中小企業診断士(休止中)勉強日誌(2005年9月)

作成日: 2005-09-15
最終更新日:

米屋へ向かうコクゾウムシのクレーム

最近は近くの米屋で玄米を買っている。ある日、同居人が袋から玄米を掬っていると、 コクゾウムシが出てきた。気持ち悪がり、帰ってきた私に文句をまくし立てた。 私は「コクゾウムシは自然にいるものだし、害はないのだから問題ない」と冷静を装って答えた。 がしかし、同居人にとっては心情的には納得できないようだ。食べ物の中に虫がいることは、 汚らしく、不衛生で、許せないことなのだ。

しばらくして、同じ米屋に同居人が行き、コクゾウムシが入っていた、というクレームを告げた。 米屋の人は「若い人からはコクゾウムシについて気にされ、尋ねられるのですけれど、 農薬がそれほど使われていない証拠と思ってください」と答えたのだそうだ。 それからしばらくやり取りがあったが、米屋の回答では、コクゾウムシをゼロにすることはできないようである。

両者は、まだ完全には歩みよっていないように思える。米屋は、コクゾウムシがいて当然と思っているし、 同居人は、コクゾウムシはいないのが当たり前と考えている。このままでは、 同居人は該当の米屋から離れてしまうかもしれない。

米屋の側で、工夫する余地はあるだろう。現在米屋は、米1俵の袋の口を開封したままで店に置き、 客の要望に応じて玄米を所定のキロ数救い、好みの精米をする、という方法である (同居人と私は玄米を食べているので、精米はしない)。 この都度方式をやめて、あらかじめ5kgずつ、ビニール袋に分けたものを用意し、口を縛っておき、 これを売るという方法も考えられる。ビニール袋に分けるときにコクゾウムシが見つかれば、 それを退けておくことができる。あるスーパーは、この方式を採用している。 手間がかかること、小分けにしてもコクゾウムシを見逃すことが難点である。

もう一つは別の意味で困難な方法である。それは、コクゾウムシがいることが自然な状態であり、 コクゾウムシがいない状態が危険であることを買い物客に認知させることである。 残留農薬の種類と量を米ごとに計測し、表示することはもちろん、コクゾウムシの生態と農薬の関係、 農薬の人体に与える影響などを納得できるデータと論理をもって、顧客に訴えかける方法である。 正攻法ではあるが、とてつもなく長い道のりが必要である。たとえば、自然食品専用店であれば、 この方法が有効だろう。

このように、「消費者に100%の理があり、非はすべて生産者や流通業者にある」場合ではないとき、 どのように消費者を説得させるかは難しい。最近気になって調べた JIS Q 10002 にも、 どうすべきかは記述がなかった。客と店との地道な関係が、最終的には決め手になるのではないか、 という、有りがちな結論になってしまった。(2005-09-15)


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MARUYAMA Satosi