◆ 豊 洲 編 (壱) ◆

1. 動機 2. サルドリ 3. 午前 4. 午後 5. 帰り道



1. 動機

“なぜ水泳を始めたのか?”
“そこにテクがあるから。”

“なぜ釣りにはまったのか?”
“そこにテクがあるから。”

“なぜスノボをするのか?”
“そこにテクあるから。”

“何故、 走るのか?”

“そこに、 テクがあるからだってば!!”

要するに、 私は「テク命」なのである。
だから、 スノボはカービングだし、 ボウリングはフックボールである。

そして、 クルマはドリフトである。



2. サルドリ

'99.11.20

長電話どころか、 電話すら使用しないというのに、 この日の前夜に限って2時までうだうだと。
そして、 2時間後、 起床。 5時半ごろ出発。

それでも東名、 首都高って、 混むんだね。 まぁ、 首都高は事故渋滞だったのだけど。


目的地は、 豊洲である。
オールマツダ全国自動車運動会の前日イベントである、 サルドリに参加するのである。
そう、 ジムカーナである。
K保ッチに誘われて参加したPeaの練習会以来、 その快感にやみつきになっちゃった、 ジムカーナである。



3. 午前

このたびのドラテク特訓会には、 いち早く参加表明をし、 速攻(給料日後ではあるが)で振込みをしたのであるが、 正式な申し込みがずいぶん遅れてしまったせいで、 豆腐屋さんから書類の送付が遅れてしまったようである。
お手数おかけしました。
手ぶらで参加受付を済ませる。
B組。

今回、 知ってる人がだーれもいないので心細かったのであるが、 隣に停めた羅針盤MLの“らじゅん”さんとお話なんぞしたりして救ってもらう。 “らじゅん”さんの愛機は赤の初期型、 フルノーマルという代物。 いい感じ。
空気圧チェックお願いします、 という案内にちょっと不安になる。 さっきGSで見てもらえばよかったな。 “らじゅん”さんと一緒に、 参加者の方からポンプを借りて、 事無きを得る。


午前は、 ほんとの基礎練習。 定常円、 オーバル、 スラロームの3つを練習する。
B組の番。
私は、 まずスラロームから。
A組の様子を見るに、 どうもパイロンの感覚が狭いのか、 FDあたりだと、 のた打ち回ってるって感じ。 うーむ、 FDのあんな姿は見たくないのだ・・・。
FD = 高橋弟
なのだ。
そんなことはどーでもA。
谷和原でパイロン×3本を股にはさんだ経緯がある。 大したことない擦り傷ではあったが、 上手にワックスを拭き取らないと白く浮き出てしまうのである。 だからこそ、 今回はパイロン接触は、 0でいきたいのである。

そしていよいよ私の番。
スタート!!
スタートは得意。 クラッチつなぐだけだしね。 1速オンリー。 スロットルを開けると、 テールが流れるのが感じられる。 いま一つしっくりこないのではあるが、 けっこう振り回せてる感じ。 あと一歩??? などと思いつつぐにゃぐにゃぐにゃ。

2分経過、 次の種目「定常円旋回」。 たった2分? と思うなかれ。 それ以上の集中はきついんじゃないかな。
で、 「定常円旋回」である。 これこれ、 これがやりたかったのさ。 ドリフトの本のいっちゃん最初に出てくる練習法だもんね。 アンダーとオーバーの狭間の速度からアクセルをoff/onでテールを流す。
ずりりぃっ。
あっという間にタコ踊り。
・・・・・・ムズカシイな、 これ。 何度かトライしてみるが、 アンダー出ちゃったりテールが流れてもとっさにアクセルを戻しちゃうのか、 タコ踊りでへろへろ。
難しい。

次はオーバル。
順番待ちしてると左ドアをこんこん。
本練習会には、 HAMAちゃん率いる豆腐屋さんだけでなく、 いろんな有志が関わってらっしゃるのだが、 そのうちのなんとかさんとなんとかさんは、 HAMAちゃんが認める腕前なのだそうで、 アドバイザーという形で同乗して教えてくれたりするのだ。
で、 アドバイザーさんを乗っけて順番待ち。 前の人の練習を眺める。 かなりアンダー出てたりする。
“コーナー進入と同時にアクセル踏んでますからね。”
“荷重移動ができてないんですよ。”
はぁ、 そうなんすか??
とか思ってたら一言、
“要はピッチングとローリングです。”
おーーーーー、 なるへそーーーーー。 “荷重移動”って言われても全然ピンとこなかったのであるが、 なるほどね、 ピッチングとローリングね。 分かった。 分かりやしたぜい、 せんせー。

