BB9 会報 Vol.2--- ラフティング編 --- 


1999年9月5日晴れ、OutDoorにはもってこいの陽気である。悪魔の大王はどうした?といった感じである。
朝8:00、自宅を出発した私(小川)は前日までの雨ですっかり汚れてしまった愛車エルグランドの化粧直しの為、通い慣れたGSへ向かった。
GSでいつものように手洗い洗車&ポリマーコーティングで即席化粧直しを済ませた。
次は必ず愛情たっぷりの手洗い洗車&ワックス掛けをしてやろうと思いつつGSを後にし、一路A木さん宅へ向かった。
A木さん宅に到着した頃、A木さんは愛犬“ころ”に「行ってきます。」と告げていたらしい。
が、しかし、“ころ”は自分が連れていってもらえない事に対し拗ねており、返事をしなかったそうである。
A木さん合流後、TK氏・T井さん・M岸さんとの待ち合わせ場所に向かった。
この3人は偶然にも御近所さんで待ち合わせ場所も同じである。
この時点でエルグランドに5人乗車しており、残る2人(N山田氏・I上氏)との合流地点へ向かった。
合流場所には既にN山田氏が到着しており、残るは“時間にルーズな”I上氏だけである。
ここで、1年前のいやーーーな記憶がリアルな映像と共に蘇ってきた。
彼は1年前の第一回銀輪会中伊豆アタック時に4時集合を5時に来たつわものである。
が、彼もこの1年で多少の進歩があったようで、時間通りに飲酒なく到着した。
今回のBB9会ラフティング大会はこの7名による。
残念な事に鈴木氏&S藤氏は都合により不参加だった。


時は10:00ジャスト。ラフティング会場である富士川上流の“芝川”へ向けて出発した。
車中、T井さんが今回のラフティングについてしきりに「大丈夫ですよね。死なないですよね。」と聞いてくる。
何かと思えばこのT井さんはいわゆる“金槌”らしい。
よほど水が恐いらしいが、最終的にはT井さんはA木さんとロープで繋ぎ、「運命共同体」となる事でまとまった。
(その方がよっぽど恐いと思うけど・・・。)
沼津ICから東名自動車道で富士ICまで横着をし、今回ラフティングの申し込みをした“NATURAL ACTION”のHPの指示通りに芝川を目指した。
県道396号で富士川を渡り、そのまま北上するとすぐに山と川の世界が広がってきた。
その雰囲気は釣り・バーベQ・キャンプ、そして、ラフティングといった物である。
空を見上げると、昨日の雨が嘘のように晴れあがっており、絶好のラフティング日和であった。
しばしこの景色を堪能しつつ“NATURAL ACTION”との集合場所であるコンビニに向かった。
コンビニはすぐに見つかった。
このコンビニの道路の反対側には芝川のせせらぎがあり、そこを午前の部の方々がアタックしていた。
それを見た瞬間、これから繰り広げられるであろう我々の“冒険!?”に胸が膨らんだ。
多分、私以外のメンバー全員も期待に胸を膨らませていたに違いない。
(だって、車内が騒然としたんだもん。)
で、取敢えず早めの昼食を摂り、昼食後に芝川でラフティング前の川遊びをする事になった。
幸いにも、ここまでの道中で小粋なカレー屋に目を付けていたお陰で食事にありつくのにさほど苦労しなかった。
このカレー屋(名前を忘れてしまったが)は450円と非常にリーズナブルな値段に対し、その味はなかなかのものであった。
また、カレー屋からも芝川を見下ろす事ができた。
眼下に広がる芝川では釣り人が鮎の友釣りをしていた。
その横を午前の部の方々が転覆しながらも果敢にアタックしている光景も見る事が出来た。
我々BB9一同(?、約1名を除いて)、この光景でさらに期待に胸を膨らませカレー屋をあとにした。
集合時間の午後1時まで多少時間があったため、河原で時間をつぶした。


