Go West!−2(西南西に進路を取れ!)

 3:30起床.一瞬でぱっちり目が覚めた.準備はできてるから身支度だけ整えてさっさと出発.途中のコンビニでおにぎりとカフェラテの簡単な朝食を摂ると,東京ICまで出た.見送りに行くかも…といってくれた人もいたので,一応ぐるりと見渡すも,他にバイクの気配はない.当たり前だ,4時だものな…

 よし,ではスタートしよう.ストップウォッチを作動させ,「行くぞっ〜!」っと気合いを入れ,発進.まだ体が寝てるウチは無理はしない.長丁場だから,できるだけ疲れないようにリラックスした姿勢で行こう.
 東京インターで係員から高速券を受け取る.(…ここはいつになったら自動化されるんだろう?) さてここいらから少しペースを速めて1.8SGで巡航.5分も走ったところだろうか,大事なことを忘れてた.今回の旅では,行く先々から携帯でblogに経過報告を入れていこうと思っていたのに,肝心の出発宣言がまだだったのだ.んじゃ海老バー(海老名サービスエリア(SA))に寄って一報入れて行くとしようかね.

 海老名まであと数キロというところで,ネイキッドのバイクに追走されていることに気づいた.1.8SGで追走される,ということはあまりあることではない.ひょっとして?と思って車線変更すると,ついてくる.おやまぁ.

 エビバーで止めると,そのネイキッドは僕のすぐ前で止まった.あぁやっぱりこのXJRは某ブログで見た覚えがある.むぎおやじさんだ! いや,まさかこの時間に本当に見送りに来てくれるとは思わなかった….感激〜!!


(サングラスは後付け.ホントはもっと人相の良い方です)

 インターネットの掲示板(とブログ)で書き込みを読んだだけの,一面識もない2人が出会えてしまうのも,バイク乗りだからだろう.(他ではちょっと考えられない) 簡単に自己紹介すると,僕らは再び走り出した.そう,一緒にしゃべってるより,一緒に走ってるほうが楽しいに決まっている.大井松田までの3車線から,御殿場へ至るワインディングを存分に回して走る.「先が長いから待たずにどんどん行っちゃって下さい」と言われていたのだけど,待つまでもなく,ずっと追走されている.(あっちはリミッターついてるはずなのだが) いやぁでも嬉しいっ! 楽しいっ!!

 むぎおやじさんは今日は裾野ICまでということだったので,その手前の駒門PAでお別れ.クルマ増えてくるから気をつけろよ〜!とのアドバイスを頂いた.むぎおやじさん,朝も早うからホントにありがとうございましたっ.
 さてむぎおやじさんが岡山まで行ったときの経験によれば,敵は「退屈」とのことだったが,さすがにまだ退屈しない.それどころか久々の高速クルーズに胸が高鳴っていた.トップスピードを2.0SGくらいに抑えて巡航.海沿いの道をひた走る.ガソリンが湯水のように,消えていく….あれ,なんで? おかしい.予定ではリッター20kmは走る計算なのに,なんで200kmあまりでガソリンが1/3もないんだ? トリップボタンを押して燃費を確認すると(ハヤブサは燃費計が装備されている),なんとリッター13km.これじゃ,満タン(20リッター)でも250kmしか走らないじゃないか.う〜こりゃ困ったぞ.6速4000回転キープ(時速120km巡航)の時にリッター20km走るのに,6000回転だと,ここまで燃費が悪化するとは思わなかった.これじゃ養老までノンストップなんてとんでもない,牧ノ原で一度給油することにした.元気だったから休憩は取らず給油して貰いながら計算.リッター20と,13では燃費が1.5倍違う.つまり燃料費が1.5倍かかるってこと.予定では燃料往復140リッターのはずだったが,片道100リッターは行きそうだ.やれやれ,これは給油計画も相当気を使いそうだぞ….

 当初の計画からやや遅れたため,養老SAには,待ち合わせの7時にやや遅れて7:08に到着.目立つところに青ブサが止まっていたので,そのバイクだと確信し,隣に紺ブサを止めた.霧湖さん,はじめまして,よろしくお願いします(^^)


ブラザー・キリコと04限定色の青ブサ君
(注:一部故意に誤解を招く表現が含まれています)

