【秋のスロヴェニアは、きのこの天国


スロヴェニア国土の三分の二を占める森。人々は森を散歩するのが大好きです。

スロヴェニアは国土の三分の二が森です。
都会であっても少し足をのばせば 森があり、人々は森を散歩するのが大好きです。
散歩しながら、花や果実などを摘んで集めます。
花はブーケに、ベリーは持ち帰ってジャムに します。
森は、人々の暮らしを豊かに彩ってくれる宝の宝庫です。
そして、忘れてはならない森の宝物の一つが、キノコです。
森に自生するキノコは数えられないほどの種類があり、特に秋はキノコの天国。
色や形も様々なキノコが、いっぱいできます。
スロヴェニア人はキノコが大好き。
キノコの季節には、人々はこぞってキノコ狩りにでかけます。
森を散歩しながら様々なキノコを摘み歩き、摘んで帰ったキノコは、
フライ にしたり、スープやピクルス、ソテーなどにして楽しみます。

もちろん市場でもキノコを売る店がたくさん並ぶので、
森に行かなくても買うことはできますが、やはり森を散歩しながら摘み歩くのが楽しいので、
自分たちでキノコを採りに行く人が多いのです。
イゴールがスロヴェニ アに居たころも、
キノコ狩りは秋の風物詩の一つとしてとても盛んでした。
ですがたった一つ、人々を悩ませるやっかいな事がありました。
それは、食用キノコと毒キノコをいかにして見分けるかという事です。
ご承知のとおりキノコには非常に強い毒性を持つものもあり、
普通の人々が毒 キノコを見分けるのはとても困難です。
しかもやっかいなことに、とてもおいしい食用のキノコと
強い毒性を持つキノコがそっくりの色や形をしていることが多いのだそうです。
キノコの毒は、食べてから数時間後に症状があらわれるものもあり、
症状が現れた時にはもう体中に毒がま わっているということも少なくないのだとか。
いくらキノコ狩りが楽しくても、天然のキノコがおいしくても、
食中毒の危険があっては、リスクが高すぎますね。
そこで、当時イゴールの住んでいたリュブリャナでは、
大学の研究室にキノコを持っていけば、食べられるキノコか毒キノコか、
見分けて教えてくれるという気のきいたサービスが行われていました。
これで安心して自分で採ったキノコが食べられるとあって、
キノコ狩りの季節には研究室は大忙しだったそうです。
でも、そんな大忙しの研究室のスタッフたちもやはりキノコが大好きなはず。
だけど忙しくてキノコ狩りにも行けません。
そんな彼らを見てジョーク好きのスロヴェニア人たちはこんな事を言っていました。

“なあに、大丈夫さ。特においしいキノコが持ち込まれた時には、
深刻な顔をして【残念ですが、これは毒キノコですので処分しておきます】と言うんだよ。
それで仕事が終わってから、それを自分たちで料理してタラフク食べればいいのさ!”



前のページに戻る

サイトマップへ