企業診断を読む(2009年6月号)

作成日:2009-05-31
最終更新日:

中小企業の経営分析

【ソフトウェア業C社の分析】を見た。 p.58 に次の文がある。(前略)、(中略)は引用上の私の都合の省略である。

(前略)C社の下請企業にも(中略)経営状態が悪化した会社が複数発生している。 その中には、(中略)検収後当月末払いを実施している取引先も存在している。

私は、最初のこの文の意味がわからなかった。ところが、p.59 で、 似たことを説明してあった。

(前略)経営状態の悪化した下請会社を支援するために、 検収後当月末払いを行っているためである。

なるほど。わからなかった理由は、第1の文の「取引先」とは実は下請企業のことであるとわからなかったからである。 考えてみれば、通常の支払条件は常識的に早くても「検収は月末締め、翌月末払い」だから、 それよりは早いという異例の支払までして、下請企業を維持しなければならない、という苦労がわかる。 ただ、それを書くのなら、締めの条件を入れる必要があるだろう。 同じ月で、ある月の1日に検収をしても、31日に検収をしても、その月に支払う、というのは不合理だからだ。

もう一つ、C社自身とその顧客が、いわゆる下請法で規定された下請事業者と親事業者の関係に該当するならば、 その下請法が適用される。C社は資本金5千万円というから、顧客である親事業者の資本金が3億1円以上であれば、 下請法が適用される。適用されれば、たとえばC社が物品納入すれば、それから60日以内に顧客は支払わなければならない。 これは法律のもとで保護される、というわけだ。 こういったことは記事には書かれていないので、自分で考えないといけない。 (2009-05-31)

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MARUYAMA Satosi