定刻の15分前に“NATURAL ACTION”の車がやってきた。
その車を先頭に愛車エルグランドを含め約7台の編成でベースキャンプへと向かった。
ベースキャンプでは午前の部の人たちが全身ずぶぬれ状態で集合していた。
彼らはベースキャンプで着替えを済ませ、各々の車で列の成し温泉へ向かっていった。
次は我々の番である。
係員からの指示に素直に従い、水着に着替え、誓約書(要するに死んでも文句は言わないって事)にサインをし、ボートの漕ぎ方のレクチャーを受けた。
女性陣も男性陣に遅れる事数分で着替えを済まして出てきた。
そこには“短パン”&“ブルゾン(=合羽)”姿があった。
????そそるような水着姿は何処に行ったぁぁぁぁぁぁ!!と言うのが正直な所。残念。
全員の準備が整うとマイクロバスで芝川上流のスタートポイントへ向かった。
スタートポイントにつくと既に“NATURAL ACTION”のスタッフの方々がボートの準備を進めていた。
ラフティング用のボートは8人乗りだった。
第1回BB9青木湖編でS藤氏の持参した2人乗りのカヤックと比べるとかなり硬く、「安心」だった。
我がチームのインストラクターは“アガシ(だと記憶してる)”と言う外人さん(国籍不明)で、なかなか面白い人だった。
8人でボートを担ぎ河原まで運び進水式を行った後、ボートの漕ぎ方・転覆時の対処法などについて説明を受け、実際にボート漕ぎの練習をした。
右に行く時は右の列のメンバーが「後漕ぎ」、左の列のメンバーが「前漕ぎ」をする。
左に行く時は左の列のメンバーが「後漕ぎ」、右の列のメンバーが「前漕ぎ」をする。
浅瀬に乗り上げた時には船体を左右に傾け脱出する。
この左右に傾ける方法として、右の列の人が左に移動したり、左の列の人が右に移動したりする。
この様なボートの操縦方法を一通り練習した後、期待いっぱい不安ちょっとでラフティングはスタートした。


ボートはすぐに“多少”流れの早い所にさしかかった。左右には鮎釣り名人達が迷惑そうな顔をしながら我々が通り過ぎるのを待っている。
意外にもこの“多少”流れの早い所でさえ、ボートの揺れは想像を超えるものだった。
岸から見ていた時は“あんなの...”といった感じだったのだが、なかなかのスリルである。
流れが緩やかな所でボートを一旦止めるとアガシは我々に最初の感想を聞き様子を伺った。
T井さん以外は全員大喜び。当のT井さんは「恐かった」らしい。
これを聞いた“アガシ”の悪戯心に火が付き、T井さんを川の中に突き落とす事を目論んだ。
T井さんが前を向いている所、後ろからライフジャケットごしに引っ張った。が、T井さんはA木さんを犠牲にし助かった。
犠牲にされたA木さんは“何故”といった表情で水面に浮いていた。
A木さん救出後、何故か私も落とされた。水は透明度が高くて程々に冷たく、火照った体が冷やされて気持ち良かった。
前方に今回のコース最大の難関が早くも迫っていた。
難所は左右に分かれており、左よりも右のコースが難しい。
右コースは左にドッグレッグしており、その両端には大きな岩が張り出ている。
水がその張り出た岩にあたり、水飛沫を上げている。
右コースの全長は30mくらいあり、その間の落差は5mくらいあると思われる。
言わばちょっとした“滝”と言った感じであろうか。
(実際、全員素人でボートに乗っていると激流・滝といった感じがする。)
せっかくここまでラフティングをやりに来て安易な左コースを選ぶ事はない。
と言う事で、我々はこの右コースを突破する事を選んだ。
アガシの号令に従い、全員でオールを力いっぱい漕ぎ、“滝”に突入した。
激流は牙をむいて我々のボートに襲い掛かってきた。
アガシの声が更に大きくなり、それに合せて我々のオールを漕ぐ力も強くなった。つもりである。
ボートは我々の意図と反して流され、前方で高々と水飛沫を上げている岩に向かって一直線に進んでいった。
どかんと言う反動と共に激突。
幸いにも転覆はしなかったが、ボートは岩に張り付いてしまった。
アガシが体を揺らしボートに反動を加え、同時にアガシの号令と共にオールを漕ぎ脱出を図った。
無事脱出。
全員でオールを上に掲げ、雄たけび!!
ナイスなチームワークだった。


滝の先は両側に切り立った崖が続き、流れは緩やかだった。
その一角に高さ3mくらいの張り出した部分があり、みんなその崖を登っている。
要するに、そこから飛び込むのだ。
I上氏・N山田氏を先頭に順番に崖を攀じ登り(当然女性も)飛び込み場所に行った。
男は次々にダイブした。女性陣も戸惑いながらもダイブ。
T井さんも当然ダイブ。
泳げない彼女はライフジャケットの助けを借り(と言うよりも全面的な支援に支えられ)川の流れに身を任せていた。
韓国で“ジェントルメン”と言われている(?)I上氏がT井さんを引っ張りボートまでエスコートしていた。
(今思えば、これがXXXの始まりである。)
ここから300mくらいは流れも緩やかで水面からの景色を堪能しつつ、のんびりと川下りを楽しんだ。
途中、鮎釣り名人(?)達の迷惑そうな視線を感じつつ浅瀬を進むと、ボートが座礁してしまった。
ここで、出発前の練習の成果が発揮され、左の列の人の右移動・右の列の人の左移動でボートの姿勢をコントロールし脱出した。


