企業診断を読む(2005年11月号)

作成日:2005-11-27
最終更新日:

二次試験について

2005年中小企業診断士第2次試験の事例IIについて、 2種類の解説があった。

事例IIは美容院業界の問題である。総評を執筆した方(K氏)は次のように述べている。 「業界情報、診断経験のない男性受験者にとっては,きわめて不利な出題である。 業界情報に関して大きな不平等性,不公平性がある出題である.」 一方で,個別解説を執筆した方々(S氏とM氏)は,出題の意図や形式について, こう論評している. 「理美容業(事例では美容院)という(中略) 特殊な業界ではなく,どの受験生にもなじみのある事例企業であり,診断士としてのセンスやスキル, そして知識を確認する問題であり,望ましい方向といえよう.」 両者の態度は正反対に思える.

K氏が先の不平等性を指摘した根拠として,氏自身の経験がある. 氏は,経営診断やコンクール審査でたびたび美容院を訪れているが,違和感があり女性心理に基づいた的確な診断ができないと反省している. そのような,自らに対する厳しい態度が,不平等性を指摘する理由となったのであろう.

私には,そのような態度も理解できる.的確な診断をしなければいけないという厳しい使命が必要であり,多いに見習うべきである. しかし,ことは試験である.解答に必要な事項はかなりのところ問題文に記述されている. 性差による心理の違いは無視できるといってよいのではないか.

なお,同居人(女性)による次のことばがあったことを付け加えておく. 「どんな業界でも,必要なら診断できるのが診断士じゃないの」

事例IIIの解説では,概要を整理しておきたい業種一覧がある. この際だから,誤植を直した形で掲げてみよう.

中分類 小分類
食品製造業 缶詰製造,清涼飲料製造,味噌・醤油製造,酒類製造,菓子・パン製造,製粉・麺製造
繊維工業 撚糸・紡績,織物製造,タオル・メリヤス製造,被服(婦人・子供・紳士)製造,縫製,ニット,染色業
木製品製造業 製材業,合板製造,木製家具製造
紙・加工品製造業 紙器・ダンボール製造,紙製衛生材料製造,紙製品

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MARUYAMA Satosi