イタリア日記
〜 Roman Workingday 〜

2005/Jun/15

ローマ(20日目)


暗い。
カーテンの隙間から差し込む朝陽で体内時計のリセットがなされるというのに。
もっと光を。

どんより曇りから、 雷鳴、 雷光、 土砂降り。
ゴロゴーロ、 ピカピーカ、 ドシャドーシャ。

JSTV曰く、
「パリ・ローマはぐずつくでしょう」

ぐずつくどころの騒ぎじゃないって。



タクシー待ちの行列に並んだところで、 来やしねぇ。
玄関横に設えられた籐の椅子に腰掛け、 籐のテーブルにPCを据え、 起動。

Windows95が騒がれたのは10年も前のハナシ。 CPUもメモリー容量も桁違い。
であるのにだ。
起動所要時間、 昔より絶対長いよなぁ。
10年前のWS並か? 正常進化しとるんか?
「スタートしよう」
そりゃするさ、 せにゃ仕事にならんがな。 残念ながら。
けど、 快適なスタートをさせろっちゅーの。
いらいら。

やっと立ち上がる。 HDDがころころ言うとる。 裏で何が動いとるんや?
無視して携帯でネット接続。 弊社Intranetにもぐりこみ、 S嬢の携帯番号検索。 ついでに「遅れます」SMSも送っちゃう。
・・・まぁ、 10年前には出来なかったことではあるが。



30分も遅らせれば、 行列も解消。
会社に着く頃には雨も上がってるときたもんだ。


昨日からどうしても解けない謎に挑む。
ローマと大阪のパフォーマンス指標のひとつが桁違いの相違。
  • ローマの指標は、 地元ツールが吐き出したもの
  • 大阪の指標は、 生データをExcelで計算させたもの
  • 計算の定義は地元ツールに準拠
うーん、 ローマの生データを拝見したいのだがそれは無理。
Excelに打ち込んだ式を仔細に検分するも、 定義どおり。
この数値でええんやろか?
直感は、 あかん、 と告げる。



「ランチ?」
え、 あぁ、 いきまっか。

青空。 暑いくらい。 いつもの高台。
パイプパスタ。 トマト味の中に唐辛子が効いてて人知れず鼻の頭に汗。
人知れずそれを拭き拭き、 それでも頭の中は、 奇妙なパフォーマンス指標。
なぜなら皆様イタ語でご歓談中だから。



午後も引き続き。
セルごとに割らなくてもいいのかぁ?
いや、 でも、 母数でちゃんと割ってるしなぁ。

つかさぁ、 ・・・ローマの数字も、 なんかおかしくないか?
PCの中を引っ掻き回し、 関連資料に目を通す。

・・・定義、 間違ってんじゃん。

資料に従い、 妥当と思われる式でExcelに計算させてみる。
・・・妥当と思われる結果が出てくるじゃんよ。



本件はまぁ落着として、 でもローマのパフォーマンス改善とは無関係だわなぁ。
うーむ。
どーやら、 ローマ初日に懸念した事態?

パラメータに大きな違いなんてないしなぁ。 違ってるところはあることはあるが、 パフォーマンスには影響してないしなぁ。
やっぱ、 電波的なところを地道に潰していってもらうしかないんちゃうやろか。


S嬢が今日でローマ勤務最後。 A氏と名前が判明したイノキ氏も明日、 明後日とお留守。
ということで、 みんなで近所のパティチェリアにお茶に。
つってもお菓子。 美味いが甘い。

「最後の週末、 どーすんの?」
「のーぷらん」
「バチカン美術館」
おお、 A氏(イノキ氏)、 おぬしもか。
行くしかないか。



夕刻そして21:00、 でも夕刻っぽい空。
感覚が麻痺するなぁ。

帰る前に、 ネットチェック。

蚤の市で買った六分儀を調べてみる。
英国ロンドンStanley社製。
ヒットするではないか。

本格的な業務用六分儀の他に、 昔実際に使用されていた六分儀を復刻したものも、 ディスプレイ感覚での利用を前提に販売されている。
あ、 これ似てる。
けどビミョーに違うなぁ。
わらわが購入したのは、 まじ骨董品であろうか?

だまされたわけではなかったのかな、 と思うとなんとなく気分がよろしい。



ホテル。
リストランテ。

先日Buffetにしたらえらい値段を払わされたのであるが、 Menuを見るとどーやら
  • すたーたー
  • パスタ&スープ
  • メイン
  • デザート
で料金が分かれている。 先日は、 全部のカテゴリー分を支払ったようである。

カルボナーラでもしゃふぉんになんたらでもらびおりなんたらでもいいんだけど、 気分を変えて、 今夜は「パスタ&スープ」でいってみまひょか。

グラスワイン、 ガス入りミネラルウォーター、 パスタ、 ミネストローネ。

んまい。


奥の席は再び日本人観光客の団体。
若い女性陣。 仕事は? 学生、 なわけないか? 謎。
じゅーんぶらいど的ペアもいれば、 おばちゃん達もとーぜんのごとくいる。

海外で出会う日本人に嫌悪感を感じてしまう。
醜い部分しか写さない鏡を見るような心境であろうか。
いや、 羊のように、 おとなしく、 群れて、 静かに、 お食事されてただけなんですけどね。


向かいのテーブルには、 白髪の老紳士が一人、 ビールなどいただいてらっしゃる。
うーん、 なんとも絵にならない。

この方もまた、 私の鏡であろうか。


もっと光を?


ぼなのって。





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