企業診断を読む(2004年7月号)

作成日:2004-06-27
最終更新日:

直前対策問題集・前編

ここを見て初めて、今年度は試験委員の氏名が公表されたことを知った。 正直なところ、試験委員がわかったからといって特段の対策をすることはない、 なぜなら出題範囲から出ることには変わりはないから、と思ってしまう。 しかし、これは甘い考えなのかもしれない。 試験では少しでも点数を多く取らなければならないから、 出題委員の専攻と学説を知っておくのは確実な対策であろう。

さて、こんな設問があった。○か×で答えよ。

1. OR(オペレーションズ・リサーチ)は、技術のための技術である。

私はこれを見て×だと思った。なぜなら、私は上記1の文を次のように解釈したからだ。 「1'. OR とは、技術が目的に転化したものであり、ためにする技術である」 この解釈はOR の有用性を否定している。ORの有用性を否定することは明らかに不適切である。

驚いたことに、解答は○であった。 解説曰く、「1". ORは、技術をうまく活用するための技術ということである」 なんだ、私は意味を取り違えていたのだ。解説の意味ならば、 ORは諸技術を生かす総合技術である、と書けばいいのに、と不満を抱いた。

なお、原問題は、ORの定義として最も不適当なものを一つ選べ、とあり、4つの選択肢がある。 そのうちの1つが上記の定義だった。最も不適当とされた定義は次の2. である。

2. 自然科学と工学に的を絞った実践的科学である。

2. と対比すれば、1.は曖昧性はあるにせよ、1' ではなく、1" に解釈しなければならない。 なぜなら、ORは、 自然科学と工学に的を絞ったものではなく、 あらゆる科学に通用する見方を提供しているからである。従って、誤りは2.である。

受験生の皆さんには、私のような早とちりをしないよう、心掛けてもらいたい。

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MARUYAMA Satosi