浅瀬の先に流れの早い所があり、ここの水深が1mくらいから3mくらいに急変している。
一旦ボートを止め、全員この流れにダイブし、身を流れに任せた。
皆それぞれがラッコ状態で気持ちよさそうに流れた。
途中、I上氏持参の水中カメラで“水中記念撮影”を撮る事になったが、N山田氏・M岸さんは“going myway”だったので参加できず。
TK氏はかろうじで写真の端に入る事が出来たみたいだ。
かくいう私はちゃっかり写真の真ん中で楽しそうに笑顔を振り撒いている。
余りにも水の中が気持ちよく、ボートに戻るのを戸惑ってしまったが、今回の主目的はあくまでも“ラフティング”!!
と言う事で、全員ボートに帰艦。
先を進む事になった。


前方200mくらいに今回のコース最後の難関が見えてきた。
第1の難関の“滝”に比べるとどうって事ないと思えるほどに心に余裕が出てきた。
が、結構すごかった。
幸いにも左右の呼吸が合っており、ボートはまっすぐにこの難関をクリアできた。
後ろを見ると他のチームが無様な格好でこの難関に挑んでいった。
「俺たちの方が格好良かったよな!!」と自画自賛した。
(実際にはあんなもんなのかもしれないけど。)
この先に旅の終わりの記念として高さ7mの飛び込みが待っているらしかった。
近くで見るとすさまじい高さである。
高所恐怖症の私にはかなりつらい高さである。
が、総勢26名くらいのラフティングメンバーはみんなこの飛び込みにチャレンジするらしく、男として引くに引けない状態だった。
ポカーンとこの飛び込み台(と言うより岩)を見ていたら、アガシが最後の悪戯をした。
わざと転覆させたのである。
転覆自体は此処にいたるまでにも数度経験していたのでさほど慌てはしなかった。
が、しかし、水面を目指した私の頭上に邪魔なものが立ちはだかった。
最初何が立ちはだかったのか分からなかった。(転覆時にヘルメットがずれて前方が見えずらくなっていたせいもある。)
水中でこの邪魔なものと格闘し、その物がボートである事を認識した。
ボートならば、ひっくり返った時に通常足元になる所に空気が存在するはずである。
私はこの“足元”を探した。
が、ヘルメットが邪魔をして全然見えない。肺の中の酸素はどんどん減り、息が苦しくなってくる。
もがきながらもやっとの思いで“足元”見つけ池の鯉の様に口をぱくぱくしようと思った矢先、誰かがボートを揺らしたのか、私の口から入るはずだった空気の代わりに水が大量に入ってきた。
後はパニック。
誰かの足(かな?体の何処かの部位)を蹴飛ばし、水中でもがきながら空気を探した。
危うくドザエモンになる危機を回避し、念願の“足元”に浮上し空気を手に入れた。
すでにかなりの水を飲んでいた。
胃の中では“芝川の名水”はダボダボし、ありったけのゲップがでた。
水死する人の苦しさがほんの少し分かった気がする。
とにもかくにも“足元”から青空の下に脱出をし辺りを見回した。
一通りBB9メンバーは脱出していたようだ。
が、I上氏&T井さんは川の流れの反対側にまで流されていた。
A木さんはまだ“足元”にたたずんでいた。
いかにこの転覆が悲惨だったかを物語っていた。
I上氏&T井さんはカヌーで来ていた人たちに助けられ、ボートまでたどり着いた。


