「ホルンから見える他の楽器」

ホルン奏者から見た他の楽器奏者の特長とは!?

単行本でもこんな内容のものありましたが、アマオケをいくつも渡り歩いてきた区民響ホルン奏者(コードネーム:ちえぞう)が、他の楽器奏者について、その特長を明らかにします。

(特にここのオケの人物を特定しているわけではありません! また、本文の内容と掲載されている写真は一切関係がないことを、予めお断り申し上げます。)



近くにいるコントラバスの友人がたまたまそうなのかはわからないのだがコントラバスの人には、妙にコントラバスに強い愛情をもっている人が多い。(どの楽器でも同じかもしれないが)

一度、ラフマニノフのボカリスをアンコールできいたので、「以前トロンボーンできいたことあったけど、オケの曲だったんですね?」と言ったら、「いや、ボカリスはやっぱ、コントラバスソロのが一番でしょう」といいきっていた。

“何を根拠に一番?!”とは思うものの、この「うちの子が一番」みたいな愛情がほほえましく、好感が持てる。

そして、コントラバスの人は弾く音が少ないからか?しらないが、結構他の楽器パートをきいてるようだ。そのせいなのか、普段からおんち、と言われている私が鼻歌で旋律を歌った時に一番回答率がよいのはコントラバスの人である。(ホルンの友人は私がホルンソロを歌ってるにもかかわらず「ぜんぜん、何歌ってるのかわかりません。」とぬかす。)

そして、まったく根も歯もないが、コントラバスはいい人が多い。



バイオリンが幼少のみぎりから始められることが多いのに対しチェロは中年のみぎりから始められることが多い。また、他の楽器で、弦を副業としてやってみてます、率も高い。

きっとこの低音かつ適度に高音もある音色があこがれをいだかせるに違いない。私としてはバイオリンのきんきんした高音にあこがれをいだくが。

しかし、どういうわけか、ビオラをさしおいて、チェロにはオーケストラの中で、ソロが弦としてバイオリンの次に頻発するように思う。その点、なぜ、同じ弦楽器なのにビオラと頻度が違うのか。管楽器ながら不公平と思うが、とくにビオラの人は気にしていないようだ。



ファゴットの人は、かなり、独自のワールドをもっている人が多い、といえるでしょう。ある意味“愛されるみょーな人”が多い。比較的、何を考えてるかわからないが、何を考えているのかわからんところに味があるというのか。(しかし、この印象は私の高校の先輩だけかもしれんが、、、)

ちなみに、それとは反対にアンサンブルなどでひたすら主張するタイプもいることは確かだが。誰かが、「オケの人、変な人多かったけど、ファゴットだけは変な人がいなくて、人格者だった」といっていたが本当か?ま、あながちうそでもないと、思わないでもない。

ちなみに、どうでもいいが、私の知ってる限りでホルン−ファゴットカップルがいないのはなぜだ?



トロンボーンパートは比較的固まって行動すると思われる。それは何楽章かまとまって、休みということが多く、暇になった時、一緒にいることが多いからではないかと思う。(ちなみに、ボーンの人が団内指揮者になってることが多いのも、吹く楽章が少ないからではないか?)

そして、ボーンの方は、3時間のオケの練習中で出番が30分であっても、文句一ついわず、じっと待ってる忍耐強い方がおおい。(指揮者がボーンの無い、楽章で白熱して時間が延長し、もともと出番が少ないのに、、、どうするんだ、と他の楽器の者があせってるような時でさえ)

ほいで、その忍耐力ゆえなのか、ただ単に酒が好きで練習後の飲み会に気合をいれてるせいなのか、ボーンの方がオケの世話役さんをやっていることは多い。

ところで、気を付けないといけないのは、ボーンはホルンのすぐ後ろにいるので、ホルンのアラが彼らにはみえまくりなのである。



いうまでもないが、トロンボーンになお、わをかけて、寛大な人物がおおい。待たされても、ほとんど文句はいわず、仏様のようである。

そして、チューバは激的に重い。チューバの人が軽々もってるから油断して、一度、運搬時背負ったら、自力で下におろせんかった。あとできいたら、「あ、すいませーん。ケースに原譜全部入ってましたーー」なぞといわれた。“どおりで重いはずだ・・・・”えらいよね。こんな重い楽器持ち歩くなんてさ。



なんか、このパートは他よりも下克上が激しい世界と思うのはあたしだけだろうか?なぜならば、バイオリンというのはピアノと並び、幼少のみぎりよりたしなんじゃってる人が多いからではないかと思われる。したがって、なんか団内とかの、ちびっちょい演奏会で、ひたすら芸をみせちゃう人と、オケでも椅子が4列くらいならんでいるのに、なぜか、後ろへ後ろへ座りたがる人との人種の差が激しい。

