モネも好きな画家の一人である。モネといえば睡蓮で有名である。その睡蓮を観にオランジュリー美術館にも足を運んだ。円筒形の壁面全体に描かれた睡蓮は万華鏡のような雰囲気さえ感じさせてくれる。ただ、気になる絵はそれだけではない。

　モネほど、光を愛し、光に憧れた画家はいない。例えば、「日傘をさす女」では、白いドレスを身にまとい、パラソルをさして丘の上に爽やかに立つ女性を描いた作品において、画面の隅々にいたるまで、明るい光が溢れている。衣装の白は空の雲と同じであり、スカーフの色は空の青と同じ色である。このように、バックとモチーフを同系列の色で描くことは、かなり危険な離れ業といわれている。モネは、あえてそれをやっているところが凄いのである。

（参考文献：高階秀爾、名画を見る眼、岩波新書）

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