2005/Jun/18
ローマ(23日目)
6:20に目覚ましを設定するも、
起きること能ず。
8:30ごろやっとこさ起きだし、
シャワー。
朝食+昼食確保で、
10:00のバスに乗る。
快晴。
かなりの快晴。
すばらしい。
いつもの場所で下ろされる。
地図不要。
小路を分け入り、
大通りに出て橋を渡ればトラステヴェレ。
今回は、
トラステヴェレから北上。
目指すはヴァティカン美術館。
川沿いの道をスナップショットしながらぷらぷら。
日陰はいいが、
日向は暑い。
サンピエトロ広場の回廊で涼む。
お、
トイレあんじゃん。
ありがたやありがたや。
さて行くべか。
おおっ、
こんなとこから行列なの?
とりあえず心積もりのため、
行列を追い抜いて距離を見積もる。
長い。
1kmと推測(後日地図で見積もるとおおよそ400mであった)。
他に予定なし。
ミネラルウォーターを買って、
並ぶ。
意外と進む。
水をちびりちびりやりながら、
日陰、
木陰を移動。
25分程度で入り口到着。
荷物チェック、
切符売り場と並んで、
やってきましたばかちんみゅーじあむじゃなくてムゼイヴァティカァニ。
螺旋階段を登る人はまれ。
みんなエスカレーター。
さてと。
各種ガイドブックには、
モデルコースやらお奨めコースやら掲載されているが、
意味なし。
のっけから、
どっちに行ってよいか分からない。
とりあえず羊のように皆様についていく。
中庭の緑が綺麗。
いい天気。
大きな松ぼっくりの飾り。
まず、
古代ギリシア・ローマの彫刻系美術館。
回廊の左右に部屋があり、
やたらめったら彫刻が置いてある。
すごい。
なにがすごいって、
国道沿いの妙な骨董品屋と大して変わらない。
鹿の剥製とか観音様とか甲冑とかなぜか西洋の鎧とかが置いてあるあれと大差なし。
とはいえ、
期待は高まる。
目指すはラオコーン。
世界史の教科書だか副読本だかで見て以来。
回廊が開け、
中庭風の場所。
その周囲をやはり回廊が巡っている。
えっ、
あれ?
こんなとこにあんの?
中庭を囲む回廊には当然屋根があるし、
彫刻は、
巖っぽいところに安置されてはいるのであるが、
かのラオコーンですら、
その半室内・半外、
みたいな場所に。
まじっすか。
外でええやん的な彫刻、
やまほど室内に置いてあったで?
件のラオコーンであるが、
教科書で見て勝手に想像していたサイズよりも小振りであった。
その小振りの中に、
リアリズムっちゅうか写実が凝縮されていて、
やはり世界史的作品。
その後もえんえんと彫刻達。
絵画用の美術館は逆方向だったのでの。
彫刻が済むと、
今度は地図の回廊。
回廊の両脇にいろんな地図が描かれているが、
すっとばす。
「システィーナ礼拝堂があと30分ほどで閉まっちゃう」
とガイドが説明しているのを小耳に挟んだからだ。
12ユーロも払ったんだから、
絶対見せてもらうよ。
おそらく、
ここに飾られている展示物一品一品に、
歴史がある。
だれがだれのオーダーを受けて、
いつ、
なにを使って、
どのように製作したか。
知ったこっちゃねぇ。
こんだけ飾られてちゃあ、
ありがたみゼロ。
とりあえず、
ラファエロとミケランジェロだけ押さえときゃいいか、
って気になる。
タペストリーの間なんか、
ちらとしか見ないで通り過ぎる。
早く早く。
でも、
団体さんやらが狭い廊下にぎゅうぎゅう詰め。
流れやしねぇ。
しかも石造り。
空気が逃げないからむんむん。
「システィーナ礼拝堂にチョク」
「ラファエロの間、
システィーナ礼拝堂」
どっちにする?
ラファエロはハズせないでしょー。
そして、
アテネの殿堂。
うーん、
少し鳥肌。
でもなんか、
河原町のスカラ座あたりにかかってた映画の大看板的クォリティに見えなくもないなあ。
さて。
急ぐべし。
一気に現代っぽい彫刻やら絵画やらをワープするがごとくすっとばし、
やってきましたシスティーナ礼拝堂。
コースのオオトリに設定してあるだけあって、
すごいことはすごい。
けどなぁ。
壁をポスターやらなんやらで飾るのは、
空間恐怖症の顕れだ、
と言ったのは高校の世界史の先生だったか。
えーつと。
四方、
天井まで絵なんすけど。
係りの人がうろうろ見回り、
写真を撮ろうとする人に注意している。
が、
多勢に無勢。
あっちゃこっちゃでフラッシュぴーかぴか。
トイレをすまして、
閉館ということなので、
螺旋階段をぐるぐる回って退館。
次の目標は、
寺院のピエタ。
こないだ来たとき見忘れたのだ。
回廊の日陰でパンとチーズ。
日陰は涼しいのが救い。
さて行くべ。
荷物チェックのため、
かばんを下ろす。
中身が出ないよう、
チャックをしめる。
荷物チェックは空港と同じ。
フィルムが感光しないか心配。
ボディーチェックのゲートもある。
ぴー
げ。
どーやらベルトに反応したらしい。
荷物とカメラを受け取り、
寺院方面へ。
なんかかばんがひんやり。
なんだろ。
と思ったら、
ペットボトルのふたが開いててすっからかん。
・・・洗礼?
