イタリア日記
〜 Roman Workingday 〜

2005/May/24

Osaka

ついにこの朝を迎えてしまった。
気分はブルーを通り越して群青色か藍色か。 藍は青より哀し。

PCと御神体(カメラ)の詰まったTATONKAが肩に食い込む。
妻が準備してくれた衣類の詰まったDELSEYは、 その愛情と等価の慣性質量で、 腕も千切れよとばかり移動を拒む。
愛妻・愛息に見送られつつ横堤駅。 鶴見区のどこに出社するのであろうか、 ぞくぞくと改札から出てくる人並みが、 海が割れるごとく私を避けて行く。

こじんまりした、 でも小奇麗な地下鉄は、 今福鶴見、 蒲生4と内容物の密度を徐々に高めながら京橋に到着。
その内容物をかき乱しながら、 なんとか降りる。
「すぃませ〜ん。」(←小声)



人並みをかき分け辿り着いたみどりの窓口。 再び、 北嶋嬢の尊顔を拝す。
一ヶ月。 それは人をして十分に変容させるに足る時間の長さである。
彼女は、 若々しさは残しつつも初々しさをトーンダウンさせ、 私は、 苦々しさを噛み締めつつ、 再び、 はるかと関空快速とどっちがよいか彼女に尋ねるのであった。
はたして、 はるかが早いとの結論を得、 特急料金をもって天王寺乗換えの憂鬱を購う。



天王寺駅。 MiOには何度も足を運んでいるが、 コンコースは不案内ということもあり、 案内の不明瞭さから上らなくてよい階段を上り、 ゆえに下らなくてよい階段を下る羽目に。
いかん。 からっといこう。 今からネガになってどーする。 とはいえ、 暗黒面はいつだって人を惹きつけてやまないものである。



どこが特急やねん、 というスローっぷりを発揮するはるかに揺られ、 KIX到着。 ファスト福知山線。 スローはるか。 哀しい会社である。



KIXでやっと一服。 一息ついて、 まずは搭乗手続きでいい席を確保せねば。
ターミナルの隅の隅に追いやられたALITALIAのブースに一番乗り。 スタッフはブリーフィング中。 延々やっている。 なにをそんなに打ち合わせる必要があるのだろう。
などとぼんやり見守っていると、 手続き開始。 DELSEYをX線に通し、 シールを貼ってもらって、 窓口へ。

よ、 こら、 せと。
「預け入れ荷物は20kgまでとなっておりますが、 通常5kg程度までは許容範囲とさせていただいております。 お客様のお荷物は26kgとなっておりますので、 1kg分の超過料金をお支払いいただくことになりますが?」
26kg分もの愛情である。 3500円など安いものである。

席はB777の15L。 15Jは埋まっていた。 珍しく窓側なのは、 足元が広い席だから。
身軽になったこともあり、 てきぱき行動。
両替を済ませ、 保険に入り、 カギなど買い足し、 出国をさらっと済ませ、 マイルドセブンスーパーライトを購入。 藍色からずいぶん明るい色になってきたもんだ。

長い待ち時間をメールやら立ち読みやらてんぷらうどんやらでつぶし、 搭乗開始。

本番は、 これから。







  一覧 つづく。