ニキビ漢方勉強会@キャメロットジャパン
一昨日はキャメロットジャパンでニキビ漢方勉強会。ニキビに効く、6処方の勉強でした。
清上防風湯・排膿散及湯・荊芥連翹湯と、
桂枝茯苓丸、加味逍遥散、当帰芍薬散。
桂枝茯苓丸、加味逍遥散、当帰芍薬散は月経周期でニキビが悪化する女性に使う処方です。
私は
男性の慢性骨盤痛でよく処方している薬です。
そんなに多くありませんが、私もニキビの女性に処方したこともあります。
ただし、
ニキビは原因がはっきりしていて、それに効く
西洋薬もあります。
漢方薬は原因不明の不定愁訴に使う薬というレッテルを貼っている私は、皮膚疾患にあまり漢方薬は処方したことはありません。
でも、ニキビの人に、延々と抗生物質内服薬を出し続けるわけには行かないので、
ある段階で、清上防風湯・排膿散及湯・荊芥連翹湯に替えられないか、処方してみようと思いました。
講師の先生は、漢方を生薬の組み合わせとして説明してくださって、分りやすかったです。
陰陽虚実や気血水や腹証は苦手です。やはり構成生薬ごとの薬理作用の説明の方が分りやすいです。
9月のオーストラリアの学会では、桂枝茯苓丸を英語で説明しなければなりません。
一昨日の講義を参考に、国際超音波医学会では5つの生薬の作用機序を説明するスライドも作ることにしました。
もう一つ勉強になったのは、日本オリジナルの処方があること。
排膿散及湯は日本人の発明だそうです。
中国には排膿散という処方と排膿湯という処方があるのだそうですが、
使い分けが難しいので、排膿散および排膿湯という意味で排膿散"及"湯を日本人が作ったのだそうです(覚えやすい名前、サンキュー!)。
加味逍遥散というのも、逍遥散に二味(2つの生薬)を日本人が加えた処方だそうです。
だからツムラの漢方薬は中国オリジナルでないものもあるようです。
オーストラリアの学会に演題を申し込む際、ツムラの学術の人に、漢方薬は
Chinese Herbal Medicine、かと尋ねたら
Kampo medicines、だとの答え。
なるほど中国のものとは限らないから、漢方を海外で発表するときはKampo Medicinesに統一することに決めたんですね。
でも、Kampo Medicinesではやはり通じないでしょうから、
Keishibukuryogan ; Japanese herbal medicine TJ-25
と表記する事にしました。桂枝茯苓丸はツムラ25番なので。
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