俺の名前はヤナギハラ・ヨシミツ。売出し中の新人ワーウルフハンターだ。
ワーウルフハンター。要するに人狼狩り師。
人狼-いつ頃から、連中が現れるようになったんだろう。
前世紀の末頃、地球と月に原因不明の重力異常だかなんだかが起こり、おかげで隕石が降り注ぐわ、オゾン層が消滅しかけるわ、大陸が沈むわ、極の氷が溶け出すわ、ありとあらゆる天変地異に見舞われて、相当、大変だったらしい。
異常が治まってからも、月の存在自体は異質なものに変わってしまったままだった。
その異質な月から降り注ぐ妙な月光の影響−「月光力」って呼ばれてるんだが、そいつのせいで、世の中、突然変異の化け物だらけになってしまった。
化け物はバラエティー豊かに揃ってるが、なかでも、一番、タチが悪いのが、ワーウルフ。人狼だ。昼間は人間そっくりなんだが、夜になると、本性をあらわして人間を襲う困り者。
で、俺達、人狼狩り師の登場となる。
ワーウルフを狩って、報奨金を手に入れる商売。報奨金の払い主は様々で、個人から公共団体まで。
一応、ハンター営業するには政府の認可が必要で、なぜか、ハンターは伝統的にムチを武器として使用している。ワーウルフには普通の弾丸が効かないかららしいんだが、別にムチじゃなくても、いいような気がするのは俺だけ?
まあ、俺はムチが好きだから、別にいいんだが。
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