企業診断ニュースを読む(2005年9月)

作成日: 2005-09-10
最終更新日:

監視システムの利用方法を考える

「監視システムの原状と課題」という連載の解説である。 技術的には画像のデジタル化と圧縮が重要であること、 セキュリティの問題を解決しなければならないことがある。 また、ハードウェアの観点には光学系と映像系の観点があること、 そして市場アプローチのの観点にはインフラ確保からのアプローチやサービス向上からのアプローチがあることが記されている。

監視システムは、私たちの生活に着実に根付いている。正確に言えば、 監視をする主体が、人間から機械に変わってきた。 昔は、地域社会の中で、誰が何をしたかが、必ず誰かに見られていたものだ。 今は、地域社会の人々の代わりに、機械とコンピュータが見張りをしている世の中になった。

私たちはどのようにして監視システムと付き合うべきなのだろうか。 この報告で例示されていた保育園を考えてみよう。 ある保育園では、保育時の園児の様子を画像として保護者にインターネットで配信しているという。 私には、園児の様子を保育者がなぜ見なければいけないのか、わからない。保育園は、 子供を預かるのが仕事である。保護者は離れていて、仕事をすればよいだけだ。 保育園が信じられないというのだろうか。 過剰なサービスという気がする。

他の監視システムはどうか。タクシー前面につける監視カメラシステムがある。ドライブレコーダーと呼ばれるこの装置は、 タクシー運転手の監視装置ではない。タクシー事故あるいは事故相当の危険時に作動する事故監視装置である。 このシステムは、事故発生時の原因の調査に使う。車両のフロントガラスに小型のカメラを設置し、 衝突時などに発生する急激な加速度を感知し、その前12秒と後の6秒の映像を保存する。 事故時にはこの保存映像を解析する。事故の原因調査の円滑化はもちろん、交通教育にも使える。 このような監視システムなら、ご利益はあるだろう。

情報システムの会社の監視カメラはどうか。「このカメラに見られているか、犯罪はできない」 という抑止効果はあるだろう。しかし、カメラにいつも見られていると思うと気分が重い。 導入の目的としてはタクシーの監視カメラシステムと同等だと思うのだが、なぜだろう。(2005-09-10)


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MARUYAMA Satosi