最近会った循環器内科医はアンジオテンシン阻害剤をめぐるスキャンダルを知りませんでした。
アンジオテンシン阻害剤は数種類あり、ディオバンのシェアは決して大きくないようで、 例の論文に、処方が左右されるようなこともないような雰囲気でした。
アンジオテンシン、と今は言うらしいですが、私が腎臓内科も守備範囲としていた勤務医時代は、確かアンギオテンシンと言ってました。 アンギオ(血管)を緊張させる(テンション)させる因子(イン)。
確かに、giはギではなく、ジかもしれません。
ならば、血管造影検査もアンギオ検査ではなく、アンジオ検査って言えよ、という感じです。
まあ、スマートフォンを略したら、スマホになる国ですから、 カタカナ表記なんて、どうでもいいのかもしれませんが。
ついでに、ねつ造問題についての私の意見。 ディオバンのシェアに影響が少ないから許される、ということはないと思います。 発掘!あるある大事典が「納豆ダイエット」ねつ造で放送打ち切りになったように、 ねつ造に加担した人は退場すべきでしょう。
データをいじった人物だけでなく、筆頭著者も責任を取るべきでしょうし、 そして、売り上げのためにはそういう不正行為もやむなしとするプレッシャーがメーカー内にあったとすれば、企業にも責任がありますし、 さらには、薬の効果判定のデータ解析はメーカーに丸投げしておけ、という雰囲気が大学にあったとすれば、大学にも責任はあります。
PROBE法(prospective, randomized, open-labeled, blinded-end point trial)とは、 どっちを飲んでいるかは患者も主治医も知っているが、統計をまとめる研究者(エンドポイント委員会)は知らない(blind)という意味だと思うんですが、 エンドポイント委員会は本当にblindだったのか、明らかにしてほしいと思います。
2013年6月3日の院長ブログ原稿