RMC 東京ニュースを読む(2002年11月)

作成日: 2002-11-03
最終更新日:

具体的表現と抽象的な表現

著者が前回までの意見と合わせて、抽象的な表現が必要な理由について書かれている。 「抽象的な表現が存在するのは、その存在理由があるからだ」という論旨は面白いと思った。

著者は、抽象的な表現が使われるにふさわしい場面を説明している。 「簡潔に云う場合に必要な抽象的表現」があったり、 「物事を一般化するとき抽象化が必要」だったり、 「差し障りを避けるときも抽象化が必要」と述べている。確かに、これらの場合は必要である。

さて、私にはいまだに忘れられない挿話がある。数学者の吉田耕作さんが、 ある数学者の発表に対して次のように言ったという。

「あなたの話は具体的なのでわかりにくい。もっと抽象的に話してください」

数学者だからか、それから吉田さんの思考法が独特だからかはわからないが、 抽象的=わかりにくい、という図式はかならずしもあてはまらないだろう。

話を戻す。 著者は、抽象化するということ自身がわかりやすくする手段とは全くいっていない。 そこに私はまだ考えるべき余地があるのではないかと思う。 たとえば、「簡潔に云う場合に必要な抽象的表現」の例で、「価格(下方)硬直性」や、 「自主マーチャンダイジング」という用語を使った表現が出ている。しかし、 これらのことばを知らなければ、やはりわからない。 簡潔さを重視するときは、対象者を想定する必要があろう。

話の一般化、それから、差し障りを避けるときの抽象化の必要性については、 なるほど、これはおっしゃる通りだろう。

なぜこんなにいろいろ書いたか。「具体的であればわかりやすい」という一般的な考えが正しいのか、 ということに未だに悩んでいるからだ。もっといえば、「なぜ分かるのか」ということが分からないからだ。

セキュリティの重要性

表題に関して、「ログインパスワード」に関するさまざまな認識を挙げて、 セキュリティの重要性を促している。 書かれていることをそのまま引用すると著作権を侵すことになるかもしれないので、 少し表現を変えて引用する。

最後に、著者自身が「紺屋の白袴」にならないためにも基本リテラシーは理解したいものだ、 と結んでいる。紺屋の白袴といわれて、わたしは恥ずかしかった。 早速、某システムでずっと更新していなかったパスワードを3年振りに更新した。ふう。

まりんきょ学問所中小企業診断士(休止中)勉強の部屋日誌


MARUYAMA Satosi