中小企業診断士(休止中)勉強日誌(2003年4月)

作成日: 2003-04-09
最終更新日:

妙なチラシ

最近ポストに投げ込まれる妙なチラシがある。主に学習塾を宣伝するチラシなのだが、 稚拙である。すべて手書きということだけでも驚くが、おまけに、字が下手、 文章はさらに下手、絵や地図はもっと下手、誤字は多い(「予約」を「了約」と書いてあったりする)。 これだけではなく、いろいろおかしなところがある。 大きな字でヒマラヤという題を囲みで強調しているのだが、 そのルビに小さくひまらやとルビがふってある。 小学校3年の児童の学級新聞かと思ってしまうほどだ。こんなチラシを見て、 この塾に入ろうかという児童や保護者がいたら凄い、と思うほどの脱力さだ。

しかし、他のきれいなだけで何も訴えない広告に比べたら、 少なくとも手に取らせて批判されるところにまでは成功している。 これは戦略的に考えた下手さなのだろうか。いいや、ただの下手な広告だと思いたい。 なお、この塾もホームページを作っているが、 ページを明かすと営業妨害になるかもしれないので、敢えて秘す。

IRR

経営についてのある勉強会で、IRR について質問してきた生徒がいた。 講師の方はうまく答えられないでいて、むしろ質問してきた生徒がきちんと説明していたほどだった。 さて、IRR とは何のことかというと、Internal Rate of Return の略であり、 内部収益率と訳される。ある投資案件があるときに、 正味現在価値(Net Present Value, NPV)がゼロとなるような割引率のことである。 この割引率が資本コストより大きい場合には投資を行ない、 資本コストより小さい場合には投資を行なわないという意思決定を行なう。このような説明である。

このあたりの門外漢である私は、数年先の回収額や資本コストなど、 そんな先のものは確定できるわけがないと思っている。しかし、それを言ったらおしまいである。 少し計算してみよう。 当年の投資額をC0(<0)、i年先の回収額をCi(>0)、求める割引率をrとする。 n 年先まで回収を続けるものとすれば、次の方程式を r について解けばよい。

C0 + C1/(1+r) + C2/(1+r)2 + ... + Cn/(1+r)n = 0

この方程式は一般的には解析的な解はない。従って、数値計算で求めることになる。 この場合はニュートン法が使える。つまり導関数を求めて逐次計算で求めることができる。 左辺をrの関数とみてf(r)と置くと、 rについての微分f'(r)は次のようになる。

f'(r)= -C1/(1+r)2 - 2C2/(1+r)3 - ... - nCn/(1+r)n+1

ニュートン法とは、第k回めの近似値 rkから、 第k+1回めの近似値 rk+1を次の式で求める方法である。

rk+1 = rk - f(rk )/f'(rk )

実際に解く時には初回の近似値をどのようにするかが考え所であるが、 この問題では、典型的な割引率として 0.1 を考えればよいらしい。そこで、 r0を0.1とする。 また、収束をどのタイミングで判定するかという問題も大きいが、 ここでは10回くり返せば終了という基準を用いる。

実際には表計算ソフト、例えば Excel などではその名もズバリ IRR という関数がある。 それを使えば一発でこの IRR が求められるが、 せっかくだからExcelを使わずに JavaScript を用いて解いてみよう。 実際のスクリプト実現にはもう少し時間を頂きたい。

ところで、中小企業診断士を取得して、この IRR を試してみようと思ったが、 投資した翌年の回収金額が未だにマイナスである。いつになったら回収できるのだろうか。

安全・品質・環境実務研究会

4月は行くのを忘れていた。おはずかしいことだ。

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MARUYAMA Satosi