弱音とは旧知の仲だが、
ヨハネは知らんぞ。
びしょびしょ。
えー、
ビショップのタイトルを頂きました。
禊を済ませて、
ピエタ。
素直に美しいと思える。
お母ちゃん、
若すぎ、
とか思って見ちゃだめ。
特定宗教の背景も不要。
一人の女性が、
一人の男性の死を悼む。
その図を表したもの、
それでいいんじゃないか。
とはいえ、
女性の表情に、
悲しみも辛さもない。
あるのは、
なんだろ、
優しさ?、
慈しみ?、
それじゃあ月並み?
「結果はどうあれ、
精一杯頑張ったね」、
という、
存在への全肯定のように読み取るのはうがち過ぎ?
ただ、
母たる者、
かくあれよかし、
とは思う。
伏し目がちのまなざしが、
観音様に通じるような気がしてくる。
バチカンにも、
ミケランジェロにも、
わびさびの風情を感じることはできる。
寺院で涼んでから、
さて、
キューポラ。
適当に並んでるとなぜか地下へ。
気づけば、
歴代教皇の墓だらけ。
期せずして前教皇の墓前。
行列が出来てるので、
般若心境を唱える時間はない。
十字を切るまねごとなんぞでご勘弁いただく。
気を取り直し再び行列へ。
今度は確認。
エレベータを使うと7ユーロ、
歩くと4ユーロ。
迷わず歩く。
ガイジンねーちゃん二人連れの後ろ。
最初はぴーちくだったのに、
次第に無口に。
エレベータの終点は、
キューポラの入り口の高さにすぎない。
さらに上る。
お椀を伏せたようなキューポラの内部構造はというと、
大小のお椀を伏せた感じ。
その隙間に階段。
ということは。
上に行くにつれて、
壁が傾いてくる。
小さい螺旋階段をのぼると終点。
汗だく。
風が心地よい。
視界が開ける。
旧市街方面は人だかり。
E.U.R.の方は空いている。
一部工事のため、
ベニヤでふさがれている。
この場所のさらに上の修復工事。
すげぇな。
カトリックの総本山の頂上アタック成功。
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂が遠くに見える。
その少し右手にコロッセオ。
スペイン広場の工事中の教会も識別できる。
ここにアンテナ置いたら、
下りは干渉でえらいことになるんだろうな、
ちゅうことは、
ここで発呼したら、
周辺の基地局全部に上りの干渉を振り撒くことになるんだろなぁ。
地形も起伏あるし、
ローマの電波設計はほんと難しいだろうな。
下山。
くだりはラク。
螺旋階段もOK。
怖くない。
登りの螺旋階段は、
えんえん登ってると平衡感覚に支障を来たす。
足元を確認することを優先するため、
視線を移動先に送れないのと、
どっちみち急傾斜のため、
先が見えないためである。
ところが下りだと、
足元と行き先を同時に視野に入れることができるので、
ぐるぐる回ってもくらくら来ない。
バチカンにいればトイレの心配が無用なのでラクではあるが、
さすがにあきたので、
バス乗り場方面へ。
もう地図なんぞ不要。
一月いればね。
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世通りをいく。
写真なんぞ撮りながら、
ぷらぷら。
このまま帰るのももったいないかも。
コルソ通り、
そして、
フェラーリストア。
ぴかぴかのピストン+コンロッド。
F399とか書いてある。
値段はその倍ぐらいだったので無理。
愛息グッズなど購入して、
さて帰るか。
19:00過ぎ。
19:15のバスは間に合わない。
歩行者天国のコルソ通りをぷらぷら。
記念堂の広場で休憩。
足がじんじん。
キューポラ登ってイタリアじん。←意味不明
バス乗り場。
2枚残った5ユーロ札の一枚を使い、
バナナとリモーネのジェラート(3ユーロ)。
20:00まで市内にいたのはおそらくはじめて。
そして当然最後。
帰りのバス。
今まで見た中で最高の夕焼け。
別れの間際に素敵な一面を見せてくれるなんて、
反則だよなぁ。
さすがローマ、
さすがイタリア、
さすがラテンブラッド。
独身者はすべからく見習うべし。
ホテル。
荷造りを8合目まで済ませて
カルボナーラ。
サービスしてくれたのか、
ベーコン多め。
しょっぱい。
岩塩のようだ。
ベーコンを残して退散。
白ワインの銘柄を尋ねる。
Pinot Grigio、
北イタリア産のありがちなワインとか。
目覚ましをセット。
心細いので、
携帯のアラームもセットし、
0:00、
寝る。
ぼなのって。
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