企業診断を読む(2005年4月号)

作成日:2005-04-14
最終更新日:

少子高齢化を考える

最近、大きな事件はたくさんある。その中で、静かに進行しているのが日本の少子高齢化である。 少子高齢化の意見をいろいろと聞いてみると、少子高齢化の是非にかかわらず、ある共通点に思い当たった。 それは今回は伏せておく。

さて、今月号では、少子高齢化に関していくつか記事がある。 一つは、診断士第1次試験対応の問題集の[組織論]の例題および解説である。 なぜ、組織論が少子高齢化と関係あるのかわからないが、それは私の理解が足りないからということにしておく。 解説では次のように締めくくっている。要旨を損なわない範囲で改変している。

パラサイトは,自分の生活水準を落とさないために, 一人暮らしを始めたり,結婚に踏み切ったりすることなく,親と同居し続ける. その結果,社会全体の経済パフォーマンスが落ち,少子高齢化の原因となり,結果的には, 将来の自分の生活を貧しくすると考えられる.

ここで言っている経済パフォーマンスとは何か、私にはわからない。 他の頁を見ると、経済パフォーマンス(国内総生産(GDP)等))とあるから、そう理解しておく。 ということは、こういうことだろうか。 親と同居し続けるなら、建屋を共同で使うから、不動産売買は成り立たず、 一人暮らしのようにインフラ機器を個別に買うこともない。そのため、市中のものの流れは悪くなる。 これなら、経済パフォーマンスは落ちるだろう。

ではなぜ、これが少子高齢化の原因となるのだろう。経済パフォーマンスが落ちるのが少子高齢化の原因ではない。 パラサイトしていると結婚に踏み出さないから、少子高齢化の原因となる、というわけですね。

ではなぜ、少子高齢化が将来の自分の生活を貧しくするのか。その論理を解きほぐさないといけない。 少子高齢化ならば、購買意欲のある層が減り、物が売れなくなる、だから貧しくなる、そういうことだろうか。

ただ、少子高齢化と人口の減少は、厳密にはイコールでない。今の日本では、もうすぐ人口が減少するから、 イコールで考えてもよいかもしれないが、高齢化するだけなら、高齢者用の商品を売ればいいのではないか。 手間はかかるだろう。たとえば、食堂での食事などは少なめに作らないとならない。 カロリーや塩分などの加減も含め、手間はかかるだろうが、大量生産の時代は終わっている。 考える余地はあるだろう。

もう一つ、人口減少社会の経営を考える、という記事がある。 著者は人口減少を消費者の減少として捉えていて、供給の制約に比べて、事態が遥かに深刻な問題とみなしている。 そして、ゼロ成長では、確率的に約半分の企業・個人はマイナス成長に直面しているとしている。 私がのんきに「高齢者用の商品を売ればよい」と考えている時代ではないようだ。

それにしては、子供の教育費用が大きく伸びているのではないか。 全体の需要の緊縮を補うほどではないということなのだろうが、こちらもよくわからない。

結局、よくわからないままで終わってしまった。(2005-04-25)


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MARUYAMA Satosi