中小企業診断士(休止中)勉強日誌(2001年7月)

作成日: 2001-07-08
最終更新日:

昇進と降格

昼休み図書室にいると、以前仕事をしていた同僚がやってきた。図書室にある情報処理技術者試験申し込みの 案内用紙を私は手に持って、「今度受けようかと思うんだけれど、勉強が大変だからなあ」と弱気なことを言った。 すると同僚は「私は秋は受けません。勉強ばかりで大変だったから」というのだった。 私は「これから、情報処理技術者も更新試験があるっていううわさだからなあ」というと、 同僚はこんなふうにいうのだった。「もし会社の職階と資格が連動していたとすると、 資格をとれば昇進するでしょう。しかし、更新審査に失敗したら降格したりして、ははは。 そうすると会社の上が誰もいなくなる、ははは」

埼玉県の北に幸手(さって)という市がある。ここは、国・地方自治体の組織のなかで初めて自発的降格制度を 作ったところと聞いている。自発的降格を受けたい気持ちはよくわかる。

自発的降格とはちょっと違うが、日本将棋連盟にはフリークラスという制度がある。説明しよう。 連盟に所属するプロ棋士は、 基本的には順位戦という5つのリーグ戦のどれかに属する。給与は年功序列+このリーグのクラスによって決まる。 勝てば上位のリーグに行けるが、負ければ下位のリーグに行かなくてはならない。 この厳しさに何らかの事情で耐えられない棋士は、自発的にフリークラスという地位を選ぶことができる。 これにより、順位戦を指す義務はなくなる。ただし、引退まで最長 15 年という足枷もはめられる。 また、順位戦を戦わないため、対局料が少なくなる。順位戦への復帰は許されない。 なお、自発的でないフリークラスもあることを付記する。この場合はだいぶ規則が異なるが、省略する。

むかしこんな話を新聞記事で見たことがある(俺のページのどこかに書いた話のような気がするが、忘れてしまった)。 新聞記者が、ある著名な生物学の助教授を尋ねに空港に迎えに行く。うわさでは、その助教授はたいそうな業績を 挙げているのに頭はアフロで着るものもケバいということだった。実際に飛行機から降りてきた助教授は、 聞きしにまさる妙ちくりんな格好をしていた。 しかし、このような格好を当人がとるにはわけがあると記者は言う。 まじめな格好のままでいると業績良好のために教授にされてしまう。 すると雑用が増えて研究どころではなくなる。最初からこいつ変わったやつと思わせておけば昇進することもなく 好きな研究に打ち込める、そんなことだった。

よりありがちなのは、派閥や主流から離れてしまったために、昇進が遅れる例だろう。 私は鈍感だから実例をあまり知らないが、筒井康隆の「文学部只野教授」には似た例の助教授が出てくる。

でここで何がいいたいのかというと、昇進とはどういうことなのだろうか、ということである。 ちなみに私の勤務している会社では、ある職位から先は、定期昇給はなくなってしまった。昇進しなければ、 給料が上がらないのである(厳密には職位とは別にリーダー格であれば手当がつくが、いわゆる定期昇給ではない)。 すると、昇進することは給与が上がることである、といえる。でだからどうなのかというと、 金がないのはつらいが、なければないでなんとかなる。欲のない生活には困ったものだ。

話題はがらりと変わる。私の Web 上の部屋は、実際の部屋と同じでかなり散らかっている。その散らかっている おもちゃの一つに興味を持った方から電子メールが来た。この方もなんと中小企業診断士の試験を受けるようだ。 当人は勉強不足だ、来年だ、とおっしゃっているが、私の部屋の毒気に当てられたからには大丈夫であろう。

しかし、2年前の暑いさなかに立正大学まで試験を受けに行ったことは、ほとんど忘れていた。 いけないなあ。

生ゴミ処理機の修理

生ゴミ処理機が修理から帰ってきた。 実は、生ゴミ処理機の調子が悪くて(処理完了まで時間がかかりすぎる)、 販売元の H 社につれあいが電話して引き取ってもらったのだ。 時間がかかる原因は、ゴミが蓋の網カバーに沢山つまっていたためで、 修理によってゴミが多少入りにくくなったようだ。もちろん、今までたまっていたゴミもきれいに除去されていた。

つれあいの話では、H 社の対応はよかったという。 つれあいが疑問に思っているのは処理機そのものの構造にある。 このカバーがあるところにはゴミがたまりやすくなっている。 取扱い説明書にあるようなゴミを棒でかき出す方式では構造上かき出せないところがあるのだ。 どうしてもとなると、電気掃除機を持ってきて吸い取るしかないようなところだ。 これでは普段の手入れもいやになるだろう。 結局買わなかった M 社製の処理機には、最初から蓋の網カバーがなかった。だから今回の問題は起きない。 家電製品だけではないが、メンテナンスの問題はいつも付きまとう。そこを購入時に評価するのは 難しい。 あとは、H 社がこのような修理実績から設計にフィードバックする口は設けているのだろうか、 ということが心配だ。保守に苦労するのは私達だけでたくさんである。

さて、数日前に越谷市から「生ゴミ処理機を使った実績を報告しなさい」という催促が来ていた。 こういったことを正直に報告すべきなんだろうな。

意見の表明

診断士のみなさんの Web ページを見ていると、「ザ・ゴール」という本が話題になっているようだ。 ところが、みなさんは「読んだ」ということしか書いていない。 すなわち、読んだその先、たとえばこの本に何が書いてあるかの紹介や、 この本を読んだ感想、共感、反感、そんなことが全く書かれていない。 だから、私はこう思う。診断士のみなさんは、読んだことだけ自慢しているような方々なのだろうか、 あるいは読んだことで共同体意識を高めあうだけの方々なのだろうか。

さて、「ザ・ゴール」を読んだことしか書いていない方が、そのくせ、次のようなおかしなことも言い出すのだ。 少し前、その方が、共著の形で本を出版した。 出版本に関する書評が雑誌に掲載された。その書評は本の紹介しか載せられておらず、 その本の意義や評者の価値判断は全く載っていなかった。 そこで、著者は怒って言った。「この本に関してどう判断したのかが載せられていない」

ところで、私は「ザ・ゴール」を読もうとはさらさら思わない。なぜか。 好意的な書評がないからか?いや、たぶん先の皆様が書けば好意的なものになるだろうことは承知しているからだ。 ではなぜ読まない?著者、訳者、版元を儲けさせるのがいやだからだ。 ばかなこといって、と思うだろう。その通り、ばかである。 それよりは、人工知能における「ザ・ゴール」の著者が提案した「制約の理論」そのものを 「ザ・ゴール」という本抜きで勉強したい。

まりんきょの部屋中小企業診断士の部屋日誌


MARUYAMA Satosi