重宝しているパンフレット
東大泌尿器科医局員の中では、どちらかと言うと愛想がなくきっと開業医には向いていないだろう、と思われていた私ですが、
開業しても多分患者さんが来てくださるだろう、と自信を持たせてくださったのは、山田記念病院に来てくださった前立腺炎の患者さん。
私の前立腺炎のページがヒットしやすくなるのに従い、遠方からの患者さんが増えてきました。
遠方からの患者さんは、悪化したときとりあえず、近医で抗生物質をもらい、仕事が休みの土曜日にいらっしゃることがあります。
「忙しくてここに来れなかったので、近くの医者にかかって取りあえず抗生剤をもらいました。でも信頼しているのは先生なので、今日来ました。」
という患者さんがいらっしゃいましたが、それは違うと思います。
信頼とは、頼る事。その患者さんが頼る事ができるのは、すぐにかかることができる近くの医者です。
抗生剤を飲んでいる最中に当院に来られてもStameyが提唱した前立腺液の検査ができません。
私は前立腺炎に関しては特別な治療はしておらず、ただ、
Stameyが提唱した前立腺液の検査をちゃんと守って診療しているだけです。
でも、
こういうことや
こういうことが起こっているのがこの病気での現状。
患者さんが近くの泌尿器科医に私のホームページを印刷して持っていっても、前立腺液の検査はやってもらえません。
ホームページなんて誰でも開設できますから、そのページを印刷したものを診察室で見せられても、医者は見向きもしません。
私が最近、遠方からの患者さんにお渡ししているのが、日本の尿路感染症の第1人者が監修した前立腺炎のパンフレット。
これなら、患者さんの地元の泌尿器科医も無視しないはずです。
「これを主治医に見せて、あなたの前立腺液の検査の結果をまず聞いてみてください。」とお話しています。
ただ、このパンフレットを作っているのは、ガチフロを売っていた製薬会社。
ガチフロはクラビットより前立腺移行がよいとされて、前立腺炎に使われていた薬でした。
ガチフロが販売中止となり、このパンフレットも作られなくなるのではないか、とちょっと心配しています。
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