安全と衛生:RMC 東京ニュースを読む(2010 年 1 月)

作成日: 2010-10-14
最終更新日:

安全と衛生の価値

はじめに

マズローの理論以降、 安全や衛生の欲求に関しては他の欲求より低く見られがちである。 しかし、他の高次の欲求は安全や衛生の欲求が実現してこそ初めて価値があるわけだ。 たまたま労働安全衛生総合研究所の見学記があったので、これに関連する話題をしたい。

新人の配属

ある会社の工場に、環境衛生安全室という部門があった。 ここには他部から配置転換されたベテランの職員しかいなかったが、ある年、新人が配属されてきた。 衛生工学を学んだ大学卒で、なんと新規で配属されたのは数十年ぶりだという。 ベテラン職員は大喜びだったという。

新人君はおとなしめで、もくもくと安全衛生についての仕事をしていたようだ。 あるときは工場の騒音対策のための計測をしていた、と聞いたことがある。 しかし、新人君は数年して会社を辞め、地元で公務員となったという。 新人には物足りない職場だったのだろうか。

慌て者と安全対策

別の工場の話である。ある部門に慌て者がいた。 その部門の建物のドアは透明なガラス張りで手動であけるのだが、 慌て者はガラスが透明で意識に入らなかったためか 外から入るときにそのままガラスに激突した。 当然ガラスが割れ、その慌て者はガラスの破片で顔を切る怪我をした。 その光景をたまたま見ていた他の部門の偉い人が手当てし、その場は納まった。

慌て者がいた部門の偉い人が、早速手当てをした別の偉い人に詫びを入れた。 手当てをした人はつぶやいた。 いや、わたしのところでも大きな事故が立て続けに起こって、 多少は費用がかかるけれど、労働災害が起こるよりはいいから設備投資をしないといけないな。

ちなみに、この事故を起こしたドアは新しくなったのだが、 透明なガラス張りには変わりなかった。ただし、 シールがあちこちに張られ、ここにガラスがある、ということははっきりした。 ( 2010-11-15 )

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MARUYAMA Satosi