【大きな大きなストーブの話】


2005年スロヴェニアツアーの滞在先【観光農家 トプラック】にあった、ちょっと小ぶりのクルシュナペッチ。
こちらが窯の裏側で、ベンチがついています。

スロヴェニアは北海道と同じくらいの緯度にある、冬の厳しい国 。
そんな寒〜い冬に大活躍する大きな大きなストーブ【クルシュナペッチ】。
パンの窯、という意味で、農家や古い民家で今も使われています。
イゴールがよく行った田舎の家にも、特大のクルシュナペッチがありました。

大きさは小さな部屋ほどで、台所と居間の間にでん!と据え付けられていました。
中心が薪をくべる大きな窯で、外はタイル貼り。
外壁の周りは腰掛けられるベンチが設えられていて、座るとお尻がポカポカ。
窯の上の方にも寝転べるスペースがあり、寒い日には家族みんながここに集まって来ます。
窯の中では名前のとおりにパンやケーキを焼いたり、土鍋に入れたシチューを煮込んだり。
火力が強いのでパンもケーキも外はカリッ、中はモチッと焼きあがります。
ポカポカのベンチで本を読んだり、編物やおしゃべりを楽しんだりしているうちに、いい香りが漂ってきて、
「ごはんですよ〜」とお母さんの声。湯気の立つシチューと焼きたてパンで、いただきまーす!
というのが、クルシュナペッチを囲む昔ながらの風景。

外はどんなに寒くても、これならしっかり乗り切れますよね。
厳しい気候で暮らす人たちの知恵が生んだ、とても魅力的な大きなストーブの話でした。

 前のページに戻る

サイトマップへ