著者は、標題に関してアンケートを企業に送付し、得た回答から論考を導き出している。 その過程で生じた疑問は次の通りである。
アンケートの有効回答数は 181、回収率 19.0 % とあるが、 だいたいどのような企業を対象として行ったのか不明である。中小企業のみか、 大企業も交えているのか、それがわからなければ統計としての意味をなさない。 言い方を変えれば、どのような標本抽出をしたのかがわからない。 標本調査法では、母集団をどのように仮定するのか、抽出法にどのように配慮するのかが 基本である。 このような統計のイロハが守られていない。 無作為抽出なのか、層別抽出なのかもわからない。 だから、残りの結論が浮ついたものになる公算が極めて高い。