大阪言うたら...お好み焼き,たこ焼き,塩昆布,ごっついネオン,阪神タイガース,
太陽の塔,ブルースと...そして,日本海縦貫特急列車”白鳥”号の始発駅やっ!
とうとう完走する.胸高鳴り,血脇肉踊る素晴らしき大阪の朝.
夏雲もくもく,日差し眩しい正に夏晴れ!快食快便!
最も端の11番ホームの先頭で待った.当然ボンネットの先頭車両に乗るぞ.
でも一抹の不安が...実は京都総合運転所の白鳥に当てられる485系9編成中3編成の
先頭はボンネットではなく,200,300番台を使用しているのだ. 2/3の確率.
”もし,もしもボンネットじゃなかったら,1日延期だ”そう覚悟を決めていた.
やがてアナウンスが入る.”まもなく11番線に...それよりこの興奮じゃあカラダが持た
ない.今日1日は長いんだぞ.13時間かけて本州最北端の青森まで行くんだから.
自分を鎮めるのに苦労した...そして,ついに愛すべき,ぼくのボンネットが...
おおぉぉ!!!ボンネットだ!クハ481−120!よしよし,いい子だ!
手動式の内扉をくぐる.自由席のその車両はその先を閉ざされており,正に先頭車両を物
語っている.不均一に並んだAU12ユニットクーラーがこれでもかとばかりに冷やしまくっ
ている.クーラーまでもがパワー全開でぼくを迎えてくれた(涙).
”おはよう,白鳥,今日はよろしくね”
10:12.遂に白鳥は大阪から羽ばたいた.独特のゆっくりとした加速で.
ぼくの新幹線嫌いは筋金入り.できるだけ使わないようにしている.なぜそこまで新幹線が嫌
いなのかと言うと,新幹線の誕生〜路線延長で”古き良き列車が淘汰されてきた”から.
特に96年の大阪出張には,東京から新幹線を使わず,前日に休暇を取ってわざわざ在来線
で行った.しかも,新潟経由で日本海側を回って.そのとき生まれて初めて念願だったこの”
白鳥号”に乗った.長岡−大阪間...勿論会社には内緒.皆と一緒に来なかったことについ
て,しかも前日休んでいたことから,「コレ(女性)と一緒か?」などと小指を立てられた.
ぼくは”白鳥”のことを想像して,「まぁそんなもんですかね」と応えておいた.アハハハ.
さて!新大阪を出て直ぐさま,新型電車E207系を捉え,追い抜かした.
”ざまぁみろ!”ぼくはもう完全に白鳥と一体化していた.
そして,千里が丘の駅を通過したところで白鳥が鳴いた.
やがて京都駅に滑るように到着.