ポプラ新書発売のおしらせ

自爆営業

その恐るべき実態と対策

樫田秀樹

「自爆」で死にたくなんかない!
    各業界に広がる「自腹でノルマ」の恐るべき実態とその対策!

 

昨年11月、菅官房長官の異例のコメントで大きな話題となった「自爆営業」。郵便局員の年賀はがきノルマ達成のための金券ショップへの持ち込みがきっかけに。1万枚もの年賀はがきを持ち込むケースも。そうなると、7万円近く自腹を切ることになります。
 しかも、この悪弊はさまざまな業種に蔓延しており私たちを追い詰めています。その恐るべき実態とどう対処すればいいかを初めて一冊にまとめます。著者は5年前から「自爆営業」の取材を続けています。郵便局内での「反省文」「お立ち台」…その恐るべきリアルな実態には誰もが戦慄するはずです。
 本書では、どうやって「自爆」を拒否すればいいか、具体的な対策も提案します。

さまざまな業界に蔓延する「自爆営業」

コンビニエンスストア(アルバイト)

一個3000円のクリスマスケーキのノルマが各人17個。
お歳暮も同様のノルマ。達成できないと自腹を切らされる。

アパレル

毎月、自腹で自社製品を「試販」として交わされる。
新店舗の売り上げをアップさせるためと全社員から現金2万円を徴収されたこともある。

紳士服量販店

自宅には、自社のスーツがあふれ、ある店長は数百万円自腹を切ったという。

外食チェーン

消費期限切れの食品を自腹で買い取らされる。
高いステーキ肉なのに捨てたことがある。 

●まえがきより

自爆営業が行われている会社は、赤字の穴を社員の懐で埋めようとする。これがまかり通るのは、一つには理不尽な社是に従う労働者がいるから。一つには、パワハラや懐柔などでもって、社員を自分の意に従う奴隷のごとくの存在に仕立て上げる経営者がいるから。この二つは、コインの表と裏だ。 私が自爆営業を取材して痛感したのは、自爆営業は、経営難への方策などではなく、絶対に間違っているということだ。自爆営業には、業種にもよるが、パワハラや長時間サービス残業、容認できない低賃金などの問題がつきまとう。その結果、いったいどれだけ多くの人が、心と尊厳を傷つけられ、体が悲鳴を上げ、精神を病み、休職に追い込まれたことだろうか。自分や家族が生きるためと思って受忍した自爆営業が、結局は、自身の心、肉体、精神や生活を破壊させる。しなければよかったと後悔したときには遅い。

●著者プロフィール

樫田秀樹(かしだ・ひでき)
 1959年、北海道生まれ。岩手大学卒業後、NGOのスタッフとしてソマリアの難民キャンプで2年間活動したあと、マレーシア・ボルネオ島の熱帯林の先住民族と関わったことを機に、マスコミが扱わない環境問題や社会問題などの取材活動に入る。「9つの森の教え」(ペンネーム;峠隆一)、「新しい貯金で幸せになる方法」、「世界から貧しさをなくす30の方法」、「なくそう! 官製ワーキングプア」などの著書がある。ハンセン病を描いたルポ「雲外蒼天」で第一回週刊金曜日ルポルタージュ大賞報告文学賞を受賞。

●仕様ほか

新書判、240ページ(予定)、定価780円(税別)、2014年5月10日発売、ポプラ社刊

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