Re-born・3(脱皮)

 長いドック入りの後、ほぼ1ヶ月ぶりに隼は車検&整備から帰ってきた。
 本当は、その週末に名古屋のQ氏のところに行き、下道で還ってくるツーリングを企画していたのだが、どうにも天気予報が悪かったので中止してしまった。なんかそしたら悔しくて、次の週末発作的にオールペン(all paint。板金屋さんはマルペンって云うようだ。なんかかっちょいい…)に向けて動き出してしまった。本当はまだ塗装するかどうか迷ってたのに…

 まずテールカウルを剥ぎにかかる。初めてなので少し戸惑ったが、そう難しくはない。ただ、バイクの塗装をお願いする時は、塗って貰うパーツを単体にして持ち込む必要がある。カウルを外すだけではなく、付属するゴム部品、ネジ、プラスティック・ファスナーなど、ペイントの邪魔になるものを取り除かなくてはならない。これらの小パーツは細かく仕切られた箱に仕分けし、また組むときに分かりやすいようにメモをつけておいた。(これが結構たいへん! 右のケースで4つにもなった)

 次にタンクを外そうとしてトラブル発生。ヒンジのところでタンクを固定している4本のボルトを外すべきところを、ヒンジをバラしてしまったのだ。この復旧に難儀し、となり街に住むハヤブサ乗りにレスキューを要請した。
 出前のラーメン屋よりよっぽど早く駆けつけてくれたJさんの助けを借り、まずヒンジ部を元に戻す。間の悪いことに給油したばっかりで、タンクの中は20リットル近いガソリン満載。重くって持っているだけでも大変だ。二人がかりで、なんとか接続されたチューブと固定を外し、タンクを取ることができた。

 さて、単純な構造のタンクならコックをひねるだけでガソリンを抜くことができるのだが、隼のタンクは燃料ポンプが内蔵されている。このため、ポンプが回らないとガソリンを抜くことができない。こりゃこまったぞ? 振ったり、傾けたりすると、小さなノズル(ドレン?)からちょびちょびとガソリンが漏れてくるのだが、こんなんで20リットル抜いていたら1週間掛かってしまう。試行錯誤の上、耐油ホースがあったので、画像のようにしてサイフォンの原理でガソリンを抜く方法でうまくいった。抜いたガソリンは、車に入れてしまった。(レギュラー車にハイオクまぜちゃった。平気だったけど。)

 次いでサイドカウル、アッパーカウル(メーター周りのフタ的なカウル)と順調に進んだが、フロントフェンダーの取り外しがブレーキ・ラインのステーが邪魔 でうまく取れない。いささかハイになっていた我々はあっさりステー切断をチョイス。ディスク・グラインダーを取り出し、ステーをちょん切ってしまった。(電動工具大好き(^^))
 止まらない勢いでフロントカウルにとりかかる。多少キズを付けても良いとはいえ(どうせ塗装してもらうから)、電装品たっぷりのフロントカウルはやはり怖い。Jさんに支えて貰いながら、ミラー・ステーを外し、いくつかのプラスティック・ファスナーを外すと、カウルはあっさりと外れた。あとはライト類、ウィンカー、ETCなどを順に取り外していく。外した灯火類は、適当にハンドル周りにガムテープでくくりつけておいた。(ちゃんと外しておけば良かったのだが、この横着によりHIDのバーナーの断線というトラブルを招く。これは結局バーナー基部を削り、ハンダ付けすることで回復したが、ひと苦労だった)

 全ての部品をとっぱらったら、タンク、カウルおよびグラブバーを車に積んで友人のペイント・マイスターの下へ搬入。色についてはあらかじめ相談してあったので、カラー・サンプルを見せて貰って直ちに了承した。わずか2cm四方のカラー・サンプルは、とても色鮮やかで、これがハヤブサ全部に塗られたらどんなになるんだろう、ってすごくドキドキしてきた。


何日かして見に行ってみたら、下地(サーフェイサ)が塗られていた。
モノクロ画像ではない。なんとも味気ない…


ペイントマイスターから送られてきた途中経過画像。
勤務中にこんなん送ってきやがって、仕事にならないじゃないかっ!(笑


10日の後。
我がペイントマイスターから連絡が入った。仕事が終わった、と…。