企業診断を読む(1999 年 10 月号)

作成日:2002-12-17
最終更新日:

キャリア形成と人格的知性の重要性

伊藤洋子氏が、心の能力を養い、高めていくことについて述べている。 著者は体験から女性の能力に絞っているが、男性にも参考になる要素が含まれているはずとしている。 そこで、男性の立場から感想を述べてもいいだろう。

まずほとんどの視点は、男性でもあてはまると思う。 女性固有の視点を探したが、私の見た範囲内では見つからなかった。 あえていえば、「人が相手を第一印象で判断する要素」の項で、 最も大きな割合を占める「目で受ける印象」をよくするために、 必要なのが身だしなみであるとしている個所である。 化粧、アクセサリーが取り上げられているのは、女性ならではのことだろう。 とはいえ、最近は男性も化粧はするし、装身具も身につけるからさらに男女の差は近づくだろう。

さて、最後には、自分の対人関係の技術を判断するチェックリストが提示されている。 なるほど、それらしい能力が 20 ほどあがっている。その中で、 「自分の話題が中心にならず、先に相手の話題や考えに関心を持つことができる」 という項目がある。 実は、この項目に反して自分の話題ばかりをしゃべってしまったために失敗したことがある。 それがきっかけで、なるべく話し相手のことを聞くように心掛けている。 しかし、しばらくして、私の友人がこんなことをいった。 「嫌なやつがいて、私のことを根掘り葉掘り聞いてくる。答えなければならずつらかった。 日と行き着いて、じゃあ、あなたのことをいろいろ聞いていい?と尋ねたら、 自分のことは何も言わず、だんまりを決め込んでしまった。嫌になった。」 これをまともに受けていては、貝になるしかないではないか。

なお、私の知人には自分のことしか話さない奴がいる。そいつ自身の話は面白いが、 進んで聞きたいとは思わない。その意味でも、先のチェックリストの項目は私には大事に思える。

そう考えると、この記事で紹介されているような対策だけで生き残るのは難しいように思える。 といっていては、診断士としては失格なのだろうか。

翌月
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MARUYAMA Satosi