ということで私の番。
ストレート部分で加速してコーナー手前でアクセルoff、 これだけでピッチングは起こっている。 ピッチングが収まる前にハンドルを切ってコーナリング開始。 ぐぐっと横に傾き出す。 ローリングである。 これで外側前車輪への荷重移動ができているのだな。 アンダーなんか全然出ない。 思ったとおりのラインをきれいに進んでくれる。 さて、 立ち上がり。 この時点では、 なーんも特別なことしてないのにリアは微妙に絶妙に流れてるっぽい感じ。 アクセルを踏んでいく。 気持ち早めにハンドルを戻してオーバーステア(&スピン)を回避、 次のコーナーへ向けて立ち上がっていく。
“うまいですよ。 目線がいい、 先、 先を見てて。”
ををーーーーー、 褒められちゃったよ、 どーするぅ??

アドバイザーさんを乗っけたまんまで再びスラローム。
“パイロン手前でアクセルoff、 脱出時にアクセルonするだけ。”
やってみる。 おーーーーーーーーーー、 ごっついい感じでお尻をちょっとふりふり、 すいすいとパイロンをよけていける。 “けっこういけてるんちゃうん!”と思うが早いか、 タイミングが崩れててんやわんや。 あらあらあら。


いやぁ、 しかし勉強になったわい。 目からうろこだね。 なんか、 Peaの練習会で、 流れるようにリンゴを操ってくださったK倉井さんの走りに近づけたような気がしたよ。
“丁寧な操作とめりはり”
ようやく分かってきたような。

その後もお昼まで反復練習。 スラローム用パイロンは無視してサイドブレーキターンの練習をやってみる。
進入してきてフットブレーキでピッチング、 ハンドル切ってローリングをプラス。 そこへサイドブレーキでぐるん。 をー、 でけたでけた。
v(^-^)


「定常円旋回」でHAMAちゃんに運転席を譲る。
M落さんから私のことをよろしくと言われたのだそうな。 え、 そうなんすか、 頑張りますだ。 よろしくお願いいたします。
“なんか他のNBよりもやりにくいなぁ。”
え、 そうなの??? うちのリンゴになにか問題でも???
とか考える間もなく、 HAMAちゃんに乗っ取られたリンゴはパイロンのまわりをぐるんぐるん。 をー、 すっげー、 カウンターってこうやってあてるのかぁ。



4. 午後


午後は会場を大きく使って、 クランクコースと2速オーバルの練習。
クランクはまぁよいとしても、 2速オーバルはちょっとまだ早かったかも。 「定常円旋回」をもうちょっとやり込みたかったなー。
てゆーか、 カウンターステアが全然切れてないのね。 あっという間にスピン。 くるん。 でもやっぱ、 曲がりたい方向と逆にハンドルを切るってのは、 なかなかでけへんもんやなぁ。

今回は、 ジムカーナ初心者が多いらしい。 FDが“前輪”をぎゃんぎゃん鳴らしながらパイロンに近づけずにもがいている。 う〜〜、 やめてってばぁ。 アンダーに苦しむFDなんて見たくないってば〜。 私の憧れの(そしてゼッタイ手に入れられないであろう)FDをそんな風に走らせないでよ。 早く上達してあげてくりゃれ。

しかし、 アンダーは、 見苦しい。 ハンドル思いっきり切って、 前輪鳴らして、 曲がらないのだから、 見苦しくないわけがない。 うーーーーむ、 ゼッタイにアンダーは出さないぞ。

その後、 クランクと2速オーバルをつないでジムカーナコースとして練習。


ギャラリーの近くに360度ターンのポイントがあったりして、 それっぽい感じ(よくは知らんが)。
1本終了、 日が傾いてきたころ、 事務局M落さんとK保ッチ登場。
ちょろちょろっとお話したりしてたら、 私の走行の番。
ちょっとええとこ見せんとかっこつかんなぁとか思ってたら、 K保ッチがメットかぶって助手席に。

めっちゃキンチョーする〜!

そして、 スタート!!
スロープを駆け下って右、 それだけで後輪はずりずり、 早目にハンドルをニュートラル位置に戻して耐える。 と、 レブリミッターに当たってしまう。 やべ。 減速して右、 ちょっと荒かったか、 そして左、 立ち上がって左、 ここはそこそこスピードが乗ってるからね、 テールの流れてるのを感じながら目線は次へ、 オーバーステアを防ぎつつコーナリング、 そしてもいっちょ、 池にはまらないように慎重にSENNA足???。
この時点で隣のK保ッチはかなり喜んでくれている。
“すーさん、 うまい、 うまい!!”
え、 そう、 じゃあ、 もうちょっとええとこ見せとかんと、 芸人として失格や!!
ということで、 イチバチで360度ターンポイントでサイドを引く!!
ぐるりん!
おっしゃ、 成功。
隣のK保ッチの反応は???
手をたたいてひゃーひゃー大喜び。
おっしゃー!! 大成功!!
2速ゾーンもミスなくまとめてフィニッシュ。