ホルンの身でバイオリンの譜面をみると、オケで旋律として自分が鼻歌で歌ってる部分が譜面にあるので非常に新鮮である。また、五線の上に音符がいっぱいありすぎて、読めない、というのも新鮮かつ、迷惑である。

それと同時に音符が多いのでページがホルンの何倍もあり、楽譜の製本の苦労がしのばれる。

私は高校のとき授業で1年ほどあったので、家で練習したら、「うるさい」といわれた。私は一度ブラームス1番のはじめのあの、高音域のバイオリンを弾いてみたい。でも、友人の家でその子のバイオリンをかりてそこを練習していたら、その子の弟に「あの人、ほんとに、オケの人なの?」と言われた。



このパート、ひたすら踊りながら自己主張する人と、「パートなんでもいいから。○○さん、吹きたい?どうぞどうぞ、吹いて頂戴。」みたいな無欲な人との差が激しい。この、あまりパートにこだわらない謙虚さは、非常に不思議でもある。

どういうわけか、周囲を見渡すと、ホルン−クラリネットカップルというのが多いのはなぜだ。自己主張ホルンと謙虚クラリネットが引き合うのではないかとよんでいる。



だいたいが、濃い人が多く、テンポを無視して無我の境地に入っていく人も多い。そして、周囲のものも、また彼が皆の手の届かない場所に行ってしまったことを悟る。

まあ、オーボエはドソロが多いから、そのくらいの独創性があってもいいのかもしれんな。そうかもしれん。

ちなみに私が友人のをふかしてもらったら、はっきりいって、ドレミファソラシド1オクターブもでなかった。こいつは結構むずかしい楽器なのだと思われる。個人的にいわしてもらうと、生まれ変わって吹くとしたらホルンかオーボエを吹きたい。



フルートはお嬢様だ。なんでだかわからんがこの認識はどこのオケにいってもかわらん。要は管楽器なのに口紅がつけやすいのはこの楽器くらいだからじゃあないかと私は思っているが。管楽器としては幼少のみぎりから習うものとしては結構こいつが候補にあがるからかもしれんが。真相はなぞ。

そして、仕切る人が多いのもまたいえることだ。フルートはかばんに入るから、私の友人などは、温泉にいくときも、とりあえず、もっていこうかな、というので、その口車にのって、自分ももっていくと、ホルンはいきなり荷物が6kg増加してしまうのである。そこの点、軽くてずるい、と思わなくもない。

しかし、時としてフルートは高い。油断がならん。金銀使ったリッチな楽器だからだ。フルートを吹くと目が回るから個人的にはあまり吹きたくない。



これらは、まったくCDではなく、本物のオケできいた方がいいと思える。時としてパーカッションは神がかってるなあ、と思うのはあたしだけだろうか?

以前ローマの松をやったときは、練習さぼりがちだったもので、かなり本番間近に、始めてパーカッションが入った練習をしたら、おおおお!と感動した。

ちなみにこちらの楽器の場合、見た目も大事だと思うがいかがか?「ちょっと、そのかっこつけた、動作は、楽器には意味があるんですか?」位の方がうまく見える。因みに港北のAさんは鏡にむかって、タンバリンの練習のポーズをとっていたので、「タンバリンもポーズもあるんかいな?」と興味深く盗み見させてもらった。

私の趣味を言わせてもらえば、とりあえず、鐘がカーンカーンなっていさえすれば、感動する。



ホルンは吹奏楽ではめだったソロは少ないのであるが、オケだとソロが結構あるのである。したがって結構楽しいが、プルっとはずすと恥をかく、という話もある。

ホルンは4本あるが、どういう仕組みになってるかご存知でしょうか?客席から見て右前1st、左前2nd、右後3rd、左後4thとなってます。そして、1、3が高い音を吹き、2、4が低い音を吹きます。(大編成の曲はまた別です。また、5人くらいの場合は1のアシスタントが、前列の一番右に追加されているときもあります。)そして、高い音、低い音で2人でコンビを組むのは1・2、3・4どおしです。

で、ソロが一番多いのは1stです。次にソロが多いのは3rdかな。作曲家によっても、結構組み合わせはさまざまで、チャイコフスキーとかは、1・3、2・4で同じ音を吹いているときも多く、ブラームスなどは、結構1・2と3・4が別に吹いてたりします。今度見てください。

ちなみに、花のワルツ、美しく青きドナウなど、ホルンが目立ってるように見えますが、ワルツなどは、ほとんどホルンはウンパッパ、ウンパッパと、後うちの連発で、周囲の楽しそうな雰囲気に反して、「あー、飽きてきた、疲れたーーー」などと思ってることもあります。

港北区民交響楽団機関紙「poco a poco」第25号(2002/8/10発行)/第26号 (2002/12/23発行)より


Last update: Dec.30 2002
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