企業診断ニュースを読む(2004年 2月)

作成日: 2004-02-03
最終更新日:

産業廃棄物事業等の許可申請に係わる経営診断書作成の手引きとポイント

現地ヒアリングの項目で次のように書かれている。 社長に対するヒアリングで「経営方針、経営理念についてお聞かせ下さい」と切り出すと「そんな難しいことわからん」 と返ってくる。この場合は「会社が利益を出すにはどうしたらよいか考えていますか」と質問するのがよい。

経営者によっては経営方針、経営理念ということばが、コンサルタントの専門用語に聞こえるのだ。心せねば。 そういえば私だって、診断士の勉強を始める前までは、経営方針や経営理念なんて絵空事だと思っていたのだ。

特集 環境経営の最新動向

  1. 環境問題とは
  2. ISO14001 審査登録制度の光と影
  3. 新自己宣言モデルの登場
  4. 自己宣言と中小企業
  5. 自己宣言の目指すもの(まとめ)

どの稿も、共感する個所もあれば、疑問点が残る個所もある。折りに触れて考えるしかないのであろう。 これから書くことは細かいことである。

まず最初の「環境問題とは」では、環境問題の特徴が要領よく述べられている。 一つ気になったのは、環境問題の原因の一つに核家族化があるというのだった。 なぜかを考えてみると、第一には、個々の世帯が多くなればそれだけ電気・ガス・水の消費が増え、 さらにゴミも多くなるからだ。例えば、6人家族1世帯と3人家族2世帯の消費量やゴミ量を比べれば、 同じ6人でも2世帯のほうが1世帯より総和が多くなる。1世帯で賄うことで節約できるものが、 2世帯では節約できない。 第二には、上記と関係するのだが、上の世代で培われた節約や節制に関する知恵や躾が、 大家族では下の世代には受け継がれたが、核家族では受け継がれないということがある。 第三には、これはつれあいが考えたのだが、核家族化により商品の売買単位が小さくなり、 それにつれて包装単位が増え、商品構成のムダも出てくる、ということが考えられる。 これらを考えあわせると、「規模の経済」ということばの裏返しだろうかと思うのだった。

「ISO14001 審査登録制度の光と影」では、環境マネジメントシステムISO14001の功罪について考察している。 環境問題の解決は、 一般管理部門の「紙・ごみ・電気」の削減よりもむしろ本業たる製品の環境問題に対してなされなければならず、 そのためには現状のISO14001は、必要ではあっても十分ではない、という主張である。 この主張は部分的には理解できる。留保をつけたのはいくつか理由があるが、ここでは述べない。 一つ明らかにしたいのは、ISO14001の「登録件数は鈍化の傾向にある」という主張の正しさである。 本文の図表2-1に「ISO14001の登録件数の推移」というグラフがある。 この図をそのままここで転載することはできないが、日本規格協会のページの下記のアドレスに、 件数推移グラフ(pdf)と記されたリンクがあり、図表2-1とほぼ同一であるので、こちらを参照されたい。

http://www.jsa.or.jp/iso/iso14000_05.asp

このグラフを見る限り、登録件数は順調に伸びている。 「登録件数は鈍化の傾向にある」ようには見えない。なぜなら、これは総登録件数であり、 月間あるいは年間の登録件数のグラフではないからだ。そこで、横軸に時間を、 縦軸に月間登録件数を当てたグラフを作ってみた。横軸のグリッドは、それぞれの年の1月である。

こちらのグラフが掲載されているグラフより主張を伝えている。すなわち、 2001年をピークとして、登録件数は鈍化の傾向にあるといえる。 グラフの書き方一つで、主張の説得力に差が出てくる。 なお、上のグラフで、月間推移を見てみると、他の月より飛び抜けて多い月が周期的に出ているのがわかる。 これは12月と3月で、年末や年度末の駆け込み審査、登録が多いことを表している。

まりんきょ学問所中小企業診断士(休止中)勉強の部屋日誌≫ 企業診断ニュースを読む(2004年 2月)


MARUYAMA Satosi