートテクトニクス


 見たり聞いたりした話ですが....

 どうやら地面は動いているらしいです.それは,地球の誕生と関係があるようです.

 はるか昔のその昔... 地球誕生のとき...

膨大な数の宇宙塵が集積してきて,次第に大きな塊を形成してきたとさ.それらは衝突や散乱

を繰り返し,ものすごい摩擦熱を閉じこめながら.

やがて,大きくなって,自身の重力も大きくなり,内部の圧力が高まると,重い物質は内側へ

軽い物質は外側へ...内部に核が出来,層構造が形成されたとさ.勿論,そのときに発生し

たものすごい摩擦熱を閉じこめながら.

加えて,内部には放射性物質がいっぱい.これらの放射能エネルギーによる発熱も激しい.

以下に地球の内部構造と温度を示します.

 なんと,地球の中心部の温度はおおよそ6500 ℃もあるのだそうです.この閉じこめら

れた熱のために,色々なことが起こるのです.

 地球の内部は,外側から,地殻,マントル,外核,内核という層構造を形成していま

す.これはそれぞれの層を形成している物質の違いによるものです.しかし,同一組成の

層内でも,温度や圧力が異なれば,違った性質を示します.

 岩石のような物質は,一般的に,冷えれば固く,融点に近づけば柔らかくなり流体的な

性質を帯びてきます.地球の約82%を占めるマントルなどは,外側と内側では約4000

℃近い温度差があります.つまり,外部は固い”岩”のような性質で,温度の高い内部に

行くに従って,柔らかく流体のような性質を持っていることが想像できます.加えて,温

度差が対流を引き起こすわけですから,マントルは一定の流れを持った,”液体”のよう

な振る舞いを示すことが分かると思います.

 このマントルで,表面に近い固い部分をリソスフェア,内部の柔らかい部分をアセノス

フェアと呼んでいます.つまり,地殻とリソスフェアが柔らかいアセノスフェアの上に浮

いたような状態になっているわけです.この地殻とリソスフェアを併せて”プレート”と

呼んでいます.

 さて,地殻の薄い海底下で,アセノスフェアが上昇してくるところがあります.ここ

は”中央海嶺”と呼ばれており,長大な海底山脈を形成しており,太平洋では,アメリカ

大陸の西海岸沖に発達しています.上昇してきたアセノスフェアは冷えてリソスフェアと

なり,次々に新しいプレートが生成されます.先に述べたように,このプレートはアセノ

スフェアの上に浮いたような状態で,徐々に移動します.その速度は数cm / 年程度で

す.そして,太平洋東海岸で大陸からのプレートと衝突し,密度の高い海底プレートは大

陸からのプレートの下に潜り込みます.この部分は深い海溝を形成します.そして深く潜

り込むと,次第に温度が上昇し,やがてアセノスフェアに吸収されて消滅します.この模

様を下の図に示します.

 このような移動は,なぜ起こるのでしょうか?

つい最近まで,これはマントル対流,つまりアセノスフェアの対流に乗ってプレートが移

動すると考えられていました.しかし,それではちょっとした矛盾が生じます.1つは,

中央海嶺が,そのまま海溝にのみ込まれている場所が存在すること.もう1つは,左端の

大陸プレートのように,上に乗り上げたまま移動し続けない(実際には非常に遅く移動し

ている)のはなぜかということ.

 で,最近の有力な説は,”引き込み力”こそがプレートを移動させているというもの.

つまり,引き込み力で引っ張られているという考えです.大陸プレートと海洋プレート

(引き込みがある)との移動速度の違い(引き込みがある方が断然速い)等から推測され

ています.

 さて,これらを踏まえた上で,日本周辺のプレートについて考えます.この日本列島が如何

に無茶苦茶な場所に出来ている?のかが分かると思います.ここからが地震についてです.

 左図をご覧下さい.

日本は4つの大きなプレート(岩盤)の上に

あって,それらがそれぞれ移動しているそう

です.それぞれのプレートは境界でぶつかり

合い,一定の力で押し合っているそうです.

 この境界近傍では,境界に沿った広い範囲

で大きな応力(歪み)が発生します.

−−−海洋型地震の要因

また,個々のプレートの内部でもそれ自身が

動いているわけですから,弱いところに応力

が溜まっていきます.

−−−活断層型地震の要因

 どちらも,そういった境界で応力が破壊限界に達すると一気に溜まったエネルギーを放出

し,応力を開放します.どうもこれが地震らしいです.

 

 一般的な物質に,一定の外力(圧縮や引っ張り)を加えいき,遂に破断するまでの過程を表

した図に,応力−歪特性曲線というものがあります.こちらの図をどうぞ.

物質の弾性限界までは,蓄積される応力と僅かな変形との間には比例関係がありますが,これ

を越えると,僅かな応力で大きく変形するようになり,応力最大点を越えると,むしろ応力は

小さくなっていき,やがて破断に至るという様子を表しています.

 勿論,物質によっても様子は異なりますが,上述したプレートどうしのぶつかり合いや,各

プレート内部での界面での破壊に至る経過も,同様なプロセスをとるようです. 


2 海洋型地震へ