Re-born:1(キズブサ)











隼と走るようになって、もう4年になる。
幸いにも事故にあうこともなく、
多くのブサ乗り、バイク乗りと知り合い、
そりゃもう、いろんなとこに出かけたし、
サーキットも走ったし、
時にはちょっとした冒険をしたり、
隼とは、本当に楽しい、素敵な日々を過ごしてきた。

でも原付から「いきなり隼」の例外野郎だから、
納車初日のタチゴケに始まり、
これまで何度も転倒し、
隼にはずいぶん痛い思いをさせてきた。
トップページに晒しているタチゴケカウンターは、
2007年3月までに8回を数えている。

こうした転倒によるキズに加え、
4年間という月日、
あるいは約5万キロ走行した爪痕というべきか、
すっかりツヤの失せたクリア塗装、
高速で走行するために跳ね石や昆虫で形成されたキズ、
長時間のHID使用により変質し曇ってしまったヘッドライト、
ヘタというレベルを超えた素人タッチアップの痕跡、
防犯チェーンにより塗装の剥がれたホイール、などなど

そう、
僕の隼は傷だらけだったのだ。


去年最後のナイトライフの時、
みんなの、ぴかぴかのハヤブサの中に混じったウチの子は、
悲しいぐらいに褪せて見えて。

決して嫌いになったわけではないのだけれど、
僕の中で、以前のような
ハヤブサに乗っているということの
ドキドキ感というか、トキメキというかが、
無くなっていることに気づいたのだ。

ハヤブサの一番の魅力は、
時速300キロ出せること?
いや、そうじゃない。
4年前、僕の心を一瞬にしてとらえたのは、
機能美に満ちたグラマラスなスタイルだったのだ。

そう、敢えて断言しよう。
美しくなければ、
格好良くなければ、
ハヤブサじゃないのだ。



車検を数ヶ月先に控え、
僕は、ハヤブサのリニューアル・プランについて
秘かに考えを巡らせ始めていた…。