全員集合した所で、頭上に聳え立つ“飛び込み台”に登った。やっぱり高い!!
その高さにダイブする事を戸惑ってしまう。
I上氏の「ちゃんと写真の準備もしてますから。」との言葉を聞いて下を見ると、そこにはT井さんが水中カメラを持って構えている姿があった。
ありゃまっ。
私の目の前の女の子がダイブするのを見て、「あの子に飛べて俺に出来ない訳が無い」と言い聞かせ自分で「3・2・1」と掛け声を掛けた。
「GO!!」の合図でジャンプしたのだが、その瞬間やっぱり恐くて0.5秒くらい戸惑いが入った。
その戸惑いは空中の姿勢を崩し、体が45°傾いた状態で着水。
お尻と背中がとても痛かった。
オリンピックなんかの高飛び込みの競技でまっすぐに着水して水飛沫が殆ど出ないのとは大違い。
K氏・M岸さんも続いて飛び込んだ。
M岸さんはバンジージャンプの経験があるらしく躊躇無く飛んでいた。すごい!!
I上氏は1回転しダイブ、N山田氏に至っては頭からダイブ。
私が知る限りでは、ここで頭からダイブした人はいなかったと思う。少しは歳を考えた方が良いのではと思ってしまう。
最後はA木さん。
かなり戸惑いを見せ、3回目の「3・2・1・GO」の合図でダイブ。
「恐かった〜〜〜〜。」と言う感想を残した。


7mダイブ後、終点の岸に上陸しラフティングツアーは終了した。
“NATURAL ACTION”のマイクロバスでベースキャンプに戻る途中、集合場所だったコンビニに鈴木氏を発見した。
彼とは前日にTELでラフティング終了後に合流する約束をしていたのだ。
ベースキャンプ到着後、携帯電話で鈴木氏と連絡を取りベースキャンプまでの道順を説明した。
が、彼はまるっきり反対方向に行ってしまったようだ。
今回のラフティングの締めくくりに温泉があり、メンバーをエルグランドで送った後鈴木氏を拾いにコンビニに向かった。
携帯でのやり取りから、彼がやになって帰ろうと考えているのが容易に分かったからである。
コンビニで合流し、「やんなって帰ろうとしたろ」と聞いたところ、「何で?分かっちゃった?」とほざいていた。
(当たり前じゃ。お主の性格は100も承知!!)
鈴木氏と温泉に向かい、ラフティングでへとへとになった体を癒した。
ここの温泉には“お茶のボディーシャンプー”があり、お茶の香りが心地よかった。
温泉から出ると次は食事!!お腹がぺこぺこであった。
何が食べたいかリサーチしたところ、A木さんから「何でもいいから早く食べたい」とのもっともらしい答えが帰ってきた。
早々温泉を後にし、富士市内のファミリーレストランを目指した。
ここからは我がエルグランドと鈴木氏の真っ赤なロードスターの2台のタンデムである。
T井さんは鈴木氏の助手席を選び、オープンカーを満喫していたようだ。
後日鈴木氏から聞いたが、T井さん曰く、「これからの季節にオープンカーで走ると気持ち良いですよね。高原走ったら気持ち良いですよね。」
(どうせ僕の車はクローズドボディさっ。サンルーフもないよ。なんてね。)
富士市内最初のファミレス“夢庵”にて夕食をとった。
全員無心で食べていた。ラフティング&水泳はやっぱり腹が減る。


夕食後、本日最後のイベント“人穴ツアー”に向かった。
“人穴”とは富士宮にある白糸の滝の上の洞窟の事で、知る人ぞ知る肝試しゾーン(心霊スポット?)。
ここには神社があり、噂によるとその鳥居をくぐると必ず事故に遭うらしい。
以前来た時も我が知人はこの鳥居を避けて通っていた。
M岸さんとT井さんはここの雰囲気ですでにリタイヤ。車で残るという。
その他全員で、懐中電灯2個を頼りに神社の境内への階段を登った。
神社のお社が在るべきところになく、「改築中」の看板が立ててあった。
A木さん曰く、「これだけ?全然恐くないじゃん。」
が、しかし、人穴の本当の怖さはその横にある洞窟である。
経験者の私は2度と入りたくない。未経験者のA木さんと恐いもの知らずのI上氏の2人は行こうとする。
しかも、2個しかない懐中電灯両方を持って。(確かにこの2個は、この2人の持ち物には違いないが。)
結局洞窟の入り口まで行って撤収する事になった。


ここからまたメンバーチェンジ。
A木さんが鈴木氏のロードスターに乗り、エルグランドの2列め・3列めは寝室と化した。
(なんか、ずるーーーいって感じ。)
東名富士・沼津間を快調に走り、集合場所に到着。
それぞれの方面毎に分かれ、解散した。
22:30、帰宅。
今回のBB9も大成功だった。
次回は何をしよう?何時しよう?などと考えつつ就寝した。


後日談ではあるが、T井さん曰く、
「I上氏が居なかったら生きてなかったぁ!?I上氏はとってもいい人だぁ。今度からI上氏が行かなきゃ、私行かない。」
らしい。
ぐさっ。





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