上下水道:RMC 東京ニュースを読む(2010年 6 月号)

作成日: 2010-01-04
最終更新日:

水道方式

水道方式、と聞いて数学者の遠山啓(とおやま ひらく)の名前を思い出す人はもう少なくなっただろう。 下水道方式を生み出したのは官僚である遠山啓(とおやま さとる)であるが、 氏の名前を知っている人はさらに少ないだろう。 以前、水道屋の道を進んだ I 君は元気だろうか、これは私事である。

浄水

ある記事で、ベトナムのホテルにおける浄水(上水)と下水について紹介されていた。

浄水でいくと、著者は「需要側での浄水装置の設置のビジネスチャンスがある」という。 これと似た考え方がある。<飲める水である上水を、 トイレの水流しや洗車や草木の水遣りに使うのはもったいない。 飲むのは問題だがこれらの用途に扱う程度の「中水」を用意してはどうか。> 事実、公団ではトイレを流す水は専用の水であるらしい。

なお、浄水と上水は異なる概念である。上水は「飲める水」、浄水は「清らかな水」であり、 上水の反対は下水、浄水の反対は汚水である。あえて今回混交して使ったのは、 浄水の中にも上水のレベルまで行くのか、それとももう少しレベルを落として良いのかの違いである。

著者はいう。「ホテルの宿泊客は洗顔や歯磨きにも現状の給水品質では不安である」 ではどの程度の品質ならよいのだろう。日本以外のホテルでは、水道の水は飲めない。 これは常識だし、著者もこの記事で書いている。このような品質で、 洗顔や歯磨きは問題ないのだろうか。まあ、問題ないのだろうが、 それには私も含めて日本人の過度な清潔志向を抑えるようにしないといけないだろう。

日本の新幹線の洗面口には「飲用には使用しないで下さい」とある。おそらく、 諸外国のホテル程度の浄水ということだろう。

下水

著者の記事を見て驚いた。 トイレ使用後のトイレットペーパーの処理が問題である。 体内物と共に流し去るシステムにはなっていない。 体内物は水洗トイレで流せるが、紙は流せないという。 汚物をぬぐった紙は別のカゴに入れておかないといけない。 私が思うに生理用品と同じ扱いだろう。

著者の提案は、トイレットペーパーを流すようにする、という発想とは反対にある。 その代わり、シャワー便座を取り付けるというものだ。 シャワー便座の温風乾燥機能つきのものにすれば、紙そのものがいらないという。 なるほど。 そういえばラブレーも「かみなどできたなきしりをふくやつはいつもふぐりにかすのこすなり」 と言っているしなあ。 (2011-01-04)


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MARUYAMA Satosi