京大病院エタノール中毒死事件(2000.3.2)の解明に向けて
        「さおちゃんの死と真実を知ろう会」発足のお知らせ


             代表世話人  大坂紀子    2001年3月2日


 私は京大病院小児科における医療ミス事件の被害者、藤井沙織さん(さおちゃん)のボランティアとして、亡くなるまでの約6年間、その闘病生活を見守ってきました。そして、苦しみながらも最後まで生きようと頑張った末の死と、さおちゃんを失い、これ以上の悲しみはないはずと思った両親が、さらに苦しみを深くしていくのを目の当たりに見てきました。

 その重なる苦しみは何かというと、一つは共にさおちゃんを守り、最後まで最善を尽くしてもらったと感謝していた人達の中で起こった、とんでもない医療ミスによる死だったことです。

 二つ目は、結果的に健康な人の致死量を越えるエタノールを吸入させながら、ミスを発見してもその影響も調べずに死亡診断書を書き、事故を隠したまま帰されたことです。

 さらに三つ目は、昨年3月7日行なわれた京大病院の報道会見の中で、「すでに24日には重篤な状態で、ミスによる死とは考えられない。」という事実と異なる釈明をしたことです。(その日は最新型呼吸器から、少し性能の劣る旧型の呼吸器に換えています。状態が悪ければとても出来ないことです。)その他の内容も、さおちゃんの命と両親の悲しみを軽視しているとしか思えない内容で、それまでの信頼が大きかった分、それを裏切られた苦しみも大きかったのです。

 それから10ヶ月、両親は真実を明らかにすることを第一と考え、警察の事情聴取に耐えてきました。あの辛い事件の一瞬一瞬を何度も思い出し、確かめる作業に余力を注ぎ、二人が心身共に弱っていくのがわかりました。
 今年に入り、ようやく警察の捜査が終わり、1月16日地方検察庁に書類送検されました。しかし、この書類送検に対する京大病院の会見でも、前の釈明は訂正されることもなく、形ばかりの謝罪が繰り返されただけでした。

 両親は、このまま京大病院の一方的な釈明だけで、この事件の記憶がみんなから薄れていくのはたまらないと怒りを新たにし、自分達の気持ちを伝えていこうとしました。
 一部の新聞で取り上げられましたが、限られた紙面で全ては伝わりません。また、取材を受けた後は疲れてしまい体調を崩すのを見て、事件をよく知るボランティアが集まり、両親に代わり事件について伝えていこうと決意しました。

 この事件に関心のある方々を会員として募り、ニュースレターの形で、事件の経過とさおちゃん一家の歩み、そして間もなく下される地方検察庁の処分決定や、刑事・民事裁判の経過についてもお知らせしたいと思います。
 ニュースレターを希望される方や、この会の活動に参加・協力して下さる方は、下記までご連絡下さい。折り返し、会則・入会申込書等をお送りします。皆様のご参加をお待ちしています。



  名称:「さおちゃんの死と真実を知ろう会」(略称「さおちゃんの会」)
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