【エイプリルフール】


日ご存じのとおり4月1日はエイプリルフール。ウソをついも良い日ということで、
ヨーロッパではかなり大がかりなウソ(ただし罪のない、ジョーク的なウソですよ)
横行するという話、よく耳にしますよね。

スロヴェニア人も、ジョーク大好きな人種ですから、やはり大がかりなウソ、やっているようですよ。
ずいぶん前に新聞に掲載された一つのウソをご紹介します。
もう伝説的になっている、有名なエピソードです。

ある年の4月1日、新聞にある情報が掲載されました。ある店で卵の大安売りがある、という情報です。
安売りといってもハンパな値段ではなく、日本円にして1パック1円くらいの、ケタ外れの安売りです。
その店はかなり不便な場所にあり、町の中心からずいぶん離れた山の中、坂を上って、上って、
やっとたどり着けるような場所でしたが、1円の卵を買おうと、たくさんのお客さんがつめかけました。
ところが、ヘトヘトになってたどりついてみても、卵の安売りどころか、店なんて影も形もありません!
今日はエイプリルフールですという張り紙があるだけ…。
クヤシーイ、だまされた!と思っても、エイプリルフールですから、怒るに怒れず、
みんな苦笑いでその場を立ち去るしかなかったというわけです。

そして、その翌年の4月1日、同じ新聞にまた卵の安売りの情報が掲載されました。
同じ山奥で、同じく超特価の卵を売るという情報です。去年のエイプリルフールのことは、
リュブリャナ中に知れわたるほどの話題になりましたから、"もうダマされるもんか"と、人々は
せせら笑ってその情報を読んでいました。
ところが、新聞は読者より1枚上手でした。その年には、本当にその場所で卵を大安売りしていたのです!
どのくらいの人が、それを見越して買いに行ったかは定かではありませんが、買いに行かなかった人たちは、
後からそれを聞いて、きっと1年前よりも、もっとクヤシイ思いをしたことでしょうね。

最後に、イゴールが小さい頃に大成功したエイプリルフールのエピソードをご紹介します。
その日イゴールは、家族から、映画のチケットを買いに行くように頼まれました。
チケットを買いに行ったイゴールは、その日がエイプリルフールだということに気づき、
チケットは売り切れだったとウソをついて、お金をそっくり返しました。
みんなは仕方なく、食べたり、飲んだり、トランプをしたり、のんびり過ごしていましたが、
突然イゴールが映画のチケットを取り出して叫びます。「早く行かないと、間に合わないよ!」
そうです。本当はチケットはちゃんと買っていたのです。
そして、最終上映にギリギリ間に合う時間を見計らって、チケットを渡したのです。
そこで初めて、その日が4月1日だと気づいて、みんな大笑いしながら、大慌てで映画に出かけていきました。

どうですか?来年の4月1日には、誰かをダマしたくなってきたのでは…?!



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