中小企業診断士(休止中)勉強日誌(2009年2月)

作成日: 2009-03-21
最終更新日:

企業の信用調査とメンテナンス

ある企業が別の企業と取引する場合を考えよう。その企業がお客さん(得意先)で、 商品を買ってくれるならば、お金をくれるはずだ。 しかし、その得意先は実は詐欺をするかもしれず、金を払わないかもしれない。 だから企業は、得意先に対して信用調査を行う必要がある。 額の多寡によって、信用調査の有無や程度は異なるかもしれないが、原理は同じだ。

さて、信用調査のやり方はいろいろある。 得意先に対して直接調査票を送り回答を迫る方法や、 興信所を使って間接的に情報を入手する方法がある。 調査票を送る会社は、大規模で名の通ったところが普通である。 いわゆる力関係では強いから、会社の機密情報である信用情報も得られるというわけだ。

一方、得意先ではなく、仕入先の信用調査を行う場合もある。 この理由は、金を払ってくれるか、という意味ではない。 技術が高いか、製品の質は確かか、人員の質はどうかなどを見ようというものである。 もちろん、財務体質がよければそれなりに製品も安定しているだろう、と見るだろう。 この場合も、信用調査の方法はどちらもある。

さて、ある会社で総務の立場にいる人を私は知っている。 このような調査票を送られたことがあるというので聞いてみたことがある。 会社によって調査票はさまざまだが、いろいろ面白く、かつ理不尽なものらしい。 その一例を紹介しよう。

その人は情報サービス業の会社にいる。 あるとき、得意先のある情報サービス業から調査票が来て、回答を求められた。 調査票には、財務内容のほか、これこれの資格を持った情報処理技術者の人数などの記入欄がある。 情報処理技術者というのは、情報処理をつかさどる政府の外郭団体であるIPAが主催する試験に合格した人を指し、 試験は専門性や難易度に応じていくつかの区分に分かれている。 その区分を確認していたその人は驚いた。 なんと、10年前に打ち切られた区分の情報処理技術者の人数を書く欄があったのだ。 他にも、現在は存在していない情報処理技術者の区分がいくつもあった。 その得意先が調査票のメンテナンスを怠っていたことに腹が立った、とその人は語った。

このように形骸化している信用調査がないといいのだが。

まりんきょ学問所中小企業診断士(休止中)勉強の部屋日誌≫ 中小企業診断士(休止中)勉強日誌(2009年2月)


MARUYAMA Satosi