事故隠し 上告棄却 京大病院医療過誤

 京都大病院(京都市左京区)で入院中、人工呼吸器に誤って消毒用エタノールを注入され中毒死した藤井沙織さん=当時(17)=の両親が「事故を隠していた」と、大学と医師2人に賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第二小法廷(津野修裁判長)は20日、上告を退ける決定をした。両親の請求を棄却した一、二審判決が確定した。

 一、二審とも過失を認め看護師ら4人と大学に計約2800万円の支払いを命じた。大学側は上告しなかったが、両親は「死亡診断書やカルテに誤注入が記載されず、事故を隠そうとした説明義務違反がある」との主張が認められず敗訴した部分のみ上告。この争点だけが審理対象となった。

 大阪高裁判決によると、藤井さんは1999年10月に入院。2000年2月末、人工呼吸器の加湿器に蒸留水と間違えてエタノールを注入され、3月初めに死亡した。




 
京大病院医療過誤訴訟
 京大の賠償確定 医師への請求は棄却
 2008.6.20 20:11 産経新聞

 京都大学医学部附属病院(京都市)で平成12年、人工呼吸器の加温加湿器に誤って消毒用のエタノールが注入され、入院中の藤井沙織さん=当時(17)=が死亡した事故で、両親が京大と医師に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(津野修裁判長)は20日、両親の上告を棄却する決定をした。京大に2800万円の支払いを命じた1、2審判決が確定した。

 この訴訟では、両親はエタノールを誤注入した看護師のほか、医師らと京大を提訴。1、2審は、看護師と京大に2800万円の支払いを命じ、医師への請求は棄却していた。看護師に対する賠償命令は確定している。

    http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080620/trl0806202011008-n1.htm

【京都新聞 2008年6月21日】
最高裁上告棄却記事
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