尾瀬ヶ原・笠ヶ岳   2006年7月1〜2日

コース:
尾瀬ヶ原散策:鳩待峠10:45〜山ノ鼻〜尾瀬ヶ原三又〜ヨッピ橋方面(往路戻る)
笠ヶ岳:鳩待峠7:12〜8:45オヤマ沢〜8:55笠ヶ岳分岐(オヤマ沢田代)9:00〜10:45笠ヶ岳(頂上分岐)〜10:58山頂〜頂上分岐11:10〜11:22片藤沼〜12:35咲倉尾根避難小屋12:55〜13:55林道出合14:00〜15:17車道四差路15:27〜16:00湯ノ小屋(葉留日野山荘)


ホテルで6時から朝食という優雅な山行。雨は降っていないものの、怪しい空模様の中、スパッツをつけ、バスに乗り込む。
鳩待峠から至仏山を途中まで登って、オヤマ沢田代の分岐から笠ヶ岳、そして湯の小屋までのロングコースである。

3度目ともなると本当に途中までは余裕がある。今日もゆっくり(?)組で花を探しながら歩いていく。
マイヅルソウ、ヤマトユキザサ、エンレイソウ、ゴゼンタチバナ、ショウジョウバカマ、ミツバオウレン・・・常連さんばかりである。
しかし、甘利山でみつけた不思議な葉を持つスミレが、ここには咲いていた。その名もアカフタチツボスミレ。一度見たら忘れない姿である。

オヤマ沢に近づいてくるとイカリソウが現れる。白くて可憐だ。(これは蛇紋岩の至仏山特有で、キバナイカリソウより高さが低く、葉の周囲が褐色に縁どられるなどの特徴がありことからクモイイカリソウと判明。)

黄色い大きな花はシナノキンバイ。そしてイワカガミも競うように咲いている。


アカフタチツボスミレ
(赤斑立坪菫)

クモイイカリソウ
(雲居碇草)

シナノキンバイ
(信濃金梅)

イワカガミ
(岩鏡)


イワカガミ
そろそろ残雪が多くなり、雪の上を歩く。ところどころ雪が融けて木の階段を踏み抜きそうで怖い。
これだけ雪が深いとしばらくは花はお預け。

ようやくオヤマ沢田代まで来るが、雪がやっと融けたところで目ぼしい花はなし。分岐で少し休憩。これから笠に向かう。
「湯の小屋まで12km」とある。確かに、長い。

悪沢岳を越えて行けば大体は下りで、ここからは少し楽になる。振り返ると至仏山が大きい。山ノ鼻から至仏山に登っているIリーダーの一行はどのあたりだろうか。


オヤマ沢はまだ残雪の下

笠ヶ岳と小笠
しばらく行くと視界が広がって、笠ヶ岳が見えてくる。ここまで来ると楽しいハイク気分だ。
ペース良く歩いて行くと少し下って花が多くなる。サンカヨウ、キヌガサソウ、そしてチングルマ。お花畑に突入。当然ここで小休止。

すると、向こうの笠の斜面を上がっていく先発隊が見える。飛ばしているなあ。
お〜いと呼びかけるが聞こえないようだ。

更に進むと今度はまた違う花が。タカネバラ、ミヤマシオガマ、大好きなハクサンイチゲ、ヒメシャクナゲ、そして思いがけずホソバヒナウスユキソウが。
ここも至仏山と同じ蛇紋岩のようだ。道理で岩が滑る訳だ。予想以上の花に大満足。


お花畑(チングルマ)
お花畑での小休止の後、私たちも笠に向かう。一旦下って登り返す。すぐに頂上直下の分岐となり、ザックをデポして登りだす。
ちょうど上から降りてきたのは先発隊。笑顔で見送る。

振り返ると今度は別のUリーダーのグループらしき団体が見える。向こうからお〜いと呼ぶ声がするので、こちらもヤッホ〜!と返す。

かなりの急登、滑る岩場に緊張するが、ここもお花畑、ノビネチドリにハクサンチドリもある。


タカネシオガマ

ホソバヒナウスユキソウ

笠ヶ岳
笠ヶ岳を後にすると、しばらくは歩きやすい道である。ただし、虫が多い。それに、雪解けの泥濘で靴はドロドロ。
片藤沼を通り過ぎ、池塘を過ぎると下降が始まる。いつの間にか休憩中の先発隊に追いついて追い越す。
今日は「やや健脚」コースでもあり、意外と速いペースで、休みが少ない。あっという間に咲倉尾根避難小屋に着く。ここで大休止。

その間に先発隊が追い着き、そのまま先行する。
小さな小屋だがしっかりしている。小屋の前に1輪だけベニバナイチヤクソウが。

さて、これから先は急降下の連続となる。地形図の等高線も密である。滑るし雨模様だし、落ち葉が散り敷いて、足元が不確かなのが怖い。

慎重に、慎重に、と足を運ぶ。前の方ではズルズル滑っている人が目立つ。
今日はコースも長いし、時折雨が落ちてくる。悪いコンディションだ。

長い長い降下が終わるといきなり広い林道にぶつかる。道はこの林道の対岸にまっすぐ延びているが、地図で見ると山道と大体並行しているようだ。
私たちは空模様に合わせて合羽を脱いだり着たりしながら、少し下界に近づいたこともあって暑いため、合羽の上を脱いでザックにしまう。
そしてそのまままた山中に入るが、あっという間にさっきの林道にまた下りてしまう。

しばらく林道を歩いて、また山中に戻る。
林の中は暗く、花もあまりない。その上小さな虫がまとわりつく。あまりに煩いのでネットを被る。

花はないかと見回すが、イチヨウランが1本あったのみ。
それに、アッと思った瞬間に見事に転んでしまう。(膝に大きな青あざが出来た。)
キョロキョロするのはもっと平坦な所のみにしようと反省。


急下降が始まる
今度はまたゲートのある広い林道の四差路に出る。ここからは舗装道路になっている。
雨もまた激しくなり、傘を片手に少し舗装道路を下る。このまま行っても迂回して湯の小屋に出るが、あくまでも林の中をまた急降下していく。

ここが最後の難所だった。虫が更に多くなり、足場は本当に悪い。急な上、濡れた落ち葉で石も見えず、滑ることこの上ない。ストックを持つ手にも力が入る。

それでも30分ほどで何とか車道に出て、山道も終わり。
時折激しく雨が降る中、何とか全員下山完了。あとはお風呂!

蒸し風呂のような山中から出て、葉留日野山荘で入浴。先発隊が靴を洗ったり、ザックの整理をしている。
何時に降りた?と聞くと45分前だという。凄いスピードだ。

さて、ここのお風呂は洗い場も比較的広く、また掛け流し?のお湯は気持ちが良かった。人数も分散したので比較的ゆっくり入れて、汗を流して今日の道のりを振り返る。
着替えも済んだ頃、Uリーダーの一行も到着、最後は林道(車道)を降りてきたという。
それが正解かもしれない、と思った。

ご一緒した皆様へ


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