百萬(ひゃくまん)
世阿弥 作 (原作は観阿弥)
吉野の里人(ワキ)が奈良の西大寺の辺りで拾った子 (子方)を連れて、嵯峨の大念仏にやってくる。 そこへ百萬(シテ)と名乗る女物狂が現れる。 女は、念仏を唱え、踊りながら、身上を嘆き生き別れた 我が子との再会を仏前に舞を奉げて祈り、群衆の中に 我が子の姿を探し求めるのであった。里人が連れてい た子が我が子だとわかると、仏力に感謝し、奈良の都 へと帰っていく。