企業診断を読む(2005年8月号)

市民起業家という生き方

リハビリ介護靴で有名な、 有限会社フェアベリッシュの代表取締役である伊藤氏へのインタビューである。 「最初はビジネスにしようと思っていたわけじゃなくて」と述べているが、 その後の商品開発の熱意が、インタビュー記事から激しく伝わってくる。

実際に介護靴を形にした月星化成もあっぱれというべきである。 「工場の生産ラインではうまくできず、経費はかかっても靴職人による手作りで進めることになった。 試作品は９回にわたって作り直された」とインタビューアは記している。

一方で、気になることもある。月星化成で商品化されるまでは、他の靴メーカーに伊藤氏はかけあったが、 すべて断られたという。その数は100社以上。断ったメーカーは、せっかくチャンスを失ったことになる。 商売の種を形にする目利きが求められる。

それにしても100社以上のメーカーに断られても、その理由のすべてをアドバイスと思ってクリアしている、 伊藤氏はすばらしい。

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