中小企業診断士(休止中)勉強日誌(2009年3月)

作成日: 2009-03-21
最終更新日:

腕時計の製品の質

長年使ってきた腕時計の引退

私が使っている腕時計は、セイコーの、デジタルとアナログの複合型である。 今はほとんど見ない型であるが、ある人生の節目となる機会に親戚からいただいた贈り物であり、 ずっと使ってきた (大事に使ってきた、と書けないところが残念だ)。

この時計は、デジタル部分の時刻表示が点滅することで、 電池の寿命が近づいたことを知らせてくれる。 つい最近、時刻が点滅したことに気付いたので、電池交換をすべく、最寄の駅の商店街にある K という店に持ち込んだ。 正確にいうと、この店はバラエティショップと称していて、 店にあるのは衣類を中心とする小物なのだが、なぜか腕時計の電池交換もしてくれる。

この店の電池交換は、主人が行っている。電池交換をお願いして数分、意外なことばが返ってきた。 「この時計は錆があって、電池を換えても機械系が壊れる可能性が高いですよ。 私がこの時計の持ち主だったら、電池交換はしません」 古い時計であることは承知していたが、まさかそこまでの寿命だったとは。 確かに外面はいろいろと傷があった。また、外蓋を開けてルーペで中を見せてもらうと、 錆や埃と思われる黒い斑点があちこちに見られた。

主人曰く、 電池を換えても動かなくなる可能性があるので、そうなるとこの店で換えたことに問題があると言われかねない。 あらかじめ注意をする必要がある、と考えたので、先のことを伝えたということだった。

最初は、たとえ中が壊れても電池が使えるまで使えればそれが時計の本望かとは思ったが、 もうこの時計を使い始めて28年も経つ。これだけ使われれば時計も本望だろう。 ここで休ませてもよいと判断し、主人の言にしたがって電池交換を中止することを伝えた。 余力を残しての引退であった。

計画的陳腐化という言葉を思い出す

いったんこの店を出たあと、近くの別の時計屋 M で買うことを考えた。 この M は宝石やメガネも扱っている典型的な店なのだが、なんとこの日限りで閉店となる。 閉店セールなので定価の 60 % から 80 % と安くなっている。私はここの店で買うことを考えた。 なんといっても安いことは魅力だったし、 中小企業診断士として商店街に不義理をしているのは申し訳ない気持ちにさいなまれたのだ。 しかし、つれあいが、「もとからあの店は入りづらい構えだったし、 閉店するのも相応の理由があるからでしょう。それより、アフターサービスのことを考えると、 あしたからなくなる店で買うというのはおかしい」と主張した。 自分の当初の意見とこの意見を考えた末、やはり、この時計屋 M で買うことは控えた。 そして、再度 K に入り、この店で打っている腕時計を調べた。 品揃えはそれほど多くない。紳士物だけでは10種類もないだろうか。

驚くべきことに、この K で売っている時計はすべて1万円以下だった。 店の主人曰く、「今は安いのでもデザインもいいですし、品質もそこそこいいですよ。 でも、やはり2万円以上のタイプと比べて、長持ちという意味ではどうしても劣るでしょう。 昔のセイコーやシチズンはいいものを作っていました。だから売れなくなって、今はこういった会社が大変です。 セイコーやシチズンも安いものを出していますが、ブランドを変えています。 まずは、いろいろな店でいろいろな腕時計を見てみるといいですよ」

この店の主人は商売をする気があるのかないのか、よくわからない。 高い商品を置けばいいのではないかと思ったが、ここはバラエティショップであるし、 クレジットカードも使えないようだ。それならそれで1万円以下の商品に限定したのも理由があるだろう。 少し腕時計のことを調べてみることにした。

質のいいものを作ると、却ってその会社の物が売れなくなって困ってしまうとは、 何というジレンマだろう。腕時計は一人で2つ以上もつことはめったにない(いや、あるのかもしれないが私はない)。 つまり、市場は飽和している。時計の会社も大変だろう。

とはいえ、私も2つ腕時計を持っていたことがある。親戚から時計を贈られた数年前、やはり人生の節目に、 父親からセイコーの腕時計をプレゼントされた。こちらはアナログオンリーである。 だから、親戚から贈られたときには、2つの腕時計を持っていたことになる。 この2つの時計をその日の気分で付け替えていたことがあり、 私の時計が違っているのに気付いた友達が、「まるちゃんは時計を着替えているんだね」 と気付かれたことがある。

では、父親から贈られた時計はどうしたか。自分でも気が付かないうちに、実家に置き忘れていたらしい。 そして、現在は父親が自分で使っている。未だ現役であり、今年で31年間、電池を換えながら動いているのだ。

この2つの腕時計のことを思うと、セイコーの時計が売れなくなったのもさもありなん、という気になる。 そして、中小企業診断士になるための勉強で覚えた「計画的陳腐化」という用語を思い出すのだった。 この用語は、デザインの面による意図的な陳腐化のほか、質の作りこみを意図的に制御することによって、 一定期間以上の長持ちさせる率を下げることも含んでいる。

どの店でどんな腕時計を買えばいいのか

家に帰って、セイコーの腕時計を調べてみた。いろいろなブランドを出していること、 高級なブランドもあるし、実用的なブランドもある。 あり過ぎて迷うぐらいだ。そこで、一つの条件を課した。 クロノグラフ、まり、ストップウォッチ機能があることだ。 こうしておけば、迷うことはない。文字盤が見にくいが、これも冒険だ。たまにはいいだろう。

どの店で買うことにしようか。少し離れた場所に、丸井草加店がある。今月買うと多少割引が効く。 これを使うことにしよう。

買う店がなくなっていた

前項では、丸井草加店で買うことに決めたのだが、結論をいうとここでは買えなかった。 というのは、丸井草加店に入っている時計屋 F が3月15日で閉店になっていたからだ。 前日に丸井草加店のホームページを調べたが、そんなことは書かれていなかった。 「掲載内容は改装などにより予告なく変更になる場合がございます」 とあるが、それは責任を回避したことにはならないぞ。もう金輪際、丸井では買うものか。

隣にはイトーヨーカドーのビルがあり、時計屋も店子として入っていることがわかった。 この時計屋も見学してみるが、ここでは買わないことに決めていた。 なぜなら、イトーヨーカドーはセブンアンドアイホールディングスの一企業であり、 セブンアンドアイホールディングスはセブンイレブンを統括しているが、 このセブンイレブンは店舗のフランチャイジーに対してあくどいことをしているからで、 あまりそんなことに加担したくなかったからである。

ということで、南越谷の駅ビルであるヴァリエにある The Clock House という店に行き、 クロノグラフのある腕時計を買った。ずしりと重い。(2009-03-22)


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MARUYAMA Satosi