それでもなんとか、少年はありったけの力で興奮するラクダを座らせ、僕を降ろし、「ミスター、お金半分でいいよ」と言って、自分はラクダに乗って物凄いスピードであっという間に駆け去ってしまった。 心臓がバクバク、股はガクガクの僕は、砂漠のド真ん中に取り残され、遥か彼方のゲストハウス目指してトボトボと歩いて帰ったのだった。 「ラクダは楽だ、なんて言ったのは誰や?」なんてぼやきながら。 ・・・で、思い出すのである。「だったん人の踊り」を聴くと、あの時の恐ろしい体験を。 (エピソードI終り J.FK) |