泌尿器科医・木村明の日記


PSA検診で死亡率低下:初のランダム化比較試験の結果


エビデンスレベルが最も高いとされるランダム化比較試験

2007年の班研究の段階ではPSA検診で死亡率が低下するというランダム化比較試験はありませんでした。

Screening and Prostate-Cancer Mortality in a Randomized European Study

という論文が、権威あるThe New England Journal of Medicineの3月26日号に出ました。

PSA検診で死亡率が20%減少することが示されました(危険率4%)。

ただし、一人の前立腺癌死を減らすためには1410人にPSA検診を行い、48人余計に前立腺癌患者を治療しなければならない、という計算結果も同時に書かれています。

この統計結果をPSA検査を受ける患者さんにどう説明するか、

とにかく、自分が失業するのを防ぐために、自分に都合よく加工してはいけません。
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