臓器移植法改正案A案とD案の違い
臓器移植法改正案A案が衆議院で可決されました。
脳死を人の死と位置付け、移植の年齢制限を撤廃する案がA案。
D案は臓器提供を前提にしたときのみ 脳死を人の死とする案。
麻生首相・鳩山由紀夫代表・安倍元首相はD案を支持し、A案に反対。
森喜朗元首相、小泉純一郎元首相、福田康夫前首相はA案に賛成。
先週土曜日は、腎移植の話を聞きました。
実際に移植に携わっている医者からすればD案は非常に困るのだそうです。
脳死状態の子供がいる。
親が臓器提供に同意する。
そうすると、臓器提供を前提に臓器移植法に基づき、医者が死亡宣告をする。
親が同意書にサインした時刻が子供の死亡時刻になります。
その親は、自分が子供の死亡時刻を決めたことを一生負担に感じるに違いありません。
脳死を人の死と位置付けることに反対するなら、A案に反対するだけでなく、D案にも反対すべきです。
脳死を人の死とする判断を自分はしたくない、でも反対もしたくないので、
親とその担当医にその判断を押し付けようという政治家は好きになれません。
久々の飲酒ブログでした。
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