RMC 東京ニュースを読む(2002年4月)

作成日: 2003-03-16
最終更新日:

以心伝心の文化

以心伝心の文化に関する講演を聞いてきた著者は、「眼が洗われる内容であり、心の財産が増えた思いがする。」 とまとめ、周りにも強調していきたいとしている。

以心伝心の文化は難しい。甲と乙がいて、この二人に以心伝心の文化が成り立つためには、 甲も乙も同じ文化を知っていなければならない。この同じ文化を伝えるのが、日本の教育であったろう。

著者が心配しているのは、はっきりものを言う個人主義の欧米社会の習慣が、 日本のよき以心伝心の習慣を影の薄いものにしてしまうことである。

そのあとで、「日本は沈没する」「経済は破たんする」ということばに対する危機感が薄いことを懸念している。

ここまで読んで、井上ひさしさんの一文を思い出した。いわく、日本人は謙譲の美徳を維持している。 すなわち、謙譲の美徳は日本の美徳である。 また、自分や自分を含む事物を悪く言い、卑下するのは日本人の美徳にかなった行為である。 ゆえに、日本を悪くいう者は愛国者である。

私は以心伝心が通じない愚か者である。だから、この一文が著者の眼に触れた日には、 「以心伝心が通じない非国民」と罵られることであろう。

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MARUYAMA Satosi