 まずは霧湖さん先頭で編隊飛行.
 霧湖さんはまだ馴らしが済んだばかりのはずだったが,さすがベテランだけあってブサらしい走らせ方をする人だった.アクセルを開けるときは開ける.直線ではリミッターが効く寸前まで引っ張る.(未体験ゾーンに連れてって貰いました(^^;) ハヤブサと一緒に走るのは初めてだったけど,なにしろモノが同じだから加速や,コーナリング性能も変わらない.相手のペースが読みやすいから,ものすごく走りやすいのだ.しばらくして自然に僕が前になる.僕もあまり後ろを気にせず走る.「霧湖さん,僕の走り方はこんなですよ〜」と無言の会話.これでお互いにどこまでやるかが分かった.適当に先導を入れ替わりながら,西を目指す.
 京都〜大阪にかけての渋滞(といっても1SG程度)を抜けて一宮名塩SAでコーヒーブレーク.ルートについて相談.そもそも霧湖さんはこの日どこまで伴走するか決めてなかったのだけど(さすがに鹿児島まではムリ),岡山県の吉備まで行くことにした.(ペースノート上,往路は中国道経由になってたんだけど,気にしない)
 神戸あたりを過ぎると,土曜昼間の山陽道はガラガラ.空は雲一つないピーカン(快晴のこと)で,車影もほとんどないので,気持ちよく飛ばす.2.2SGで流し,コーナーでも2.0SGを維持.経験のないハイスピード・クルーズだが,ハヤブサは全域で安定しており,不安は全くといっていいほどなかった.
 ガスが無くなったので,途中で一度給油に寄ったが,ほかはノンストップで吉備インターに到着.まだ11時だ….

 ちょっと早いけど,ここでお昼.(そもそも吉備を選んだのは一番ご飯が美味しそうだったからなのだ(^^)) ここはタコが名物なのか,タコ尽くしや,タコ天などタコメニューが豊富.僕はタコ釜飯にしてみた.(明石のタコって,このヘンなのか?)


 割と美味しくて満足(これでビールが飲めりゃな〜(^^;)

 往路は時間があるから小一時間ほどバイク談義を交わしつつ,まったり休憩しました.

 さてこの先で霧湖さんとはお別れ.霧湖さんは中国道の方に廻るという.(なんでも,帰ってから奥様のお買い物につき合うそうな.この人もタフやな〜) 霧湖さん,ありがとう.初めてハヤブサと一緒に走れてとても嬉しかったです.ハヤブサらしく走らせてやることができました.お気をつけて〜(^-^)/~~~

 再び単独行となる.こちらも先は長い,気を引き締めてかからねば.車量は更に少なくなり,午後の山陽道をのんびり走る.時間を距離に変えていくだけの単調なライド.でも決して退屈じゃない.僕はバイクに跨ってるだけで,だいたいどんな状況でも楽しいのだ.
 燃料をほぼ使い切り,宮島SAで休憩.岡山・広島・山口県と横に長い県が続き,なんとなく進んだ気がしない(あと静岡も,いっつまでも静岡だよねぇ…). さすがに少し疲れが出てきた.でもここでようやく半分過ぎたばかり.がんばっていくぞ.
 山陽道の終点まで行くと,再び中国道に合流する.このあたりは今回のルートで一番のワインディングで,ノリノリで走り抜ける.関門海峡は,思ったほど大したことはなく,レインボーブリッジと同じくらいの橋であった.
 さて九州上陸して最初の古賀SAで大休止.先に大柄の赤いバイクが止まっていた.Yamahaの,Thunderace? あまり見ないバイクだな….1000ccの大柄なバイクなのに,ライダーは女性である.地元のライダーで岡山の方から来る人と待ち合わせをしていた模様.少しおしゃべりしたら,サンドイッチ貰っちゃいました(^^)


suzumeさん,ごちそうさまでした(^-^)

 さて,早く着いたら鹿児島市内まで出てくれようと野望を抱いていたのだけど,どうやらそこまで時間の余裕はないみたい.今日の宿は霧島温泉なので,終着駅は横川ICに決定.あと240kmだ.
 なんでもそうだけど,「あと,もうちょい」とか思うとなかなか終わらないし,気が緩むのか事故も起きやすい.この日は大して疲れてなかったのに,ここからが長かった.あと200キロが150になって,100キロになるのに,なんと時間がかかったことか.走っても走っても一向に距離が減らない感じ.熊本の南半分から先はいい感じのワインディングだったのに,あまり楽しめず,頭んなかで早く温泉はいりた〜イ,ビールも飲みた〜イと妄想.ようやく横川に着いたときはなんかもう,ヘトヘトだった.所用時間13時間40分.ペースノートより2時間遅かったけど,まぁこんなもんだろう.
 東京ICのチケットで,期待通り料金所の収受員のオジサンを驚かせたあと,最後に20kmの山道.…さすがにちょっとくたびれた.

 18:30ホテルに到着.気持ちは元気だけど,なにしろ右手の腱鞘炎と,ものすっごく肩こりがしんどい.あと耳鳴り! まだ走っているかのようなゴーゴーいう耳鳴りが,両耳で鳴ってて話がしづらいくらいだった.弟と落ち合って,明日の動きについてミーティング.親を含めて親戚一同にもバイクで来てることは内緒だったので,バイクの置き場の問題やら,着替えのタイミングやらを細部まで検討.ま,なんとかなりそうだ.
 メシ喰って,温泉にゆっくりつかったあと,生まれて初めてマッサージさんをお願いした.いやぁ気持ちがいいねっ.マッサージさんが帰ったか帰らないうちに爆睡.朝まで10時間ぶっ通しで眠り続けた.