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なんと,地球の中心部の温度はおおよそ6500 ℃もあるのだそうです.この閉じこめら れた熱のために,色々なことが起こるのです. 地球の内部は,外側から,地殻,マントル,外核,内核という層構造を形成していま す.これはそれぞれの層を形成している物質の違いによるものです.しかし,同一組成の 層内でも,温度や圧力が異なれば,違った性質を示します. 岩石のような物質は,一般的に,冷えれば固く,融点に近づけば柔らかくなり流体的な 性質を帯びてきます.地球の約82%を占めるマントルなどは,外側と内側では約4000 ℃近い温度差があります.つまり,外部は固い”岩”のような性質で,温度の高い内部に 行くに従って,柔らかく流体のような性質を持っていることが想像できます.加えて,温 度差が対流を引き起こすわけですから,マントルは一定の流れを持った,”液体”のよう な振る舞いを示すことが分かると思います. このマントルで,表面に近い固い部分をリソスフェア,内部の柔らかい部分をアセノス フェアと呼んでいます.つまり,地殻とリソスフェアが柔らかいアセノスフェアの上に浮 いたような状態になっているわけです.この地殻とリソスフェアを併せて”プレート”と 呼んでいます. |
さて,地殻の薄い海底下で,アセノスフェアが上昇してくるところがあります.ここ は”中央海嶺”と呼ばれており,長大な海底山脈を形成しており,太平洋では,アメリカ 大陸の西海岸沖に発達しています.上昇してきたアセノスフェアは冷えてリソスフェアと なり,次々に新しいプレートが生成されます.先に述べたように,このプレートはアセノ スフェアの上に浮いたような状態で,徐々に移動します.その速度は数cm / 年程度で す.そして,太平洋東海岸で大陸からのプレートと衝突し,密度の高い海底プレートは大 陸からのプレートの下に潜り込みます.この部分は深い海溝を形成します.そして深く潜 り込むと,次第に温度が上昇し,やがてアセノスフェアに吸収されて消滅します.この模 様を下の図に示します. |
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このような移動は,なぜ起こるのでしょうか? つい最近まで,これはマントル対流,つまりアセノスフェアの対流に乗ってプレートが移 動すると考えられていました.しかし,それではちょっとした矛盾が生じます.1つは, 中央海嶺が,そのまま海溝にのみ込まれている場所が存在すること.もう1つは,左端の 大陸プレートのように,上に乗り上げたまま移動し続けない(実際には非常に遅く移動し ている)のはなぜかということ. で,最近の有力な説は,”引き込み力”こそがプレートを移動させているというもの. つまり,引き込み力で引っ張られているという考えです.大陸プレートと海洋プレート (引き込みがある)との移動速度の違い(引き込みがある方が断然速い)等から推測され ています. |
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左図をご覧下さい. 日本は4つの大きなプレート(岩盤)の上に あって,それらがそれぞれ移動しているそう です.それぞれのプレートは境界でぶつかり 合い,一定の力で押し合っているそうです. この境界近傍では,境界に沿った広い範囲 で大きな応力(歪み)が発生します. −−−海洋型地震の要因 また,個々のプレートの内部でもそれ自身が 動いているわけですから,弱いところに応力 が溜まっていきます. −−−活断層型地震の要因 |