“とまぁ、 こんな感じなんですが。 はぁはぁ。” (←息が上がっている)
“すーさん、 うまいよ。 まじで! ちゃんとクルマと対話できてる。 ○○さん(怖いので伏せ字)より速いよ。”

パドックでクルマを下りてM落さんのところへ。

“どうしたの? うまいじゃん。”

V(^-^)

“みんなに報告しなきゃー” とK保ッチ。 うっ、 やめてくれい。


しかし、 楽しかった。 上達したかどうかは分からんが、 随分勉強になった。 クルマが曲がるということ、 曲がらないということ、 普段の街乗りではわかんなかったんだよね。 街中でブレーキ残して曲がったって、 回頭性とか、 分からなかったのだ。 やっと分かったって感じ。

「テク命」な私としては、 すっごくためになった一日でした。 最終目標のドリフトコントロールはまだまだだけどね。


主催者の皆様、 ありがとうございました。



5. 帰り道

とっぷりと日は暮れて、 お台場とレインボーブリッジが超きれい。 聞くと、 くりぱはここでやってたのだそうな。 ふーん、 さぶかったろうな。 でも、 ここもマンションが建つのだそうな。 レインボーブリッジとお台場が見えるマンション。 ゆりかもめも回ってくるらしいし、 ごろっと風景変わっちゃうのであろうなぁ。

さて、 飯である。 東京、 知ら〜ん。 ということで、 K保ッチに任せて、 「モンゼンナカチョー」のなんたらラーメンに。 “ここのラーメン食うと必ず明くる日、 おなかこわすんすよ。”
でもなかなかいい感じ。
まあちゃんが入れまくってたというにんにくを思いっきり入れてみたりして。

“明日、 すーさんに負けたらどうしよう。”
“ない、 ない。”
と言いつつも、
"原組最速"の称号、 かぁ。 いいかも。
と密かにやる気になってたりして。

“あ、 それから土曜日の件だけど”
“あぁ、 あれね、 シノイはちょっと高すぎて無理だねぇ。”
“僕もあっちは無理だな。”
“那須は行ってみたいけど、 シゴトが入るかもしんないし・・。”
“僕もわかんないですねぇ。”
立場上、 他に言いようがないのだわ。 許してくりゃれ。
てゆーか、 那須、 行きたいなぁ。 なんとかならんもんやろか。



金がないので下道で帰ることに。 K保ッチと別れてすぐに、 迷う。 どこここ??
適当に流してたら湾岸道路にぶち当たったのでお台場方面へ。 と、 とある信号でラグナブルーのNA発見。 たしか豊洲にいらっしゃってたな。
“どちらへ??”
“川崎です、 どちらへ”
“中原街道です。”
中原街道=うちの近所=迷子脱出、 ということで、 “ついて行きますぅ”。
その後、 沼津ナンバーのNAさんと3台で一路中原街道へ。 元ジュリアナのボーリング場横を通ったりして気分は夜の東京見物。 楽しい楽しい。

しかし、 だいぶ乗れるようになったなぁ。 そこそこ小さくて、 そこそこ大きくて、 いいクルマだよ、 ロードスターって。 ほれぼれしちゃうね。
相手の欠点が見えない状態、 見えても欠点と思わない状態を“恋”と呼ぶならば、 私は自分のクルマにフォーリン・ラブってことになるね。 そのぐらい、 いいクルマだと思える。 そういやこのクルマを買った日にディーラーのY川さんが言ってたっけ。
“ゼッタイに後悔はさせませんよ”って。 営業にそこまで言わせることのできるクルマなんだよね。 すごいよ。
しかし、 後悔、 ねぇ。 今では、 塚P号とかあずきちゃんとか、 NAってすっごくかっこいいなって思うんだけど、 でも、 やっぱ、 うちの子が私にはイチバンだね。

などと思いつつラグナブルー号について走る。 そして、 おかげで中原街道、 丸子橋、 やっとこさ宮崎台の駐車場。 いやー、 ありがとうございました。

さてと、 ぷらぷら本屋で立ち読みしながら帰るかぁ、 と思いきや、

ぎゅるるるぅ〜〜〜〜

う、 おなか痛い。 トイレ、 トイレ!

傍目には平静を装いつつ早足で自宅へ。 明くる日どころか、 速攻で来たよ。 すきっ腹だったからかなぁ。

てゆーか、 明日、 競技なんすけど。 やばい。 おなかに不安を抱えつつ、 早めに就寝。





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