社長の行先:RMC 東京ニュースを読む(2009年6月)

作成日: 2009-12-06
最終更新日:

社長は現場に行くな

ある製造業の見学会報告記を見て、驚いた。 その会社の社長は、以前「社長は現場に行くな」 と中小企業診断士からアドバイスを受けたというのだ。 社長は、そのときから現場の指揮を工場長に任せ、外に出るようにしている。 現在社長は公的組織の要職にあり、そのおかげで新規顧客の探索や資金の調達に役立っているという。

実は、上記アドバイスは報告記の最後の段落に記載されている。 その前の段落には、QCDが合わない仕事は断る、という方針を貫いていることも記されている。 なお、蛇足だが、Qは品質 Quality 、Cはコスト Cost、Dは納期 Delivery を表す。 上記方針のため得意先は1社のみになることが多く、その結果得意先から取引終了になる危険性があるのだが、 それは承知の上である、とのことである。

私は記事を読みながら考えた。その危険性をどこで補うのか。その答が私が引用したアドバイスである。 外に出ることで新規顧客の探索や資金の調達に役立つ、というのが回答となっている。これで納得した。 アドバイスをした中小企業診断士がそこまで読んでいたのであれば、たいしたものだ。

私がこの会社に対して抱く懸念は、現場の指揮は工場長に任せる、ということから来ている。 それは、本来社長が行なうべき統制が、 工場に対しては効かないでいるのではないか、 それがために不利益やコンプライアンス上の不備が発生するのではないか、という懸念である。 社長が説明した中には、コンプライアンスが大事と報告記で記載されている。 だから問題はないとは思うが、注意喚起のため取り上げた次第だ。

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MARUYAMA Satosi