企業と社会:企業診断を読む(2011年 7 月号)

作成日:2014-07-19
最終更新日:

CSR 論の進化

私が中小企業診断士だったころは診断協会の研究会に属していた。そのときの研究会は、正式名称とは別に、 CSR 研究会と勝手に略していた。さて、CSR から進化するとはどういうことなのだろう。

この松野弘氏の論考では、CSR、すなわち企業の社会的責任の進化した形が「企業と社会」論であるという。 キャロルらの著書によるとして、次の図を提示している。

図表3 企業市民活動コンセプトの進化
(COROPRAET CITIZENSHIP CONCEPTS)

第1段階:企業の社会的責任(corporate social responsibility)―義務・説明責任の重視

第2段階:企業の社会的即応性(corporate social responsiveness)―行動・活動の重視

第3段階:企業の社会業績(corporate social performance)―成果・結果の重視

COROPRAET は誤植で、正しくは CORPORATE である。 すべてが大文字だから気が付かなかったのだろう。

進化とはいうけれど

確かに、企業の社会的責任、ということだけから考えると、責任を果たすと表明するだけでは弱い。 責任を果たすということは、その責任がどのようなものであるかを関係者に説明するとともに、 その責任を果たすための方策を実行しなければならない。とはいえ、それは非常に難しい。

ワークライフバランスということば一つとってみても、そもそもワークとライフの両立などあり得ないのではないかと思えてくるからだ。 俺は常々「仕事には二種類しかない、嫌な仕事か、嫌で嫌で仕方がない仕事のどちらかだ」と公言している。 どのように「企業と社会」論は進歩していくのだろうか、知りたいと思う。

まりんきょ学問所中小企業診断士(休止中)勉強の部屋日誌≫ 企業と社会:企業診断を読む(2011 年 7 月号)


MARUYAMA Satosi