企業診断ニュースを読む(2005年5月)

作成日: 2005-05-02
最終更新日:

中小企業を元気にする人材マネジメント

人材確保、成果主義、退職金制度、キャリア形成、生涯現役、ニートなどについての論考が5編収められている。 その中から適当に話題を拾ってみる。

労働契約についての論考では、 「(成果を高めるには)今後の労働契約は、有期契約が日本でも一般化することが望ましい」 と述べられている。今も定年制という意味では有期であるが、定年より前に期限を切るということは、 なかなか切羽詰まった話である。会社はゴーイングコンサーンということばもあって、 無限に続くことを理想とすることができる。一方で、人間は有期であることを避けることはできない。 これが会社と人間との関係を難しくしている。 なお、私は音楽会ばかり行っているので、ゴーイング(トゥ・ザ)コンサートである。

さらに考えていくと、経営側からみれば「仕事が従業員に従属しているのはおかしい。 作業を標準化して、属人性を排するようにしないといけない」と考える。 一方で、従業員からすれば、「この仕事なら誰にも負けないといえるほどの仕事と実務能力をもち、 絶えず自分を高めなければならない」と考える。最近のことばでいえば、 エンプロイアビリティー(雇われる能力)を高めるということである。 この両者にアドバイスする立場だったらどうだろうか。 「この矛はどんな盾でも突き通す。この盾はどんな矛でも守り通す」と説明している中国の商人を思い出してしまう。 私の回答はまだない。おそらく、職場内教育というところに接点がありそうだが、 どう説明するかはこれから考えるべきことである。

以下はある師と交わした会話である

私「いやあ、私も八百屋でじゃがいもを詰めたりさくらんぼを選んだりして働いてきましたよ」
師「それは青果」
私「そのとき明かりがほしかったんで、ギリシャから運んで来たんですよ」
師「それは聖火」
私「運んでくたくたになったんで、せんべいとあられを食べてがんばったんですよ」
師「それは米菓」
私「おまけに汗だくだくになったんで、アイスクリームやシャーベットも食べました」
師「それは冷菓」
私「くたくたになっても、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んできました」
師「それは陛下」
私「だから、じゃがいもやさくらんぼの値引き交渉にも頑として応じませんでした」
師「それは定価」

こんなことばかりやっていては、私にとっての成果主義は遠いものだろう。

生涯現役とニートに関する論考は、専門家ではない私が軽々しく扱うわけにはいかない(他の話題もそうである)。 しかし、考えることは意味があるだろう。 私の知り合いで、定年を過ぎても働いている人がいる。会社から頼まれて、ずっと同じ会社にいる人がいる。 定年を迎えて、知り合いの伝で別の会社に就職したら、元の会社から頼まれて「やはり居てくれ」といわれた人がいる。 こういった方々は、現場でモノつくりをしていたり、機械の監視や修理をしたりする人たちであり、 明確な自身の技能を持つ現場の作業者である。事務職はどうか。定年後も勤めている人はめったにいない。 例外は、特殊技能や資格があり、それなしでは会社の業務が立ち行かない場合である。 あと、コンサルタントなどで自身が開業していれば、定年は関係ない。そのほかの人はどうか。 最近注目されているのが、コミュニティビジネスである。 このことばは何度か出ているが、もう少し調べてみよう。

翻って、私の場合はどうか。いわゆるモノつくりの職場ではない。また、特殊技能はない。 そして、今の職場では、特殊技能のありなしにかかわらず、 定年後も同じ会社で働いている人はいない。 では、コミュニティビジネスだろうか。胸に手を当てて考えると、私はあまり人とのつきあいをしてこなかった。 それでは、コミュニティビジネスに携わることができるだろうか。無理はしないつもりだ。 徐々に、できるところから、やっていくつもりだ。


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MARUYAMA Satosi